53話
リオン・シィ・レファリスは、察知する。仲間が、ほぼやられてしまったことを。
真っ先に突っ込んだ、子供二人は、帰ってこないところを見ると、やられたのだろう。レオンからは、先ほど連絡が来た。九御は、無反応。かなりの絶望的な状況である。
「あぁ~。どうしよ……」
リオンは、溜息をつき、上を見る。上には、照準の合った、魔装砲が確認できる。誰かが、狙っているのだろう。
リオンは、状況を全て理解した。それゆえに、降参しか道が無いと分かった。
「ただ、普通に投降するのも、ねぇ」
垂直に跳躍し、屋上から、自分を狙っていた人物の横へ着地する。
「ども~」
「きゃっ」
思わず、驚きの声を上げたシルフィー。先ほどまで、照準の先にいたのに、気づけば、横にいるのだ。驚かないほうが無理と言うものだ。
「誰だ?!」
厄魔が声を荒げ聞く。
「どうも、リオン・シィ・レファリスよ。あっ、と、別に襲いに来たわけじゃないから」
鼻歌交じりに、シルフィーの横に腰を下ろす。
「いえ、ねぇ。私達の仲間も、ほぼやられちゃったみたいだから。お花を見に来たのよ」
花?とシルフィーは首を傾げる。
「そう、お花。綺麗な綺麗なお花」
そう言って、シルフィーに触る。
「貴方のことよ、お嬢さん」
ゾワッ、と感じた悪寒に、シルフィーは、飛び上がる。
「あらあら、可愛いわね。ピンク?」
「ぽっ」っと頬を染めるシルフィーをニヤニヤと眺めるリオン。
「も、もう、なんなんですか、貴方は!」
シルフィーの声に、リオンは、笑うだけだった。
「さあて、もう、この辺で、止めるとするか」
厄魔が、二人を止めに入ったのは、数十秒後。二人を(主にリオンを)止めたのは、数十分後だった。




