表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫天の剣光  作者: 桃姫
第五章
48/57

48話

 音音と零士の元に、言い様のない不気味な声が届いたのは、そのときだった。

 「世喰らい」を一部破壊し、次の攻撃に移ろうとしていた、そのとき。

「なっ、何だ?!」

 地面を揺らすような不気味な声。まるで呪いを発するかのように、黒く不気味な声。それは、天へと上る。まるで「世喰らい」を呪うかのように、不気味な言葉が天へと響く。

「あれは、何?」

 言葉であれを表現するなら、呪詛を纏う。

「ハッ、なんだろうと関係ねぇよ。ぶった斬れば、いいんだろっ!」

 零士は、剣を構える。そして、魔力を注ぎこんだ。

「紫雨流・奥義『宵雨(よいあめ)の型・雨月(あまつき)』」

 ジュワッ、と言う音と共に、「ムラクモ」を取り囲むように風が渦巻く。その様子は、剣を取り巻き、隠すように渦巻いているかのようだ。

残宵(ざんしょう)時雨(しぐれ)落とし」

 鋭い、茜色の閃光が、空を滑走する。飛翔する。しかし、呪詛の壁に、阻まれてしまった。

「おいおい、何だよ、ありゃ?」

「はぁ、あれには、攻撃が効かないっぽいわね。時に零士。貴方、私ら名義で支部に届いたメッセージ知ってる?」

 その言葉に違和感を覚えながらも、零士は、頷く。

「俺は、そのために、招集された組織のメンバーの一人だからな。それが?」

「私らのところには、本部名義で『お前等の活動を潰す』とメッセージが来てんのよね。だから、私らの仲間も、そっちのA支部に向かったんだけど、あ~、貴方抜きで大丈夫なの?」

 のんきそうな言葉。

「あ~、大丈夫だろ。馬鹿が多いが、その辺は、桜子がカバーしてくれるだろ」

 零士の言葉に、こんな状況ですら音音は笑う。

「あ~、貴方、やっぱり桜子ちゃんのことが好きなのね」

「はぁ?急になんの話だよ」

 零士は、呆れ顔で返す。それに対して、音音は、フッフッフッと不気味に笑う。

「相変わらず素直じゃないわね~。分かっているわよ。貴方が、桜子ちゃんのために色々やってんのは知ってんだから。も~」

 ほっぺたを人差し指で突く音音。このノリに、詩春を思い出す。

「やめろ、鬱陶しい!」

「ほれほれ~」

 緊急時にも関わらず、そんな風に振舞えるのは、やはり、心と力に余裕のある二人だからなのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ