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プロローグ "Memories"

 その少女は、何かを探していた。


 少女の表情に焦り。まるで大切な物を奪われたかのような。

 ……事実、教室の窓際にいた少年が少女の探し物をその手に握り締めていた。


 少女が「返して!」と必死に叫ぶ。しかし少年はそれに全く応えない。

 気付けば、少女を嘲笑が囲っていた。その少年も口元を嫌に歪ませている。真剣に訴える少女に、しかし味方はいなかった。少女の周りは全て敵だった。

 少年達にとってはただの遊び。ただのからかい。少女にとっては心が壊れてしまいそうな程の精神攻撃。


 少年が窓を開ける。これから起ころうとしていることに、少女が気付かないはずも無く。より必死に叫ぶ少女。それでも結果は全く変えられない。

 実力行使に出ようとしていた少女を、窓際にいるのとは別の少年が後ろから羽交(はが)()めにした。小柄。しかし男の力を女である少女は振りほどけず。

 それでも少女は必死に叫ぶ。


 そして。窓際の少年が窓の外に向けて思い切り腕を振り降ろした。

 外にある蜻蛉(とんぼ)(いけ)に探し物が吸い込まれていく。


 そこで少女は第二の産声をあげた――

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