裸で美女な隣の子
夢じゃなかろうか?なぜ自分がこのような状況に置かれているのか、俺はまだ理解できずにいた。
午前2時。六本木の町はまだまだ活気に満ちている金曜の夜である。俺、山田太郎はなぜかセレブばかりが住むことで有名な高級マンションの一室で、裸の女性とともにベッドの中にいるのだ。しかもかなりの美女。22年間彼女なんていたことない、負け犬街道まっしぐらなこの俺がだ。
部屋はいままで嗅いだことがないくらいのいい匂いと、お酒臭いのとが混ざって、なんだか異様な匂いに包まれていた。彼女も俺も相当酔っていた。お酒が適度に入った男女が一つ屋根の下、しかも同じベッドで寝ているなんていうシュチュエーションは、健全な一般男性なら心揺さぶられるものだろう。俺だってそうさ。この状況を前にして、長年お目にかかることのなかった俺の中の本能がここぞとばかりに俺に語りかける。「こんなチャンスは二度とない」わかってるさ。わかってるんだ。わかってるんだけどどうしようもないじゃないか。初めてだからとか緊張してビビってるのも確かにあった。だけどそれ以上に、今にも砕け散ってしまいそうな俺の理性を、今一歩のところで踏ん張らせている問題があった。いつも、そして今だって携帯を開けばそこにいる。テレビをつければ歌い、踊り、笑いかけてくれる。そう、隣に寝ている彼女は売れっ子アイドルなのだ。