02-39.仲直り
え? 心愛ちゃんも? 謹慎してるの?
「うん。自分も同罪だからって」
別にいいのに。心愛ちゃんはちゃんと反省してるってわかるから。
「だからこそじゃないかな」
偉い♪ キスイにも爪の垢を煎じて飲ませたいよ♪
「もうずっとその呼び方にするの?」
え? ああ。うん。なんか慣れちゃった。
「ボクも呼び捨てて」
え~。
「私はいいかな。さくちゃんって呼んでくれるのカゲリちゃんだけだし♪ これも大切な思い出だから♪」
さくちゃん♪
「カゲリちゃん♪」
「影裡様ぁ~」
リーリャ♪
「くふっ!?」
「えぇぇ!? リーリャちゃん!?」
あらら。倒れちゃった。
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「影裡!!」
キスイは謹慎が明けるなり飛びついてきた。
「会いたかったわ! 影裡!」
しゃあないな。許してやるか。
「影裡!」
感極まったキスイは繰り返し口付けてきた。本当に反省しているのかしら? 少なくとも堪えたのは間違いなさそうだけども。
「はいはい、綺透さん。お仕事いっぱい溜まってますよ。影裡さんタイムは後にしてくださいね」
「ああ! そんなぁ!」
無慈悲。未来ちゃんはキスイを引きずって行った。
「かげりん……」
おいで♪ 心愛ちゃん♪
「ごめんねぇ~~!!」
お~よしよし。大丈夫。もう怒ってないよ。お勤めご苦労さま。もう何も気にしなくていいからね。心愛ちゃんはよく頑張ったよ。大好きだよ。心愛ちゃん。
「うわぁぁぁぁああんん!」
余計に泣き出してしまった。
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まったくもう。誰だ心愛ちゃんに謹慎なんてさせたのは。
私か。ダメでしょ。心愛ちゃんは寂しがり屋さんなんだから。人一倍辛かったに決まってる。キスイまでちゃんと反省しているっぽいのはそんな心愛ちゃんを側で見ていたからかしら? 心愛ちゃんには悪いけど、お陰で少しはキスイも懲りただろう。いいかげん許してやろう。うん。
「影裡」
はいはい。ちゅっちゅ。
「えへへ♪」
誰こいつ。
「酷いわ……」
私のキスイはそんな笑い方しないし。
「心を入れ替えたのよ」
自分でそういうこと言い出すと疑いたくなるじゃん。
「信じて影裡」
はいはい。疑ってない疑ってない。ちゅっちゅ。
「えへへ♪」
やっぱり違うんだよなぁ。キスイは「うふふ♪」って笑うんだよなぁ。
「そちらの方がお好みかしら?」
別にどっちでもいいんだけどさ。なんか慣れないだけで。
「そう。ならいっぱい聞かせてあげるわ♪」
程々にしないとまた謹慎させるからね。
「嫌よ! 絶対嫌!」
ならやり過ぎないでよ。
「約束できないわ」
おい。
「それが影裡の為になるって思えば私は必ず繰り返すわ」
あのねぇ……。
「せめて先に相談するから。リーリャさんにも許可を取る。だからお願い。私は影裡が愛しくて堪らないの。私に出来る事はなんでもしてあげたいの。例え影裡に嫌われたって……ううん。本当に嫌われるのはダメよ。あくまで一時的によ。それくらいの覚悟はあるつもりよ。けれど本当に遠ざけられてしまえば悲しいの。心が折れてしまうかもしれないわ」
……わかったよ。いいよ。見捨てない。だから未来ちゃんにも許可を貰ってね。皆で相談してから動いてね。信じるからね。わかった? キスイ?
「うん!」
やっぱ調子狂うなぁ……。
「えへへ♪」
幼児退行なの? やりすぎたかしら?
けどまあ、一時的なものだろう。仕方ない。慰めてあげよう。元のキスイに戻れるまで。
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「カゲリ! カゲリ!」
どったん、ティエラ。そんなに慌てて。
「フェアリスが!」
フェアリスちゃんが?
「なんか変!」
うん?
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ああ。なるへそ。
「影裡♪ あなたも来ましたね♪」
フェアリスちゃんが、正確には取り憑いた女神アルテミシア様が、意識を失った私の恋人たちを侍らせて踏ん反り返っている。
女神様が何かしたの?
「ええまあ。そんなところです」
何が目的?
「睡眠学習です。村を作り上げたご褒美です」
私は?
「影裡には必要ありません」
もしかして?
「皆さんにも念話の術を伝授してさしあげようかと」
ありがとう! 女神様大好き!
「ふふ♪ 影裡にも何か他のものを差し上げねばなりませんね♪」
やったぁ~♪
「何か希望はありますか?」
う~ん……。あ! そうだ!
「残念ながら喋れるようにという願いは叶えられません」
え? なんで?
「それはあなたが自分で乗り越えるべきことだからです」
そっかぁ~。
「他に何かありますか?」
う~んとね~。
「残念時間切れです♪ ふふ♪ 影裡は学びませんね♪」
決めた! 身体強化! 凜火ちゃんと同じ……あれ?
なんか身体に流れ込んできた?
「それはまた次回に♪」
え!? 何!? 今何したの!? アルテミシア様!?
「……zzz」
行っちゃった……。




