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異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
02.森林村開拓編

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02-38.初めての喧嘩




「ねえ、影裡」


 キスイは相変わらず私を抱えて放さない。


 心愛ちゃんをベッドに寝かせるまで付き合ってしまったのが失敗だった。私は別にキスイを許したつもりはないのに。また捕まってしまった。さっさと逃げておけばよかった。けれど放っておく事も出来なかった。ちくせう。



「こっちを向いて、影裡」


 しつこくし過ぎれば余計に嫌われるってわからないものだろうか。



「影裡」


 鬱陶しい。ただただ鬱陶しい。



「私ね。姉がいるの」


 ……初耳だ。



「昔は優しかったのよ」


 まるで今は違うみたいだ。



「私ってどうしてか、好きな人には嫌われちゃうのよね」


 今まさにその理由が現れているじゃないか。



「影裡だけは私を好きでいてね」


 今すぐ放さないともっと嫌いになるぞ。



「私にはもう影裡だけなの」


 ……別にお姉さんだって本気で嫌いになったわけでもあるまい。



「愛しているわ。影裡」


 愛しているからって嫌いになれないわけじゃないんだぞ。それは別の感情だ。



「キスして……。お願い……。影裡」


 ……まったく。



「……ふふ♪」


 ほら。満足したなら放せ。さくちゃんに慰めてもらうんだから。



「ダメ。行かせないわ」


 やっぱ嫌いになりそう。キスイのバカ。




----------------------




「そっかぁ~。綺透さんと喧嘩しちゃったんだぁ~」


「(こくこく)」


 だから慰めて。さくちゃん。


「がっかりだ。綺透は誠実さも持ち合わせていると思っていたのに」


「ダメだよ、リーリャちゃん。その物騒なものは仕舞って」


 流石にキルはしちゃダメだよ? あんなんでも私の恋人だからね?


「灯里も影裡様も甘すぎる」


「そういう問題じゃないと思うよ」


 キスイもあれはあれで居ないと困るから。


「そういう問題でもないと思うなぁ~」


 そんなことよりさくちゃん。もっと強く抱きしめて。上書きして。キスイの話は一旦忘れよう。


「ぎゅ~~~!!」


 ~♪


「ボクも」


 かもん♪


 さくちゃんとリーリャちゃんがいっぱい抱きしめて慰めてくれた。私のライフは回復した。




----------------------




 回復と言えば。



「ダメよ! これは消させないわ!」


「あらあら~」


 やっちゃえ! 茉白ちゃん!


「酷いわ! 影裡! 折角くれたのに取り上げるなんて!」


 あげてないし! 勝手に有難がってるだけじゃん!!


「ダメよ~二人とも~喧嘩は無しよ~」


 もうしてるの! お願い茉白ちゃん! キスイの傷を全部治しちゃって!


「嫌だってば!」


 あっ! こら! 逃げるなキスイ!!


「観念しろ」


「リーリャさん!? ズルいわ! 影裡!」


 どっちが!


「あらあら~」


 お願い! 茉白ちゃん!


「う~ん……ごめんね~」


 そんなぁ!?


「ちゃんと仲直りしてからね。それでもって話なら消してあげるわ」


「ふふふ♪ 流石は茉白さんね♪」


 くっ! ぐぬぬ!




----------------------




「あの二人、まだ喧嘩していますのね」


「うむ。そのようだ」


「まったく。綺透さんにも困ったものです」


「カゲリも相当やらかしてますわよ?」


「いいんじゃないですか? 本人が有難がっていますし」


「影裡殿は乗せられたのであろう。あの傷も含めて」


「理解できませんわ」


「それが普通だと思います」


「どのみち痕は残らんさ」


「ですね。その時はまたけしかけるのかもしれません」


「未来は視ませんの?」


「嫌ですよ。痴話喧嘩を覗くなんて。そんな使い方はしたくありません」


「それもそうですわね」




----------------------




「影裡♪」


 うっさい! あっちいけ!


「あら。今日は一段と機嫌が悪いのね」


 最近しつこすぎだ!


「そろそろ仲直りしましょうよ」


 キスイが反省しないのが悪いんだろ!


「ちゃんと反省しているわ。本当よ?」


 信じられないもん!


「どうしたら許してくれるのかしら……」


 一週間私に近づかなければ許してやる!


「無茶言わないで。共同生活でそんなこと出来る筈ないじゃない」


 皆に協力してもらえば済む話だろ! そういうやろうともしないところが反省してないって言ってるんじゃん!


「わかったわ。なら一週間よ。私はその間一度たりとも影裡に話しかけないし触れもしないわ。それで本当に許してくれるのよね?」


 もう始まってるから!



「……そう。わかったわ」


 キスイは最後にそれだけ呟いて離れていった。

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