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異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
02.森林村開拓編(仮)

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02-20.口は災いの元

「影裡さん。次はこれです。制限時間は五分です。始め!」


 未来ちゃんは隙を見つけては私に勉強を教えるようになった。その内容は多岐に渡る。一般的な国数英理社に始まり、この世界の言語やこれまでにわかってきた情報なんかもあれば、体力作りみたいなものまである。ゆくゆくは武術も教えるつもりらしい。今はその為の体作りをするそうだ。


 未来ちゃんの教育は中々のスパルタだ。いや、内容や言葉使いが厳しすぎるって話じゃない。的確に私のレベルを見抜いて丁寧に段階を踏んだ教育を施してくれているのは理解できる。けれど量が多すぎるのだ。或いはペースが早すぎる。未来ちゃんにとってはこれでもかなりのスローペースのようだけど、未来ちゃん基準で進められてもついて行くのは難しい。あと勉強嫌い。なんかもう、未来ちゃんのお陰で楽しくなりつつある自分にすら気分を害するくらい嫌いになってきた。流石にここまでじゃなかった筈なんだけど。暫く勉強から離れていたせいかな。それとも未来ちゃんが厳しいから?



「五分経ちますよ! 全然解けてないじゃないですか!」


 あ、やば。物思いに耽ってる場合じゃなかった!




----------------------




「はい! もう一度!!」


 そんなぁ~。



 まさかこんな方法で後悔させられるとは思いもよらなかった。未来ちゃんを焚き付けたのは他ならぬ私自身だ。当然他の皆だって私に救いの手を差し伸べてくれたりなんてしなかった。


 キスイちゃんなんて全部わかってるくせにニヤニヤしながら私を慰めるだけだ。これ幸いと私の弱った心に愛を囁き流し込んでくるのだ。悔しい。けど幸せ。今に見てろ。絶対キスイちゃんには仕返ししてやるからなぁ! ただの逆ギレ。



 どうか未来様。九条様。私は海より深く、山より高く反省致しました。ですからどうか。今日の勉強時間はここまでにしてください。明日は勉強をお休みさせてください。ノイローゼになりそうです。私は自分の変化が怖いのです。



「また余計な事を考えていますね! 集中してください!」


 くっ! 思念伝達をこれ程邪魔に思った事もないぜ! 誰か貰ってくれない? 今はいらない? そう……。




----------------------




「影裡さん。観念してください。今の影裡さんには鬼ごっこもかくれんぼも不可能です。そのスキルを制御出来るようにならねば他者から逃げることなんて出来ません。そうでなくとも私から逃げるのは不可能です。私はいつだって影裡さんを見ていますからね」


 やっぱり未来予知は反則じゃないかなぁ……。逃亡の意思すら先回りで封じられるのはダメだって……。というかそんな使い方出来ない筈でしょ……。未来ちゃん全力過ぎるでしょ……。


「当たり前じゃないですか! 今更何を言ってるんです! 私は影裡さんを変えてみせると言ったはずです! 影裡さんに自信が無いのなら私と同じ場所に立ってもらいます! 私の全てを叩き込みます! 無理矢理にでも私の隣に立ってもらいます! 私はその為に全力を尽くします!!!」


 ……はい。




----------------------




 ……ぐすん。


「ふふ♪ 今日もたっぷり詰め込まれたようね♪」


 いじめっ子どもめぇ……。


「愛ゆえよ♪」


 キスイちゃんさ。なんで私がボロボロだと喜んじゃうの?


「たっぷり傷口があった方がしっかり擦り込めるじゃない」


 あくまだぁ……。


「失敬ね。私は影裡の事が好きで好きで堪らないだけよ。だから愛を囁き続けるの。少しでも影裡の奥底に届くように流し込み続けるの。影裡の全ては私で染めてあげる」


 もういっぱいいっぱいだよぉ……未来ちゃんだって似たような事してくるんだからさぁ……。


「あら。あれが愛のムチである事はまだ忘れていないのね」


 そりゃあね。着実に成長してるのはわかるもん。未来ちゃんは厳しいけど、絶対に私を攻撃するような事はないし。どれだけ私の為に心血を注いでくれているのかはわかるの。


「ふふ♪ 良い兆候ね♪ 未来さんもやるわね♪」


 だからって嫌にならないわけじゃない。私はそもそも努力そのものが嫌いなんだから。


「ふふ♪ 困っているのね♪」


 問題を解かなきゃ愛を囁いてくれない未来ちゃんに寂しさを感じそうになるのに、未来ちゃんはいつだって先回りで適量を与えてくるの。私を完全にコントロールしているの。焦らしに焦らして限界を見極めながら少しずつ飴を与えてくるの。なんだか心がおかしくなりそうだよ。頭が発狂しそう。


 けど未来ちゃんは絶対にそんな事許してくれないの。私がそうなる前に手を加えてくるの。何度も心が折れそうだって思いそうになったのに、それすら許してはくれないの。


 この感覚はなんて説明したらいいんだろう。いつも暴走の一歩も二歩も前で抑え込まれ続けるみたいな。私の中でエンジンがかかりっぱなしなの。それを止める事は私の意思では許されないの。私の意思では制御出来ないの。それが酷くもどかしいの。かといってそれでストレスを溜める事すら許されないの。


 ……未来ちゃんが怖い。そう思う心が無い筈ないのに、何故かどんどん好きになっていくの。自分の意思で自分を制御出来ない事が怖い筈なのに心地よさすら感じているの。


「未来さんは凄腕の調教師だったわけね」


 私はこんな感覚なんて味わいたくなかった。もっとぬるま湯に浸かっていたかった。


「自分で焚き付けたんでしょうが。今回ばかりは同情の余地もないわね」


 甘やかし担当のキスイちゃんまでそんな事言うの?


「リーリャさん泣いてたわよ。影裡にあんな事を言わせてしまったって」


 ……ごめん。


「私に謝ったって意味がないでしょ」


 ……ちょっと調子に乗っていました。未来ちゃんに全力で寄りかかろうとしただけなの。けど失敗しちゃった。


「未来さんを泣かせた事と皆に聞こえていた事は失敗だったわね」


 ……未来ちゃん泣いてるかな。……今でも。


「いいえ。燃え上がっているわ。影裡が着実に成長しているんだもの。嬉しいに決まっているじゃない」


 そっか……ならまあいっか……。


「頑張る気になったかしら♪」


 ……それはまあ。ぼちぼち。


「ふふ♪ 十分よ♪」


 キスイちゃんが口付けてくれた。



 ああ。キスイちゃんとのキスは落ち着くなぁ……。


「なによ。もっとドキドキしなさいよ」


 それは無茶じゃないかな。


「少し安売りしすぎたわね」


 だからってダメだよ。制限なんかしたら。私は未来ちゃんのものかもしれないけど、キスイちゃんは私のものなんだから。私を甘やかさないといけないの。


「なによそれ。普通に腹立つわね。なんで未来さんが一番上なのよ」


 もう逆らえそうにないからさ。


「諦めるのが早すぎるわ。私達は影裡のハーレムよ。未来さんはその一員に過ぎないの。トップに立つべきは影裡よ」


 キスイちゃんも大概無茶な要求してくるよね。


「なに心折れかけてんのよ。未来さんのフォローは完璧だったんでしょ?」


 そういう意味では別にフォローとかされてないと思うよ。未来ちゃんの目的は私の完全な支配だし。


「違うわ。成長よ。あくまで未来さんは影裡にハーレムを維持する体力を付けさせるつもりよ。やってる事はあくまで土台の鍛え直しよ。未来さんはいずれ影裡に自分の全てを預けるつもりでいるのよ。影裡に求めているのはその強さよ。支配はその目的の為の手段でしかないわ」


 それはどうかな。未来ちゃんにとってハーレムの維持なんてどうでもいいのかもしれないよ。一番大切なのは私が未来ちゃん自身を受け止められるようになる事だと思うな。


「……そうね。そうかもしれないわね」


 何か考え込んでる?


「いえ。私も負けてはいられないわ」


 ふふ♪ くすぐったいよ♪


「もう慣れたなんて言わせない。何時であろうと私の存在に胸を躍らせていなさい」


 あら。キスイちゃんのことまでけしかけちゃった?


「大好きよ、影裡。愛しているわ。こっちを見て。私だけを見ていなさい。いつもいつでもいつまでも。私の事だけを考え続けなさい」


 いいの? そんな事言い出すと喧嘩になるよ?


「構わないわ。私も遠慮しないって言ったでしょ」


 ふふ♪ ありがとう、キスイちゃん♪


 私もキスイちゃんだぁ~い好き♪


「未来さんとどっちが上かしら?」


 え~とね~♪ ……さくちゃん♪


「ほぉ~。いい度胸してるわねぇ♪」


 きゃはっ♪

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