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02-06.ながら運転禁止

「今度こそ付いてきてはダメですからね。良い子で待っているんですよ?」


「うん!」


 あら良い返事。私達は二泊する予定だからね。今回ばかりはフェアリスちゃんに付いてこられると困るのだ。悪いけど大人しくお留守番していてもらおう。



「それでは改めて出発です」


「「「「「「「お~」」」」」」」


 今回は皆小さな声だ。少し先には補給部隊が歩いている。私達は村までフェアリスちゃんを送り届けてから補給部隊の後を追うことにした。


 移動式ステルス浮遊結界に乗り込んで、音も立てず、姿も見せず、足跡すら残さずに追跡を開始する。


 よかった。フェアリスちゃんは付いてきていない。素直に従ってくれたようだ。これで一つ心配事が無くなった。



「隊長さんが調査員さんの様子を不審がっています」


 今朝までやつれて死にそうな顔をしていた調査員さんがやる気満々で同行しているんだもんね。不審にも思うよね。



「あれだけ言い聞かせたのに困ったものね」


 まあ仕方ない部分もあるよね。どうやら演技が特別に上手いタイプってわけでもないみたいだし。この先大丈夫だろうか。王様に疑われたり、隊長さんから告げ口されたりなんてしないだろうか。



「一先ず心配は要りません。彼は明後日も補給部隊に同行しています」


 未来予知で常に安否を確認出来るのは便利だね。もし姿が見えなくなったら事前に匿ってしまえばいいんだし。



「ならばワタクシ達はワタクシ達の為すべきことを」


「だね♪ うちらもやることいっぱいだし♪」


「頑張るわ!」


 茉白ちゃんは特にだよね。治療にどれだけかかるかわからないし。サポート担当兼もしもの時の切り札である心愛ちゃんも忙しくなること間違いなしだ。



「影裡様に何かあれば許さない」


「留守は任せて♪ リーリャちゃん♪」


 リーリャちゃんは単独行動だ。私の護衛担当はさくちゃんが引き継いだ。我ながらいいゴミ、もとい、ご身分だ。何の仕事もしないくせに負担だけ増やすなんて。私もフェアリスちゃんと一緒に留守番しているべきだったのかもしれない。



「影裡さん!! ネガティブ禁止です!」


 あ、はい。……いやん♪ そんな見ないで♪



「……大丈夫そうね。影裡も少し自信がついてきたかしら?」


「それでも辛い時はすぐに言いなさい。ワタクシが抱き締めて差し上げますわ」


「うちもうちも♪」


「私も~♪」


「影裡殿にも役目はある。気にする必要はない」


「カゲリちゃんはカゲリちゃんってだけで至高なんだよ♪」


「灯里良い事言った。影裡様は至高。それがこの世の真理」


 なんて清々しいヨイショっぷり。皆優しいなぁ~。



『影裡さん!』


 あら、未来ちゃん。どうしておこなの?


『影裡さん影裡さん!!』


 はいはい。


『大好きです! 忘れちゃ駄目です!』


 ああ、えっと。もしかしてお世辞じゃないってこと?


『その通りです!!』


 未来ちゃんって私と話す時だけ知能指数下がってない?


『夢中なんです! 恋とはバカになるものなんですよ!』


 未来ちゃんって恋愛漫画が好きなの?


『何故それを!?』


 だいぶ偏ってるからさ。未来ちゃんの恋愛観。


『一度だけです! 昔ちょっと読んだだけです! 毎週楽しみになんてしてません!』


 まさかの週刊誌。しかも現在進行系。え? ジャ◯プ? 今そんな漫画あったっけ? それも昔から続くやつ? マ◯ジンの方か? いずれにせよ少年誌では?


『違いますからぁ!』


 まあこれ以上はやめておこう。大切な作戦行動中にリーダーをからかって皆の足を引っ張るのは言語道断だし。



「からかってたんですかぁ!?」


「突然なによ。さてはあなた、影裡と内緒話してたわね? ズルいわよ。どうせなら皆に共有なさい」


 おまいう過ぎる……。キスイちゃんこそ隙あらば内緒話したがるくせに。



「どういう事ですか綺透さん!?」


「何の話よ。今スキルを持っているあなたにしか影裡の声は聞こえないのよ。ちゃんとわかるように話しなさい」


「抜け駆けしていたとタレコミがありましたよ!」


 ちょっと。そんな言い方したら私が告げ口したみたいじゃん。単なるツッコミだから。聞き流してよ。



「それこそ何の話かしら? 身に覚えがないわね。だいたい未来さんが言えた事かしら? 今私達の眼の前で堂々と抜け駆けしていたじゃない」


「くっ!」


 流石キスイちゃん。冷静な返しだ。



「ほら。騒ぐんじゃありませんの。気付かれますわよ」


「心配要らないよ♪ 私の結界は完璧だもん♪ 皆の声どころかカゲリちゃんの思念だって通さないよ♪」


「そういう事は早く言いなさいな。問題が無いならスキルを返しましょう。私も影裡と話したいわ」


「ダメですよ!? もしもの時すぐに動けないじゃないですかぁ!」


「何バカ言ってるのよ。未来さんが未来予知で観測し続ければもしもなんて起こりようがないじゃない」


「そんな事してたら私だけ話せないじゃないですかぁ!?」


「普段から未来予知ガンガン使って会議してるくせに何言ってるのよ。マルチタスクはお手の物でしょ」


「影裡さんの言葉は全神経を集中して聞くものなんです! ながら影裡さんはダメなんです!!」


 なにさ、ながら影裡って。私車なの? 未来ちゃんに乗りこなされちゃってたの?


「少し落ち着きなさい。未来さんらしくないわよ。こんな時に燥ぎすぎよ」


「そーですねー!」


 皆仲良くね~。

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