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異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
01.少女たちの夏休み

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01-38.反省会

「反省会です!」


 リーダーちゃんの明るい声が響き渡る。リーダーちゃんはこんな時でも気遣いを忘れない。沈みかけた皆を元気づけてくれている。



 既に補給部隊は仕事を終えて引き上げた。念の為私達も遺跡から距離をおいている。村人が見に来る可能性も無くはないし。それに今は少しだけ離れたい気分だったから。



「彼らは明後日また訪れます! 次に打つべき手を考えましょう! 今日あった出来事を冷静に受け止めて改めて考えましょう! より良い未来の為に計画を立てましょう!」


 より良い未来か……。私達はいったいどんな未来を目指すべきなのだろう。というか私達悩みすぎじゃなかろうか。


 チート能力付きの異世界だよ? どうせならもっと楽しみたくない? 無双してハーレム作って美味しいもの食べて。そんな異世界に幾度も憧れたものだ。


 こっちに来てからもうだいぶ経ったけど、私達は未だに町にすら入れていないのだ。こんな異世界ってある? あんまりじゃない? 私達がいったい何をしたって言うんだろう。


 ここらでテコ入れの一つくらいあってもいいのに。神様が今も見ているならヒントでもくれないかな。そんな風に一歩も二歩も引いて見ているから、この世界の皆だって神様を蔑ろにしているんじゃないかな。



 あれ? けどアルテミシア様はこの世界の神じゃないみたいに言ってなかったっけ? もしかしてこの世界に元々いた神様はもういないの? それでアルテミシア様が代わりを務めてるってこと? この森もアルテミシア様が用意したの?



「少なくとももう一柱、いえ。四柱の神がいる筈よ」


 そうなの? って、あれ? 漏れてた? スキルいつの間に返却されてたの?



「もったいないわ。あなたの思考に気付けないなんて」


「そうです! もっと話を聞かせてください! 影裡さんの意見はいつだって私達の助けになっているんですから!」


 うわっ。近い近い。ちゅーしちゃうぞ?



「どうぞ!」


 じゃ遠慮なく。



「後になさい。それより話を戻すわよ」


 キスイちゃんが私の手を引いてリーダーちゃんから遠ざけた。



「後でですからね! 絶対ですよ!」


 わーい♪ モテモテだぁ~♪



「カゲリちゃん!!」


 あ、やべ。鬼嫁が見てた。



「嫁!?」


 あかん。言質取られた。



「不合格。影裡様の正妻はボクが選ぶ。幼馴染は負けヒロイン。正妻は似合わない」


「なんですって!?」


 ダメだよ、リーリャちゃん。そういう意見は火種になるからね。それに再会系幼馴染は勝ち確パターンだって多いんだから。ハーレム系作品ならむしろ幼馴染は比較的安定した戦績を残している筈だよ。手頃だからね。最初のターゲットになりやすいんだ。そのまま正妻枠も狙えるんだよ。



「それはハーレムを肯定したパターンよね。おおらかな性格によって皆の支柱のようになり得る場合よね。灯里さんはそういうタイプじゃないわ。むしろ反対してハブられる方じゃないかしら?」


「やっぱり負けヒロイン」


「また言ったぁ!!」


 ほら。火種になった。



「今のは影裡さんの言葉が切っ掛けでは?」


「にゃは♪ うちらも混ぜて♪」


「皆仲良くね~♪」


「……」


「アリシア殿? 大丈夫か?」


「……ええ。少し気が抜けただけですわ」


「ふむ。それは何より」


 ふふ♪ 皆明るくなってきたね♪ 計画通り♪



「嘘ですね」

「嘘ね」

「嘘だ!」

「嘘だった」

「嘘だね♪」

「嘘ね~♪」

「嘘ですわね」

「嘘だな」


 ダダ漏れだった!



「ふふ♪ ありがとうございます♪ 影裡さん♪」


 こちらこそっ!



「話を戻しましょう。綺透さん。四柱の神について教えて頂けますか?」


「ええ。先ずはおさらいよ。この世界の神には蛇、犬、蝙蝠の従者が居たって話は聞いたわね。これは村の伝承であり、私達も遺跡でその記録を見つけたわ。そして実際に蛇の特徴を有した上位存在とも遭遇したわね」


 そっか。神様の従者は三人、或いは三柱。キスイちゃんはこの従者さん達の事も神様だと考えたんだね。それで最後の一柱は三柱の主である神様か。その神様はアルテミシア様と別の神様なんだね。



「そういう事よ、影裡さん。おかげで説明の手間が省けたわ」


 あ、ごめん。



「いえ、本当にいいのよ。別に気分を害したとかってわけじゃないの。重要なのはここからですもの」


 なるほど。キスイちゃんは神様の正体に気付いたんだね。



「ええ、そうよ。その通り。順を追って説明しましょう」


 わくわく♪



「蛇、犬、蝙蝠の特徴に当てはまる存在。これはギリシャ神話に登場するエリーニュス達ね。或いはエウメニデスとも呼ばれていたかしら」


 ふむふむ。



「ただ神話では、それら三つの特徴を併せ持った老女達として描かれているわ」


 なるほど。神話とも少し違うのか。けど符号的には正しいっぽいよね。



「ええ。本来彼女達は冥府エレボスに住まう女神達なのだけど、女神ヘカテーの眷属でもあるの」


 それが四柱目、いや、五柱目の神様だね。



「おそらくね。アルテミシアはアルテミスの事だと思うわ。こちらもギリシャ神話に登場する神様で、女神ヘカテーの従姉妹にあたるの」


 なるほど。それは間違いなさそうだね。



「アルテミスとヘカテーは同一視される場合もありませんでしたか?」


「未来さんも詳しいのね。そうね。どちらも月の女神だものね。セレーネーと合わせて三位一体の女神として結びつけられてもいるのよね」


 けどそれよりは、アルテミシア様が女神ヘカテーを助けに来たって考えるべきかもね。でないとここの神じゃないって話が嘘になっちゃうし。



「そうね。少なくとも女神ヘカテーがこの世界で活動していた痕跡は残されているんですもの」


 ヘカテーさんはどうなっちゃったのかな?



「さあ。どうかしら。力尽きて消えてしまったのか。まだ生きて世界を守り続けているのか」


「健在である可能性は高いのでは? あの蛇さんを派遣したのはアルテミシア様ではなく、ヘカテー様なのではありませんか?」


「断言は出来ないわ。後からやってきて従属神達ごと世界を引き取ったのかもしれない」


 どちらにしたって姿を現すつもりはなさそうだ。



「そうね。神の正体を暴いた所で現状の改善に繋がるわけでもないわ。けれど一つ一つ謎を解き明かしていく事には意味がある。何事も積み重ねよ。わかる事から突き崩していきましょう。きっといつかは欲しい答えも見つかるわ」


 そうだね。出来る事からコツコツと。だね。

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