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異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
03.森林村発展編

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03-29.反対意見


 水路作りは想定以上に難航した。



 私たちは先ず、町のど真ん中に泉を作ることにした。


 ここには広場があり、町の人たちにとっては集会場の役割を果たしていた。


 その中心に泉を作るという話には、町人たちからの反対意見が出てしまったのだ。



 確かに集会場は必要だよね。当然私たちもそれはわかっていた。だから代わりの集会場も用意した。


 それは礼拝堂の増築予定地だ。礼拝堂は元々何度も建て直して大きくしていく予定だった。だから当然、今はまだ小さい礼拝堂の周囲には、手つかずの土地が残されている。


 しかしこの提案にも反対意見が続出した。その理由がまたしょうもないものだった。


 曰く、礼拝堂の前面を集会場にしてしまうと、教主の影響力が強くなりすぎると言うのだ。



 正直何を言っているのかよくわからない。この人たちは早くも反骨精神や権力欲に取り憑かれているのだろうか。反乱組織なんて引き入れちゃいけなかったのかもしれない。


 教主は彼らのリーダーだ。リーダーが力を持つなんて当然のことだ。


 そもそも村の発展については、彼らに全てを委ねたわけじゃない。あくまで作業を任せただけだ。開発計画は私たちが神託として下すのだ。彼らに拒否権など最初からありはしない。意見をしようにも、まだ私たちと彼らの間にそのような信頼関係は築かれていないのだから。


 最近は少々甘やかしすぎていたのかもしれない。私たちは彼らに歩み寄ることを決めた。ただの神ではなく、良き隣人としてあろうと努力を続けてきた。


 彼らもそれを理解してくれたのだと思っていた。争いも減り、皆が力を合わせて開発に従事してくれているのだと思っていた。



 それがどうしたことか。彼らは私たちの指示を当然のように跳ね除けられると信じているのだ。その権利が自分たちにあるのだと勘違いしている。


 教主の力を抑制したいという考えは、即ち私たちの口出しを疎んじているという事の何よりの証だ。私たちも最初は、また以前の村同士の諍いが原因なのかと思っていたが、どうやら話はそう単純なものでもないようなのだ。



 さて困った。どうしようか。


 力尽くで泉を作ってしまう事はできる。結界で無理矢理どかして、リーリャのスキルでさくっと穴を掘ってしまえばいい。水もそのまま流し込める。彼らの反対意見なんて無視して簡単に工事は進められる。今の私たちにはそれだけの力があるのだ。彼らは侮っているのかもしれないけれど。


 試しにそうしてみるべきだろうか。それで自分たちの愚かしさに気付くだろうか。



 いいや。きっとそれは根本的解決には至るまい。


 誰かが入れ知恵しているのだ。その誰かを止めない限り、反感を増幅する結果にしか繋がらないだろう。



 一度話し合うべきだろうか。


 しかし話し合いそのものが、彼らに足元を見られる理由になりかねない。ごね得なんて覚えられたら堪らない。私たちには子供の我儘に付き合っている時間はないのだ。


 そんなことをしていればお婆ちゃんになってしまう。私は大丈夫でも、皆は元の世界に帰ることが出来なくなってしまうだろう。


 それでは困るのだ。



「影裡を晒してしまったのは早まったかしら」


 私のシルエットと、私を象った石像は、既に町の誰もがその目にしている筈だ。


 それでも、遠目に見せたり、ひらひらの神様っぽい布を纏ってみたり、高所から見下ろして超常感を演出して、常に神秘性が損なわれないよう、努力を続けてきた。


 それでもやっぱり、私のような小柄な体格では、何の脅威にもなり得ない子供としか思われていないのかもしれない。


 アリシアの影を使った「案内人」たちだって、最近では大して畏れられている感じがしない。


 裏にいるのが私のような小娘だとバレたせいだろうか。


 だとしても侮るのが早すぎる。王都からここまで来る時の移動方法を忘れてしまったのだろうか。私たちならすぐに彼らを森の外に追い出せると気付いていないのだろうか。


 いいや。私たちがそうしないと知っているんだ。彼らは。


 だからこそ、調子に乗っているのだろう。私たちには人を集める目的があるのだと気付いているのだ。神が自分たちを頼っているのだと冗長しているのだろう。



「一度森の外に放り出してみましょうか。本気で謝ったら戻してあげるってことで」


「意味がありませんよ。この森であれば一人でだって生きていけるのです。彼らにしても、いつこの町を離れてやってもいいのだぞと、言えてしまえる状況なのです」


 なるほどね。そういうのも冗長する原因なんだね。


「そうとも限らないわよ。森に入ったものは自然と入口に戻されるわ。それってつまり、王都の補給部隊には簡単に見つかってしまうってことよね。彼らに捕まった者がどうなるかは想像出来るでしょう? 王都に連行されて尋問よ。間違いなくただでは済まないわ」


 そうだね。けどそれを彼らに理解させるのは難しいかもしれないね。


「そうね。先ず森の特性を信じないでしょうからね。それに自分たちも上手く隠れて、新しい村を作れるって信じているんでしょうね」


 この森にはいっぱい資源があるもんね。開発の経験も積んだわけだし、早くも私たちの手助けは必要ない段階に来ちゃってるっていうのも事実なんだよね。


「少々サービスしすぎましたね」


「先に信頼関係を築いてから施しを与えるべきだったわね」


 飴ばかり与えすぎてしまったんだね。



「今後は言葉遣いに気を付けましょう。必ず命令とわかるように指示を出していきましょう。指示に従わない場合は冷遇措置を。指示に従うものには優遇措置を。信賞必罰を明文化していきましょう」


 大丈夫? それはそれで前の状態に戻らない? ご褒美がないと動かないだなんて健全とは言えないと思うんだけど。私たちは雇い主ってわけでもないんだしさ。


「仕方ないわよ。調子に乗った輩にはビジネスライクに接するしかないわ。それ以外の心籠もった祈りを捧げる者たちには、これまで以上に優しく接してあげましょう」


「ですね。その方針で細かく詰めてみましょう」


 難易度高そう。それにやっぱり反乱を招くだけかも。自分たちが原因であっても、不公平だって騒ぐ人たちがいるのも、何処にでもある話なんだろうし。


「こういうのだって積み重ねよ。何か一手で大きく変わるものではないわ」


 とにかくやるしかないんだね。


「最悪の場合、村を二つに分断しましょう」


 分断って、もう一つはどこに村作るの?


「ダンジョンの中です♪」


 あぁ……。というかそれって牢獄送り……。


「そうね。隔離施設として使うのはありよね。お誂え向きの看守もいるし、ダンジョンの中にも労働はあるわけだし」


 ひでぇ……。でも仕方ないのかぁ……。


 せめて忠告だけはしてあげようね。刑期も定めてさ。


「まるで地獄そのものですね。暗闇と子鬼の看守。そして過酷な労働」


「区画を整理しておきましょう。私たちの通り道とは別に、牢獄エリアを確保しておきましょう」


 程々に。圧政を敷き始めたらお隣の王様と同じになっちゃうからね。


「そのためにも細かい条件の設定が必要よ。話を続けましょう」

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