03-20.悪魔の契約
キスイ♪
「綺透さん♪」
「……っ」
あ、逃げた。
「逃がしません♪」
あ、捕まった。
「なによ!! 二人していったいどういうつもりなの!?」
仲直りしたくて。
「話を聞いてください♪」
「嫌よ!! 放しなさい!!」
「放しません!! 話します!!」
「放せっつってんのよ!!」
「話します!!」
ああ……もう……。
……キスイ!! 未来!!!
「「っ!?」」
私は!!!!
「「ストップ!! ストップ!!!!」」
二人に押し倒された。残念。二人を私の好意で染めてしまおうと思ったのに。
「何考えてんのよぉ!?」
「それは嫌だって言ってたじゃないですかぁ!?」
二人が喧嘩するよりはマシだよ。
「だからってあんたねぇ!!」
「手段は選んでください!!」
はいはい。嫌なら仲直りだよ。言っておくけど私が本気なら二人に防ぐ手段は無いんだよ。精々私の意にそぐわないことはしないようにね。私怒ると何するかわからないよ。
「厨二病みたいなこといってんじゃないわよ!」
「ふざけないでください!!」
冗談だと思ってるの? なら。
「「やめなさい!!」」
もう。我儘だなぁ。
「まったく! なんなのよ本当に!!」
「こんなやり方はあんまりです!!」
未来はどっちの味方なのさ。
「それはこっちのセリフです!!」
「ちょっと。なんで未来さんを呼び捨てにしてんのよ」
キスイこそ、なんでさん付けにしてるの? 呼び捨てにしてたじゃん。
「うるっさいわね。質問に質問で返すのはやめなさい」
「そうですよ! 綺透さん! 未来って呼んでください!」
「うっさい!」
ふふ♪ 照れちゃって♪
「この!! バカ影裡!!!」
あ! また!
「逃がしませんってば! 観念してください! 綺透!!」
「ちょっと! どさくさに何呼び捨ててんのよ!」
「いいんです! 私も綺透の親友になるんです!!」
「はぁ!? ふっざ! なっ!? 何処触ってんのよ!? ちょっと! 放せって! この! 何が親友よ!! やっぱりそっちが目的なんじゃない!!」
「どっちも兼ねるんです! 親友で恋人なんです!!」
「勝手なことばっかり!! 未来なんて嫌いよ!!」
「私は大っっっっっっっ好きです!!!」
「うるさい!!」
もう。やっぱりやるしか。
「「やめなさい!!!」」
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「くっ……」
どったんキスイ。
「どうしたんですか? 綺透?」
「……はぁ」
お疲れだね。
「私が癒やしてあげますね♪」
「……もう好きになさい」
遂に観念したんだね。
「やりましたね♪」
「……はぁ」
ダメだよ、キスイ。折角幸せな時間なんだから。
「そうです。溜息付いたら逃げちゃいますよ?」
「逃げたいのよ。私は」
好きにしろって言ったじゃん。
「綺透♪ こちらを向いてください♪」
あ、ズルい。私も混ぜて♪
「もちろんです♪」
ちゅっちゅっちゅ♪ ぎゅっぎゅっぎゅ♪
「……うっざ」
やさぐれちゃった。
「けれど避けるつもりはないようですね♪」
「……は、んぐ」
ぶっちゅ~~~~♪
「うがぁ~~~~~~!!!!」
きゃっ♪
「きゃっ♪」
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「……気は済んだかしら」
「まだまだですよ♪ う~~♪」
ダメ。未来。キスイは私の。もうおしまい。
「影裡もです♪ ちゅ~~~♪」
もう未来はいいってば。キスイとしたいの。
「酷いです!?」
未来はがっつきすぎなんだよ。おこちゃまは向こう行っててよ。
「なんですかそれぇ!?」
「もう。喧嘩しないでよ」
「だって影裡がぁ!」
「お終いよ。どっちもお終い。話するんでしょ」
しゃあないなぁ。
「え~」
「未来」
「ぶ~……しかたありませんね……」
よしよし♪ 良い子良い子♪
「でっへ~♪」
「どこが良い子なのよ」
キスイも良い子良い子♪ ナデナデ♪
「たく……」
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「それで?」
反省しました。未来以外には撤回して頂きました。
「そう……まあいいわ」
あ、あとリーリャとさくちゃんは。
「わかってるわよ。そんなことよりよ」
はい。
「あんたの話をしなきゃでしょ」
神様になるかもって話?
「未来。未来を視なさい」
「はい♪ 綺透♪」
デレデレしちゃってまぁ。
「影裡。余計なことを考えないで頂戴。未来が集中出来なくなるわ」
さーいえっさー。
「……」
どない?
「影裡」
ごめんて。
「……なんとも言い難いですね」
「どういう意味よ?」
「たしかに影裡の変化は今後も続いていきます。しかし観測可能な範囲ではあくまで人間の範疇です。到底神などと呼べる程のものではないかと」
「そう。まあそうよね。そう簡単な話ではないわよね」
「観測は続けましょう。多少の進展は望ましいものかと。影裡の身体能力は間違いなく向上しますから」
「手遅れにならないかしら」
「だとしても問題はありません。方法があるなら同じ事をすればいいだけです」
「何よ。未来は神になりたいの?」
「ええ♪ 影裡と綺透が永遠を共にしてくれるのです♪ 迷う必要はありません♪」
未来はそっち派だったかぁ……。
「冗談じゃないわ。私まで巻き込まないで頂戴」
「逃がしませんよ♪」
逃さないぜ♪
「私は悪魔と契約してしまったのかしら……」
神だって言ってるじゃん。
「失敬ですね♪」
「地獄の底まで連れてこうってんでしょ。悪魔の方が相応しいじゃない」
魂貰っちゃおっか♪
「何言ってるんですか♪ 今更貰うまでもなく私たちのものですよ♪」
ちがいない♪
「……はぁ」




