03-19.浮気者
「最近、綺透さんと二人でコソコソ何をやってらっしゃるのですか?」
ふっふっふ♪ それは親友同士の秘密ってやつさ♪
「なんですかそれ。お二人は親友になったんですか?」
うん♪ キスイがどうしてもって言うからね♪
「羨ましいです」
親友以外なら何にでもなってあげるよ♪
「何にでもですか。悩みますね」
早い者勝ちだぜ♪
「なら……」
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「ちょっと!」
どしたん? 何怒ってるの?
「怒るに決まってるじゃない!! 何よ! 相棒って! この浮気者!! 信じらんない!!!」
えぇ……。
「私だけだって言ったじゃない! 親友と相棒がどう違うってのよ!!」
そっかぁ……ダメだったかぁ……。
「当たり前でしょ!? 何考えてんのよ!?」
いや、だって。
「だってじゃないわよ!!」
でもだよ。
「影裡!!」
話を聞いてよ。私にはハーレム王って立場があってね?
「だからなによ!! 公平性が大事だとでもいうの!?」
その通りだよ。キスイは親友。未来ちゃんは相棒。アリシアはパートナー。凜火は主従。心愛ちゃんはマブダチ。さくちゃんは幼馴染。リーリャは影。残りの三人は未定だけど、そうやって分けることで。
「分かれてないじゃない!!! 親友とマブダチの違いって何よ!?」
……なんだろうね。
「!!!」
あ、ちょっ……行っちゃった……。
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「何をどう考えても影裡さんが悪いですね」
「「「「「「「「異議無し」」」」」」」」
ですよね……。
「かと言って我々も撤回するつもりはありません」
「「「「異議無し」」」」
ちょっと減ったね。
「だって私のは幼馴染だし。撤回も何も無いし」
そうだね。さくちゃんは貰い事故だね。完全に。
「ましろんは最初からわかってたんだね。こうなんの」
「そうねぇ……」
流石大天使茉白ちゃん。だから一人だけ希望しなかったんだね。心愛ちゃんも茉白ちゃんを見て思い直したようだ。
「主従は問題あるまい。むしろ影と被るのではないか?」
「その議論は後にする。ボクは空気が読める」
ありがとう。リーリャ。
「つまり争うべきは親友の綺透さん、相棒の私、パートナーのアリシアさんですね」
「実質全部意味同じじゃん。かげりんのうわきものー」
反省してます。
「本当ですか?」
だからこうして皆に相談してるんじゃない。
「泣きついてきただけでは?」
手厳しい……。
「ご自分で言い出したのですから責任を取ってください」
そうだね。元はと言えば未来ちゃんが羨ましいとか言ったからだなんて言わないよ。
「思ってるじゃないですか。やっぱり反省してないじゃないですか」
それはそれ、これはこれってことで。
「心の底から反省してください」
善処します。……未来ちゃんが言うのは違うんじゃないかなぁ。
「元はと言えば自慢してきた影裡さんが悪いんです」
それはそう。
「さて。どのようにして綺透さんと折り合いをつけるべきでしょうか」
未来ちゃんが譲ってくれたりとか……。
「しません」
……きっぱりだね。いいの? 未来ちゃんの大好きなキスイが泣いてるんだよ?
「それはそれ。これはこれです」
ぐぬぬ。手強い。
「なんだか馬鹿らしくなってきましたわ。ワタクシも降りますわ」
「それは困ります!!」
おいこら。
「アリシアさんと三竦みの関係だからこそ我儘を言えるのです! 降りてしまったら正当性が無くなるんです!」
ならいいじゃん。ありがとう、アリシア。お陰で話は終わったね。解決したってキスイに伝えてくるよ。
「待ってください!」
往生際が悪いよ。未来ちゃん。
「私は諦めきれません!!」
本当に? 相棒でいいの?
「……どういう意味ですか?」
深い意味は無いけどさ。なんか親友に比べると弱いよね。
「意地悪です! どうしてそういう事言うんですかぁ!?」
何か他の関係性を模索してみない? キスイと被らないやつをさ。さくちゃんの幼馴染とか、リーリャの影とかにまでは、キスイも文句は言わないだろうからさ。
「他に何があるって言うんですかぁ!?」
う~ん……なんだろうね。そういうのって未来ちゃんの方が思いつくんじゃないの?
「思いつかないから被っちゃったんじゃないですか!!」
なら無理して考えなくても。
「意地悪です!!」
困ったなぁ。二人はどう? フェアリスちゃんとティエラは何か思いつく?
「「とくには」」
あらら。この殺伐とした世界ではそういう関係性も生まれづらいのかしら。
「神と巫女。私たちだけの関係性♪」
「ね~♪」
なるほど。それで満足してくれたのね。
「私も欲しいです! 影裡さんだけとの関係性!!」
皆で考えてみようか。
「「「「「「「「ごゆっくり~」」」」」」」」
「そんなぁ!?」
私と未来ちゃんを残して、皆去って行った。




