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異世界合宿サバイバル ー チートお嬢様たちに溺愛された日陰少女のハーレム異世界復興譚 ー  作者: こみやし
03.森林村発展編

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03-04.成功と不安




 皆大丈夫? そんな寝不足の状態で上手くいくの?


「問題はありません。未来に影響は出ていません。それから影裡さんはもう黙っていてください」


 ひどい……。


「これ以上足を引っ張るなら許さないわよ」


 えぇ……。


「ちょっとだけ静かにしてようね。カゲリちゃん」


 しゃあない……。リーリャ。お願い。


「承知」


 いつも通りスキルを回収してもらった。これで私の思考は漏れ出さない。皆が覗き込む分にはしらんけど。皆も念話、というか読心術を扱えるし。伝えるだけでなく、読み取るのとか、逆に読心を防ぐのまで含めた総合的な技術を念話術と呼ぶらしい。便利だよね。流石神様が教えてくれた術だ。



「気が散ります! 思考を止めてください!」


 無茶言うな! 未来ちゃんが勝手に覗いてるんでしょ!?


「見逃すわけにはいかないんです!」


 知らないよぉ!? 私はスキルをリーリャに預けたんだから十分でしょ!?


「知らないってなんですか! 恋人のことを少しでも知りたいと思うのがおかしいんですか!?」


 心読むのは違うでしょ! あげく逆ギレするなんて! やっぱり寝不足でおかしくなってるんじゃないの!?


「全部影裡さんのせいですよ! 反省してください!」


「いいかげんになさい!!」


 !? アリシア!?



「ミク! カゲリに当たるのはおやめなさい!」


「すみません……」


「カゲリ。ミクの精神が不安定であることは明白ですわ。もう少し気を遣ってさしあげなさい。この子はあなたの恋人であり、今は大切な作戦の最中なのですから」


 ごめんなさい……。


「よろしい。始めますわよ」


「しゅっぱ~つ♪」


 さくちゃんの明るい声をキッカケに足元の浮遊結界が動き出した。予定通りの場所に集まった人々を回収し、ついでに調査員さんも回収しながら補給部隊の出発に合わせて開いた門をくぐり抜けた。


 森の前の村に辿り着くと、既に村人たちが出立の支度を済ませて集まっていた。未来ちゃんの未来視通りだ。フェアリスちゃんと凜火は本当に上手くやってくれたのだ。驚きだ。



「後は帰るだけです。もう一踏ん張りです。灯里さん♪」


「うん! 任せて!」


 さくちゃんは多層結界の形状を高速逃亡モードから森の移動に適したものへと組み替えた。彼らには森の上空を移動してもらうことになる。これで少しは楽な姿勢になるだろう。



 さくちゃんは前回同様、結界を器用に走らせて森の中を抜けていった。今回も追いつかれる様子はない。時間を開けた影響か、或いは元々その気が無いのか、待ち伏せなどもないようだ。そもそも気付いたら未来ちゃんが進路を変えるから心配は要らないか。



「……」


 未来ちゃんは集中しているようだ。後で話す時間があるといいのだけど。出来れば今日中に。忙しいから無理かな。村についてもそれで終わりってわけでもないし。他の村人たちと衝突しないようサポートしないといけないし。ティエラたちも頑張ってくれるだろうけど到底人手は足りないだろう。何せ今いる村人の軽く五倍以上の人数は連れてきてしまったのだ。パワーバランスの維持が難しい事は想像に難くない。



『影裡様』


 どったん、リーリャ。


『……なにかした?』


 何の話?


『九条 未来が……』


 なんか言ったの?


『……なんでもない』


 さいでっか。


『ごめんなさい』


 ううん。気になったことがあるならいつでも言って。


『……心当たりある?』


 ごめん。


『いい。ボクに任せて』


 ありがとう。私のリーリャ


『うん♪ ボクは影裡様の影♪』


 頼りにしてるぜ♪


『えへへ♪』




----------------------




 村に帰り着くとティエラとチーフ君率いる子供たちが出迎えてくれた。新しい仲間たちを彼らとフェアリスちゃんと案内人に託し、私たちは村の上空で様子を見守ることにした。



「皆さんお疲れ様でした。もう少しだけ頑張りましょう」


 おう!



「凜火さん。先に影裡さんを連れて帰っていてください」


「うむ」


 なんでよ!? まさかまだ怒ってるの!?


「いえ。そんなわけないでしょう。ティエラさんたちが出てきてしまったので家の守りを任せたいのです。影裡さんもやってくれますね?」


 ごめん。やるよ。見張ってる。誰か近づいてきたらすぐに凜火ちゃんに報告する。それでいい?


「結構です。綺透さんも同行してください。いざとなったら魔術で土壁を作って籠もっていてください」


「承知したわ」


「灯里さん。三人を」


「了解♪」


 結界の一部が開き、私たち三人を囲った結界が打ち出された。さくちゃんは遂にカタパルトまで習得したらしい。けどこれって着地は私たち任せだよね。途中で結界消えちゃったし。だから凜火が必要だったのか。守るだけなら未来ちゃんも言ったようにキスイ一人だけでも十分だもんね。けど未来ちゃんは真っ先に凜火に声を掛けていた。凜火は既に私とキスイを抱えて着地の姿勢に入っている。実は事前に練習済みなのかもしれない。



『帰ってきたわね。懐かしの我が家に』


 精々二日ぶりじゃん。


『家が一番落ち着くわ』


 それはわかる。


『さっさとやってしまいましょう』


 え? いきなり土壁張るの?


『違うわ。侵入者を追い出すのよ』


 え? 侵入者? だから念話で話してたの?


『そうよ。影裡は鈍いわね』


 キスイこそ鋭いね。まるでリーリャみたい。


『目がいいのよ。しってるでしょ』


 なるへそ。スキルか。


『流石に人数や現在地まではわからないけど』


『二人はここで待っていてくれ。先に状況を確認する』


『お願いね』


 凜火が家の中の様子を探り始めた。



『男が三人だ。裏から回り込んでくれ。窓から見える筈だ。魔術で拘束を』


『心得たわ』


 凜火の指定した場所に回り込み、タイミングを合わせてキスイが魔術を発動した。男たちは水の玉に包まれて藻掻き始めた。暫く隠れて三人が意識を失うのを待ち、安全が確保できたのを見計らって近づいた。



「普通に村人ね。コソコソしているから泥棒かと思ったわ」


 物色はしてたみたいだけどね。たぶん興味本位だよ。


「うむ。外に拘束してくる。罰として数日吊るしておこう」


 散々近づくなって言っておいたのにね。


「処遇は後で考えましょう。今は凜火さんの意見に賛成よ。ああ、けど。縄も貴重だから三人並べて木に結びつけるだけにしておきましょう。吊るす分が勿体ないわ」


「承知した」


 凜火が三人をひょいっと抱えあげて連れ出した。



 あの人たちにはどんな罰を与えるべきかな。


「魅了をかけるわ。人格を上書きましょう」


 そこまでするの?


「ここを見られてしまったもの。しかも彼らは計画的に侵入してきたのよ。ついさっきまで子供たちが見張っていた筈んなんですもの。最初から子供たちが離れたタイミングで少し調べるつもりだったのでしょうね。最悪村人全員グルよ。最低でもどっかの元村長くらいは関わっているでしょうね。だから彼らから聞き出す必要があるわ。あの三人はこちらのスパイにしてしまいましょう」


 なるほどね。仕方ないか。


「ええそう。これは仕方のない事よ。そして人が増えればいくらでも起こり得る事よ。あまり気に病まず、淡々と対処していきましょう」


 了解。

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