行き先とテンプレ?
クラス会議
「どうしようか?」
「まぁ、行くなら帝国か獣人国か森人国のどれか」
「その理由は?」
「天空島は行く手段が今のところない。地底都市は魔物のレベル的に無理、商業中心国家は国ではなく、商会の集まりみたいなもんだから、今の俺らに用はない」
「商会って重要じゃない?」
「それはそうだけど、今の俺たちは、各国にある支店で間に合う。いきなり本店行っても追い出されるぞ」
「そっか。なら、三国のうち何処に行く?」
「帝国行きたい人」
チラホラ手が上がる。
「獣人国」
男子多数、女子少数
「ケモ耳目当てだな?」
目を逸らしたな
「森人国」
手が上がらない。
「森人国ってつまるところ、エルフの国だぞ?」
男子の手が上がる。
理由は想像つくよな。女子が呆れてる。
「まぁ、1番近いの帝国だし、そこに帝国からの使者来てるし?決まってるようなもんだけどね」
会議終了。行先、帝国。
「皇帝からの手紙預かっております。こちらを」
「どうも」
召喚されてすぐの対応の結果なのか、ユウキが対応する。
「ユウキ、なんて書いてある?」
もう一つの理由があって、それは単純にこの世界の文字の読み書き。俺は既に覚えた。他のみんなはもう少しだそう。
「報酬の授与とこれから先の支援の話。それと、ユーテリア様の政略結婚についてだそうだ。あ、他にも召喚された方の嫁ぎ先の話なんかもだってさ」
おっと、一部の奴から殺気が
「使者の方、名前を伺っても?私は優騎といいます」
「これは失礼を。私の名前はベルトルト・マーキュリーと申します。マーキュリー商会の一応トップをしております」
「そんな方が何故?と思いましたがなるほど、お抱え商人ですか?」
「はっはっはっ。ユウキ様は察しがよろしいようで」
「皇帝の目的は何か知っていますか?」
「いえ何も」
「この手紙の内容は真実か?」
「私は商人です。その手紙が真実かは分かりません」
「何を聞かれても答えるなと言われたな?」
「さてどうでしょう?今はこうして受け答えしていますから」
無言の睨み合いが始まる。
「あーわかったわかった。とりあえず、この招待には応じる。但し、この手紙の話をそのまま受けるつもりは無い」
「畏まりました。そうお伝えしておきます」
一礼して、ベルトルトと名乗った商人は消えてしまった。
「オリジナル魔法か?それか魔導具による何か」
「兄さん、皆、待ってる」
「はいよ」
クラス会議
「手紙の内容な」
「受け入れる気はない」
「当然です!」
「そんなのダメに決まってるだろ!」
「お前らは付き合ってるからな」
「「そうです!」」
ユーテリア様と佐伯の息ピッタリ。
「安心しろ。他の奴も希望がない限り、渡さない。何があるか分からないからな」
「兄さん、この後、どうする?」
「帝国に行く前に、アレスター公国に寄る」
「「アレスター公国?」」
「勉強したよな?大国は帝国含む7国、それ以外の中小国家は多数。その中小国家の中でも最大国家がアレスター公国」
「「あー」」
「忘れてたんじゃなくて、思い出すの面倒なだけだったな?」
「「なんのこと?」」
この団結力よ。
「とりあえず、そこによって冒険者登録と傭兵団登録。帝国に向かいながら、各々の強化を図る」
「武具の調達はどうする?」
「武具は問題ないだろ?ガルガいるし」
「任せろ。全員分、最低限は揃ってる」
「食料なんかは?」
「蒼斗」
「全員分の収納バックはできてる。食料は、魔物の肉と飲水、最低限の調味料は揃ってる」
藤蒼斗魔導師の称号持ち。魔力を物質に変換し、魔力があれば使える便利道具を作り出す。
「貨幣は?」
「それに関してはユーテリア様」
「はい。そちらも問題ありません。王城から貰ってきました」
「総額は?」
「確か、白金紙幣10枚と白銀紙幣25枚、金紙幣34枚、銀紙幣16枚、ミル紙幣86枚ですね」
「誰か計算」
「日本円にして」
「いやいいから。日本円に換算しても意味ないから」
「その感じだと、全財産?」
「いえ、私の相続分ですが?」
「あ、ユーテリア様の個人のお金?」
「はい。あ、皆さんには白金紙幣20枚お渡ししますね」
「「ストーップ!」」
「はい?」
「換金する場所は?」
「公国に行けば」
「即金で換金できるの?」
「銀行ありますから」
問題なし。受け取ります。
「リーダー決めようか」
「え?ユウキじゃないの?」
「は?このまま続けろと?」
「おう」
「兄さんでいい」
「決まりだな」
はい、やりますとも。妹に言われちゃ仕方ない。
はいそこ、シスコンとか言わない。
「俺がリーダーなのは承諾する。他に、サポートする人が欲しい」
結果
交渉担当ユーテリア様
会計担当美和瑞乃さん
調理担当琴吹さん、美和さん
買い出し担当佐伯、ユーテリア様
情報収集担当牡丹さん、瞳
鍛冶担当ガルガ
衛生管理担当萌々香さん、乃恵さん
とこんな感じ
「おっけー。これなら問題ない。他の皆も、できることは手伝ってくれな」
「「はーい」」
「んじゃ出発!」
「ゆきーのしんぐん」
「おい」
「あるー日、森の中」
「おい」
「あるーいてーいこー」
「おい」
「佐伯様、あれは何をされているのですか?」
「あれは…俺たちの世界の歌を歌おうとして、ユウキに止められてる」
「歌ですか?詩ではなく」
「そう歌。歌っていうのは、楽器の演奏とかが付いた詩、って思ってくれればいいよ」
「なるほどです」
「お前ら!」
「「わぁーーユウキが怒った〜」」
「楽しそうですね」
「ほんとにね」
「はいはーい魔物ですよー。ブラックベアーとブルーパンサー。争いながらこっちに進行」
「守護騎士〜」
「おう」
接近する魔物を見つけ、陣形を組む。
「守護騎士がブラックベアーを抑えるから、嶺さんと新井、櫻井の3人でブルーパンサーを。残った人達でブラックベアーに攻撃」
「「了解」」
軍師の作戦を佐伯と俺の2人で指揮。二手に別れて勇者組を佐伯が、残りの方は俺が受け持つ。
「死亡確認したら血抜き急いで。終わったら、切り分けて収納」
危なげもなく戦闘終了。やる事やってすぐ移動。
「全体停止!」
「どうした?」
「前方、盗賊に襲われている馬車あり」
「救助」
「賛成」
「理由」
「定番」
「許可」
「突っ込め」
「「うらぁーーーーーー!!」」
なんて賑やかなんだ。前世の騎士団を思い出す。
「なんだおめぇら!」
「うるせぇ!盗賊に名乗る名前はねぇ!」
「ヒャッハーー!」
「おめぇらも盗賊か!?」
まぁそうなる。というか君たちはしゃぎすぎ。
「殺すなよ!色々聞きたいことあるから!」
数分で制圧。盗賊と思しき者達は地面に埋まっている。穴掘って埋めて、顔だけ出してる状態。
「あ、あの」
「ユウキ!」
「はいはい」
馬車の中からでてきた人に、まともそうな佐伯が声をかけられる。が、すぐさま俺に投げる。
「私の名前はユウキと申します。貴方々の馬車が襲われてるのを見つけ、勝手ながら救援に入らせていただきました」
「あ、えっとわた」
「名乗ってはいけません!この者達怪しすぎます!先程の言動といい、タイミングといい。こいつらもアイツらと同じです」
「ですが」
あーめんどくさそー
「全員集合〜」
輪を作り、緊急クラス会議
「逃げる」
「無視して進む」
「盗賊だけ連れてく」
「盗賊殺す」
うーん1人物騒
「よし、決めた」
埋められた盗賊(仮)の元へと向かう。
「盗賊でないと言うなら証拠を見せろ。そしたら解放する」
「俺がリーダーだ。証拠を見せるから、出してくれ」
後ろを向いて、顎クイっ。
土が排除され、リーダー?の男が動けるようになる。
「油断し」
はぁー
「手が古いし、バレバレ過ぎ。もう少し工夫しろ」
飛び掛る途中で、瞳によって首を落とされる。
「俺1人殺しても意味ないだろ」
「兄さん」
「大丈夫問題ない。助かったよ」
「ん」
頭を撫でてやると嬉しそうに笑う。はぁ〜可愛い。
「さてと、他のやつ。どうする?」
少しだけ威圧してみる。
「ユウキ、このドックタグ見てよ」
死体を物色していた牡丹さんが何かを持ってきた。
「ドックタグ?アレスター公国の暗殺傭兵団?今のが暗殺?あー盗賊に襲われたように偽装するのか」
「解放する?」
「え〜?俺らこれから公国に行くんだぜ?こいつら解放したら、入国出来ないかもじゃん」
「なら、ここでのこと全部見なかったことにする?」
「佐伯どう思う?」
「ここで振るな。お前に任せるから」
「え〜?仕方ないなぁ。えーとお前、そうハゲ頭のお前。俺らと契約しろ。公国までの案内。そうそれだけ。そしたら全員解放する。そんで、このことを言いふらすな。そっちも嫌だろ?どこの誰とも知らんガキに負けたなんて言うの。はいよろしい。契約神に誓おう」
というわけで、全員を解放。案内役の1人を残して他は撤退。
「よし、進むか」
「おい貴様!」
進もうとして、さっきからうるさいおっさんが邪魔をする。
「こちらが呼びかけているのに、無視をするな!」
うっざ
「ユウキ隠せてない」
あ、思ってたことが口に出てたみたい。
「貴様ァ!」
「牡丹、瞳」
おっさんの首の寸前で二本の刃が止まる。
「殺すなよ。余計に面倒だ」
「いつの間に…」
おっさんもその横の少女?も案内役の奴もびっくり。そらそうか。気配も何も感じていない。それどころか、寸前まで俺の後ろに気配があったのにな。一瞬で移動、抜刀も一瞬。抜刀する前に気付けて良かった。そうじゃなきゃ死んでるよ。いや、よく気付いたな俺。
「んで何だ?何か用か?」
「貴様、言葉を」
「選ぶのはお前だ。お前は俺に、俺達に生殺与奪の権を握られてんの。おわかり?あーそれとも。そっちの幼女も同じにしようか?」
すぐさま剣聖見習いの瀬戸剣城が、幼女の後ろに回り込み、喉元に剣を当てる。
「えぇ?お前がやる?」
「僕以外にやれる人いる?」
「いないな」
まぁ竜騎士は槍使いだから難しいわな。他の皆は単純にやりたくないと。
「で、おっさん、どうするよ?」
明らかに怒りに満ちている。
「用がないなら俺らは行くぞ。用があるなら早くしろ。こっちは事情があるんだ」
「…お前達は何者だ」
「は?そんなことの為だけに呼び止めたのか?違うよな?そうなのか?」
「そうだ」
「はっ、つまんねぇ。牡丹、瞳、瀬戸、離してやれ」
3人がこちらに戻ると、おっさんは少女に駆け寄る。こちらを睨み付けながら。
「睨んでなんになる。何にもならないだろう」
「帝国騎士団、2番隊隊長ギラル・アルハルト。覚えておけ」
「はいはい。覚えてられたらね」
適当に返事をして去る。めんどくさい出会いだった。
「俺らを結婚させようとしてる国の騎士と姫だってさ」
「なんか普通?」
「あの姫とだったらユーテリア様の方が綺麗」
「分かる。可愛さも断然」
「あーあ、佐伯が羨ましいぜ」
わかるけどね。ユーテリア様が赤くなってんぞ〜。
「皆様、一つお願いなのですが、ユーテリア様って呼ぶのやめませんか?そろそろ普通に呼んで頂いても」
「え〜だってさ、様付けないで呼ぼうとすると、佐伯がうるさいんだよ」
「ユーテリアさんもアウトらしい」
「え、それは良くないですか?」
「だってよ佐伯」
「クッ、仕方ねぇ。さん付けなら許す」
「お前何様だよ」
「彼氏様だ」
数日前と同じ、強烈なリバーブロー。またも崩れ落ちる。
「あぁ佐伯様!」
やったのは今回も瞳。
「調子乗るな」
少し切れていらっしゃる?目線が少し冷たいような?
「私だって、兄さんが、兄さんじゃなければもっと」
小さな呟きは聞こえなかった。
ユーテリアと佐伯には聞こてたようで、少し驚いている?
「そろそろ夜営の準備するぞー」
テントを張って、焚き火の準備、焚き火周りで食事の準備、数人は周囲の警戒。
「今日はカレーだぞー」
「「おぉぉー」」
「カレーですか?」
「美味しいよ」
ユーテリアさんの分は少し多めに盛ってあげる。
「佐伯、福神漬け持ってけ」
「サンキュー」
どうやってスパイスと福神漬けを手に入れたかって?便利だよね、魔力を物質に交換するのって。
後は錬金術。等価交換だね。
さて、ユーテリアさんの反応は?
「っ!佐伯様!これ、おいしいです!ふくじんづけ?と合わせると更においしいですね!」
「そうでしょう?俺たちの故郷の人気料理なんです」
「週一で作るのが決まったなこりゃ」
「だな」
「これからは佐伯にやらせればいいさ」
「いいね、そうしよう」
笑いに包まれながら、夜は更けていく。




