第11章 第14話 再びの
〇ジン
「さて、そろそろ行動開始しましょうか」
昼頃昨日イフリート取り付けたというGPSの状況を確認した杏子が言う。
「イフリートさんは今1時間ほど動きを止めています。発信機に気づいたのか、あるいは寝ているか。おそらく前者でしょうが、行くなら今しかありません」
「どうだろ。寝てる可能性も充分あるよ。基本夜型だから」
アクアの意見に俺も同調する。友だちの家に行き、昼まで遊んで寝るなんてことはよくある話だと思う。
「一番いいのはトラリアルさんとエターナルさんもいることだけど……どう思う?」
「むしろそれが一番高いんじゃない?」
斬波はそう言うが、まぁそこは考えても仕方ないだろう。
「それより場所はどこだ?」
「地名言っても兄さんわかんないでしょ? そんなに遠くないよ。ここと園咲家の中間くらい。ストリートビューで見てみたけどたぶんどっかのアパートじゃないかな」
「ス、ストレート……?」
「兄さん以外はわかるよね? じゃあ行こうか」
だいぶ俺への扱いが雑になった杏子が立ち上がる。ちなみに隣で未来も首を傾げていたのは内緒だ。
「私に兄さん、侑さんに斬波さん。未来さんにアクアさん。とりあえず6人いれば3、4人くらいはなんとかなるよね」
杏子が小学生らしいピンク色のリュックを背負っているその時、俺のスマホが震えた。確認してみると、早苗が電話をかけてきていた。
「もしもし?」
「やっほー愛しの弟くん」
電話に出てみると、その声は早苗のかわいらしい声とは正反対の、不快な声音。
「トラリアル……!」
どういうわけか早苗のスマホでトラリアルが電話をかけてきていた。
「早苗はどうした!?」
「今一緒にいるよ? エターナルも、イフリートも」
その言葉に鳥肌が立ったのを感じた。それはつまり。
「誘拐……!?」
ジンくんと別の人の視点を交互でお届けしているため、どうしても一話が短くなってしまっています。許してください。その代わりと言ってはなんですが、今並行して書いている作品を紹介させてください。
どうやら俺は浮気されているようなのでクラスメイトの人気女優と一緒に盛大に復讐してやることにした
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