第11章 第11話 夜
〇斬波
「ホテル前でGPS切れたからまさかかと思ったら……なにやってるの」
「「すいません……」」
杏子に言われジンと未来を迎えにいった私。そして家に連れ帰ると、杏子に怒られ2人は正座して謝っていた。小学6年生にめちゃくちゃ怒られていた。まぁ普通に何もやっていないと思うけど。
「しかもトラリアルさんを逃がすなんて……GPSも捨てられたみたいだし、お手上げだね」
「わた……私のせいです……ジン様は悪くありません……」
「いや、俺ももっとちゃんとするべきだった。緩くなりすぎた」
まぁそうなんだろうけど……責めることはできない。悪いことをしたのはトラリアルなんだから。
「それに、侑さんもイフリートさんを逃がしちゃったんだよね」
「や~申し訳ない~」
ジンたちより早く帰宅していた侑が謝罪する。アクアは悲しそうな顔をしてソファーに座っている。
「まぁでもさすがは侑さん。服にGPS発信機を入れてたらしくてイフリートさんは追えてるけど」
「そっか。よかった……」
「よくないけど」
「そうですね……すいません……」
またジンが怒られてる。かわいそうだ。
「とりあえず今日は寝ましょう。追うのは明日からです」
という杏子の一言で今日は解散となった。解散と言ってもみんなこの家で寝るんだけど。
「ジン、お風呂入ってきたら?」
「いやシャワーは浴びてきた」
「」
おっといけないいけない。思わず未来を殴りそうになった。手出してないよね……本当に。
「私どこで寝ればいい?」
「俺の部屋でいいだろ。狭いから未来と2人でベッド使ってくれ。俺は床で寝る」
「それはいけません! 私がリビングのソファーで寝ます!」
「いやいいよ。俺がそっち使うから」
「私が寝ます!」
「俺でいいって言ってるだろ!?」
「私が寝るって言ってるじゃないですか!」
ジンと未来が言い合っている。前はそんなことなかったのに。本当に変わったんだな……。
「私が寝ます! 寝ますからね!」
未来がソファーにしがみついたので致し方ない。ジンは私と部屋にいった。ジンと、2人きり。いつもと同じだ。いつもと同じだけど、違う。
「……ねぇ、ジン。ちょっとお話しようよ」
ひさしぶりのジンとの夜に、心が躍っていた。
忙しいので短めで許してください!