表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静かに過ごしたい冬馬君が学校のマドンナに好かれてしまった件について  作者: おとら@9シリーズ商業化
冬馬君は友達のために……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/176

冬馬君は親友に相談する

……さて、今日はどんな顔して会えば良いのか。


……柔らかかったなぁ。


……いやいや! 卒業までは我慢だ!





 結局どんな顔して良いかもわからず、いつもの車両で綾を待つ。


 すると……。


「と、と、と、と……」


 綾が目をキョロキョロさせながら、ゆっくりと近づいてくる。

 ……おかげで、俺の方が気が楽になった。


「俺はトトロか?」


「と、と、冬馬君……はよぉ……」


「おい、『お』が抜けてるから。それじゃ、急いでって意味だから」


「お、おはよぉ……冬馬君、普通だね……?」


「いや、普通じゃなかったんだがな。綾がアワアワしてるの見たら落ち着いたよ」


「むぅ……」


「ご、ごめんな。まあ、この話はとりあえず置いておこう」


「そ、そうだね!電車だし、これから学校だし」


「そういうことだ。あー……ただ、ひとつだけいいか?」


「うん?なになに?」


 俺は綾の耳元で囁く。


「……俺のアレ……気持ち悪いとか、嫌とか思わなかったか?」


「……ふ、ふえっ!?あ、え、いや、でも……」


 綾は自分の両手をパタパタして、顔をあおいでいる。


「……すまん、俺が悪かった……」


 ……ただ、ちょっと引かれてたらやだなと思っただけなんだ……。






 結局、勉強など身に入るはずもなく、時間は過ぎていく。


 そして……気がつけば、放課後を迎えていた。


「と、冬馬君!」


「ん?ああ、綾か……どうした?」


「あ、あのね!今日は友達と帰ろうかなって……」


 後ろには森川と黒野がいる。

 ……これは、相談コースだな。

 一連の流れを話されるっぽいな……。

 だが、それを止めることはできない。

 なぜなら、俺も同じことを考えていたからだ。


「ああ、わかった。気をつけてな?綾は可愛いんだから。何かあれば、すぐに連絡してくれ。どこであろうと飛んでいくから」


「ひゃ、ひゃい!」


「おいおい、吉野〜。そんな熱く見つめたら、綾が大変だぞ〜?」


「ん?普通のつもりなのだが……」


「と、冬馬君!じゃあね!愛子!いこ!」


「じゃあね、吉野」


「おう、黒野……色々聞いてやってくれ……」


「あら?……良い男ね。自分の恥部を晒されるのに……それより、綾のことを考えてあげてるのね。わかったわ、任せてちょうだい」


 3人は教室から出て行った。


「さて……俺も行くとするか」


 俺も、待ち合わせ場所に向かうことにする。





「よう、冬馬」


「アキ、悪いな」


「良いさ、親友の頼みだ」


 校門前でアキと合流して、駅へ向かう。


 2人で雑談をしながら、電車に乗ったのだが……。


「うわぁ〜絵になる2人……」


「声かけよっか?」


「で、でも、あのツーショットが良いかも……」


 ……先程から、女子たちがチラチラ見てくるな。

 アキがいるから仕方ないとはいえ……。


「ククク……お前のことだ。俺の所為だと思っているんだろ?お前が男前だから、皆が見ているんだよ。今日は綾ちゃんいないしな」


「はぁ?何言ってんだ?俺はせいぜい中の上か、上の下だろ」


「やれやれ……これだから、自覚のない奴は……綾ちゃんも大変だな」


「いや、俺のが大変だよ。綾に群がる奴らを、排除しなくてはいけないからな」


「……まあ、お似合いかもな」






 その後俺の家に着き、部屋の中に入る。


「で、どうだった?そいうことだろ?」


「話が早くて助かる。そのだな……」


 羞恥心に耐えながら、一連の流れをなんとか伝える。

 もちろん、綾の胸の感触や、反応などはぼかしたが。


「結局、最後までしなかったんだが……」


「なるほど……まあ、良いんじゃないか? 考え方は人それぞれだし」


「そう思うか?」


「ああ、別にしてれば偉いってわけでもないし」


「そうだよな。焦ってすることじゃないよな」


「まあ、高校生っていうのは仕方ないさ」


「まあ……な。我慢するのが大変だったぜ」


「ははっ! そりゃそうだ!」


「笑いすぎだろ……まあ、相談できて良かったよ」


「おうよ、いつでも相談してこい……俺も、そのうち相談するかもしれないけどな」


「ん?何か悩みか?俺で良ければいつでも乗るからな。借りてばかりでは、俺の矜持が許さない」


「ハハ!出たな!それ!懐かしいなぁ、お前の口癖だったよな。おう、その時は遠慮なく言わせてもらうぜ」


 ……アキが、俺に相談か……。


 こいつがいなかったら、俺はずっとぼっちのままだったかもしれない。


 冷たい言葉を吐いていた俺を……こいつは、ずっと親友だと言ってくれた。


 自覚はないが……今考えると、俺は救われていたに違いない。


 よし……その時がきたら、俺は全力を尽くそう。


 それが、親友アキに対する恩返しというものだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ノクターンで待ってますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ