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静かに過ごしたい冬馬君が学校のマドンナに好かれてしまった件について  作者: おとら@9シリーズ商業化
冬馬君は自重……

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冬馬君は打ち上げに行きたくない……何故なら……

 さて、一夜明けて日曜日になった。


 今日は、体育祭の打ち上げをするそうだ。


 もちろん、真司さんの奢りだそうだ。


 キャバクラに行くことを思えば、安いというものだと。


 今朝、ご機嫌に電話してきた。


「冬馬!!サンキュー!!お前の活躍のおかげで優勝できた!!昨日はタダ飯と、タダで良い女と遊べたぜ!!いやー!楽しかったな!お前もそのうち連れてってやるからな!」


 ……いや、良いけどね。

 貴方にはお世話になっているからね。

 ただ……なんだが、釈然としない。


 俺は準備をして、バイクで綾を迎えに行く。






「冬馬君!わざわざありがとう!」


「おう、綾乗りたかったろ?」


「……バレてましたか……エヘヘ、実はそうなのです」


「昨日電話したときに『明日どうやって集合場所行くの?』なんて聞くからな。こりゃ、そういうことかなと思ってな」


「察してくれて、とても嬉しかったです!」


「お、おう……やけに機嫌いいな?」


「え?そ、そうかな……少し近づいた気がしたからかな?」


「え?」


「そ、その……昨日触ってくれたところがね……あ、熱かったの……それで、そのあとに何故か苦しくなってきて……」


「待て!綾、ストップ!」


 これ以上は色々とマズイ!

 俺のアレが!

 集合場所に向かうところじゃなくなる!


「あっ……ご、ごめんなさい!何言ってるかわかんないよね……」


「いや、気持ちはわかる。ぎゅーと締め付けられる感覚だろ?」


「え……?う、うん!そうなの!……良かったぁー……同じ気持ちなんだ……」


 ……もう、行くのやめようかな。

 そんでもって、綾とイチャイチャしたいです。

 ……いかんイカーン!


「さあ!行くぞ!俺の気が変わらないうちに!」


「はぇ?う、うん?よくわからないけど……」


 俺は綾を乗せ、集合場所へ向かう。


 ……そして思う。

 俺……昨日、これを揉んだんだよな……。

 背中に当たる素晴らしい感触を感じながら、俺はバイクを走らせるのだった。







 集合場所に着くと……。


「綾、良いなー!吉野のバイクカッコいいじゃん!」


「愛子、ありがとう!」



「あれ……そうとう高いぞ?」


「クソッ!なんだ!アイツは!?」


 やれやれ……まだまだ五月蝿いのがいるな。

 いい加減に面倒になってきたな……さて、どうしてくれようか。


 俺がそんなことを考えていると……。


「よう、冬馬」


「先生、こんにちは」


「おいおい、よせよ。気持ち悪い」


「いや、これって……プライベート?」


「そうだよ、だから気にするな。それと……うん、状態が良い。この間も思ったが、大事に使ってくれているようだな?」


「そりゃ、もちろん。値段以上に、真司さんが愛着のあったコイツを、俺にくれたんだ。その気持ちを裏切るわけにいかないさ」


「……冬馬、お前にあげて良かったよ。きっと、そいつも喜んでいる」


「先生!」


「ん?どうした、清水?」


「ありがとうございます!先生がくれたおかげで、私は冬馬君の後ろに乗せてもらえてます!大好きな彼氏の後ろに乗るの、夢だったんです……」


「ククク……どういたしまして。冬馬、中々大変そうだな?」


「いや、まあ……否定はしない」


「はぇ?どういうこと?」


「いや、気にしなくていい」


 ……可愛くて、自制心が大変なだけだ。





 その後ボーリングをして、カラオケの流れとなる。


 もちろん大活躍して、他の男どもを蹴散らしてやった。


 さて、次はこちらで……。


「ウマッ!?なになに?吉野って歌まで上手いの!?綾、いいなぁー」


「あ、愛子!?だ、ダメ!私の冬馬君だもん!」


「あらあら……でも、何人か落ちそうね……」


「うぅー!複雑だよぉ〜」


 ……少し、張り切りすぎたか?

 でも……うーん、加減が難しい。


「冬馬!!俺と歌うぞ!俺の美声で女子を落としてやる!」


「いや!アンタが落としちゃダメだから!俺がいるからって、昔に戻るんじゃねぇ!」


「え?先生歌うの?」


「でも、あの低い声じゃねー」


「ププ、ウケ狙いかね?」


 ……無知とは恐ろしいものだ。

 真司さんが、ケミスト○ーのデビュー曲を入れる。

 いや……年代が違うよ!わからないよ!俺は知ってるけども!


「よし!俺がバンダナの方な!」


「はいはい、昔と同じね。俺がイケメンの方ね」


 そして歌い出すと……。


  「え!?先生もウマッ!!曲は知らないけど……てか……良い声……」


「か、カッコいい……」


 あのバリトンボイスをくらい、女子たちが沈没していく……。

 いや、これってまずくね?教師として。

 なにより……綾は……。


 綾は俺を見つめ、両手を上下にブンブンとしている。

 口元から察するに、冬馬君カッコいいと言っているようだ。

 ……ホッ、良かった……負けられない……!


「うわぁ……吉野の声、高くて綺麗……」


「よく、あれがでるなー」


「ムムム……!私だけが知ってたのに……!でも、嬉しい気持ちも……あるのです」






 その後カラオケも終わり、夕方なので解散の流れとなる。


 俺は綾を乗せ、とあるところへ向かう。


「うわぁー!綺麗だね!」


「だろ?昔、よく来たんだ」


 そこは隠れスポットで、夕日が沈んでいくのがよく見える場所だ。


「こんなところに……女の子?」


 綾が膨れた表情で、そんなことを言う。

 めちゃくちゃ可愛い……。。


「いや、1人でな。母さんのことを思い出すときに……」


「あっ……そっか」


「連れてきたのは、綾が始めてだな」


「え?そ、そうなんだ……嬉しい……もう、これだけで十分……」


 ……そういうわけにいかないだろうが。


「綾……誕生日おめでとう」


「え……?し、知ってたの?わ、私、言ってないのに……」


「そりゃ、事前に調べたさ。だから、ほんとは今日行きたくなかったんだよ。綾と、一日中一緒にいて祝ってあげたかった。でも、綾は気を使う子だ。周りにも言ってなかったんだろ?」


「う、うん……愛子と加奈以外には……私、自分でいうと催促してるみたいで……中々言えなくて……ごめんなさい」


「いいさ……俺は、綾のそういうところを好きになったんだ」


「冬馬君……」


「で、これを受け取ってもらえるか?」


「あ、ありがとう……うわぁ……!ネックレスだぁ……!綺麗……!」


「大したものじゃないけど……」


「ううん!嬉しい!冬馬君!大好き!」


「おおっと、急に抱きつくと危ないぞ?」


「えへへ、大丈夫だもん!冬馬君が受け止めてくれるもん!」


 めちゃくちゃ可愛いんですけど?


「ゴホン!でだ、綾」


「ん?」


「俺と、明日デートしてくれませんか?一日中……今日できなかったことを、綾にしてあげたいんだ」


「冬馬君……はい!喜んで!」


「綾……」


「冬馬君……」


 抱擁したまま、俺たちは唇を重ねるのだった……。



少しでも興味を持った方、続きが気になった方。


お手数ですが、ブックマークと下の方にある⭐️を押して頂けたら幸いです^_^

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