表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静かに過ごしたい冬馬君が学校のマドンナに好かれてしまった件について  作者: おとら@9シリーズ商業化
冬馬君は彼女のために……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/176

新学期の始まり

新章の始まりです^_^



 ……さて、いよいよだ。


 制服に着替え、学校でのスタイルに戻す。


 眼鏡をかけ、髪も無造作の状態だ。


 綾の彼氏として、きちんとした状態にしようかと思ったのだが……。


 綾に聞いたら、こっちはこっちで好きだからと言われてしまった。


 ……あと、あの姿は私だけの特別なのと。


 そう言われてしまっては、こちらもお手上げ状態である。


 というわけで、とりあえずはこの格好で行くことにする。


 俺は準備を済ませて、駅へ向かう。






 駅に到着し、電車に乗る。


 ちなみに、待ち合わせ場所は電車の1番前の車両にした。


 俺のが学校から駅が遠いので、後から綾が乗る形だな。


「お、おはよ!冬馬君!」


 綾は、ガチガチに緊張しているようだ。


「おはよう、綾。おいおい、大丈夫か?」


「う、うん。なんか、新鮮だね。制服って初めてだもん」


 ……正直言って、電車じゃなければ抱きしめたいくらいに可愛い。

 それくらいに、綾のセーラー服は眩しかった……。


「そうだな……とりあえず、座るか」


「うん!」


 こういう時は田舎で良かったな。

 満員電車でもないし、席にも座れる。

 2人で並んで座れるしな。


 ……めちゃくちゃ見られているな……。

 意識するな……自然体でいろ……!


「エヘヘ、そっちも新鮮だね!」


「うん?ああ、髪と眼鏡か……まあ、俺も違和感を感じたくらいだ」


「……すごい見られてるね……?」


「……まあ、仕方あるまい。とりあえず、自然体でいるよう努力しよう」


「うん、そうだね」


 そして駅に到着し、《《手を繋ぎ歩き出す》》。

 これなら、わかりやすいだろう。


「え!?何アレ!?」


「う、嘘だろ!?」


「アイツ誰だよ!?」


 あちこちで、そんな声が聞こえてくる……。

 しかし、何人かのやつらは、俺にウインクをしてきた。

 そうか……もう、黙らせる必要もないのか。


「す、すごいね……ごめんなさい……」


「まあ、気にするな。想定内のことだ。友達には言ったのか?」


「うん。加奈と愛子だけには、昨日の夜に言っておいたよ。2人とも、びっくりしてたけど……」


「そりゃ、そうだろうな」


「でも、祝福してくれたよ?まあ……」


「気を遣わなくていい。アレでいいの!?とか言われたんだろ?」


「わ、私は、冬馬君が良いの!」


「わかってるよ。友達も悪気はないだろう。ただ、綾が素敵すぎる女の子だからそう言ったんだろうよ」


「はぅ……」



「おい!?なんだ!?アレ!?」


「え!?綾ちゃんがベタ惚れなの!?」


「アイツは何者だ!?」


 そんな外野を無視しつつ、学校へと向かう。




 ……まあ、こうなるわな。


「エギャーー!!この世の終わりだーー!!」


「俺らのマドンナがーー!!」


「明日から、何を楽しみ学校にくれば……」


 男共が絶望して、涙を流している。


「さて、行こうか」


「う、うん」


 あえて堂々とし、歩いていく。

 そのせいか、誰も話しかけてはこない。


 そして……教室のドアを開ける!!


 皆から一斉に見られるが、誰も話しかけてはこない。

 そのまま席に着き、手を離す。


 綾は、早速呼ばれたようで、そちらへ行った。


「お、おはよう!吉野君!」


「おう、田中君。おはよう」


「あれ?あの時と一緒……」


「ああ。これからは、こちらでいくことにした」


 でないと、綾と喋れもしない。

 もう、綾とはこの口調で話すことに慣れすぎている。




「そうなんだ!あのさ!新刊見たかな?」


「ああ、見たな。今回も素晴らしい内容だった」


「そうだよね!ぼく的には中盤の挿絵あたりの話が……あっ……」


「おい!吉野!」


「おっ!わかってるねー。あそこ良いよな?主人公がヒロインを助けるために、大軍と激突するシーン。挿絵が、これまたカッコいいよな」


「う、うん、あの吉野君……」


「テメー!聞いてんのか!?」


 ……ハァ、この学校は割と進学校だから、そんなに心配はしていなかったが……。

 それに、うちのクラスのトップカーストは女子だ……。

 だが、スポーツ推薦組のこいつらがいたな……。

 オラオラ系奥村将吾に、腰巾着の佐々木浩二が……。


「うるせえよ。人が楽しく話してんだ。後にしろ」


「な、なんだと!?ふ、雰囲気が違う!?」


「何調子こいてんだよ!?」


「ハァ……人の話を聞いていたか?仕方ない……なんだ?」


「清水さんと付き合ってるのか!?」


「どんな手を使った!?」


「ああ、付き合ってるよ。綾は、俺の大切な女の子だ。どんな手って……普通に告白しただけだ。はい、もういいだろ」


「と、冬馬君……」


 すると、真司さんが教室に入ってくる。

 やつらも、渋々席に戻る。

 綾も戻ってきて、隣に座る。



「おいおい、廊下にはまで聞こえたぞ?冬馬、手は出してないだろうな?」


「はい、先生。僕は、良い子ですから」


「と、冬馬君!無理あるって!」


「そうか?綾、僕は良い子だよ」


「もう!笑わさないでよー!」


「まじか……」


「めちゃくちゃ仲良い……」


「清水さん、あんな顔するんだ……」



「はい!静かに!誰かが付き合ったくらいで騒ぐんじゃない。ちなみに、佐々木と奥村」


「な、なんだよ?」


「お、俺らなんもしてねーし!」


「ならいい。スポーツ推薦組は、一発でアウトだからな」




 ……フゥ、真司さんのおかげで、助かったな。

 まあ、仮に何かしてきても問題ないがな。

 ただ、面倒なだけで。


 その後、ホームルームを終え、体育館で全校集会を開く。

 相変わらずのつまらない話を聞きながら、俺はひとまず安心する。


 だが、俺としたことが少しイラついてしまったな……。

 ああいう高圧的な態度で、マウント取ろうとする奴みるとイライラする。

 自分が優位に立とうしているかわからないが、周りはいい迷惑だ。

 教室でもギャーギャーうるさいし、周りの人のことも考えろっつーの。

 あそこは、みんなの教室だというのに。


 そんなことを考えていると、いつの間にか終わったようだ。

 そして、体育館を出て歩いていると……。


「よっ!親友!大変だったな?」


「アキ……ああ、まあな。だが、綾のためならどうってことはない」


「フゥー!言うねー。まあ、本来のお前だな。これからは気にしなくていいんだな?」


「ああ、今まで俺の都合で悪かったな。まあ、なんだ……また、よろしく頼む」


「何言ってんだ!こっちのセリフだっつーの!」


 ……いい友達を持ったな、俺は……。


 こうして、なんとか無事に初日を終えた。


 だが、ここからが本番だろう。


 気を引き締めていくとしよう。


 堂々と、綾と一緒にいたいからな。

少しでも興味を持った方、続きが気になった方。


お手数ですが、ブックマークと下の方にある⭐️を押して頂けたら幸いです^_^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ