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6:気になるお菓子

………〇………



…おはよう。随分と寝てしまったようだ。

起きたらもう朝になっていた。ここ最近は中々眠れなかったこともあるが、何より留置場やあの兄弟の重圧を受けなくてもいいということで気が緩んでいたのだろう。

朝の9時前後か…太陽が昇っている時間をみればだいたいは分かる。



けど、もしまとまったお金が入ったら時計を買いたい、なぜなら時計があれば時間を図ることができるからだ。いや、時計もいいが3分ぐらいで全ての砂が落ちる砂時計のほうがお菓子か料理を作る上で、時間を精確に測れることが必要になってくるからだ。

砂時計であればこの時代の主流なねじ巻き式の古時計よりは安価で買えるだろう。



「さて、残り15円でお菓子作りができるだろうか………雑穀煎餅以外のお菓子を作ってみなきゃならんからね…どんな食材があるか見に行こう………それと、料理道具も一式買わないと………」



料理道具。

まな板と包丁は必須だ、あとは素材をかき混ぜる際に使用する器と鍋類。

可能であればフライパンも欲しい…。

私の見解が正しければ今頃3月初旬ごろに植えた根菜類が収穫時期を迎えている筈だ。

そうした根菜類をメインに一つお菓子を作ってみようと考えたんだ。



まず候補として私が着眼したのは馬鈴薯だ。馬鈴薯ばれいしょとは現代におけるジャガイモの事だ。

ジャガイモはフライドポテトやポテトチップスの原料としても有名であり、日本では南蛮貿易の際に持ち込まれ以来、北海道や群馬県で生産されているという。

私も調べてみると、まだ本格的にはジャガイモは普及していないが、それでもある程度は流通している事が分かった。

なので、このジャガイモを使ってポテトチップスを作ってみたいとも考えた。



ポテトチップスは既に欧米で誕生している菓子だが、まだ日本には馴染みが薄いお菓子でもある。

油でカリッとなるまで揚げて、それから塩をまぶすだけでも出来上がるのでコストパフォーマンスに優れている。

ただし、油っぽいので包み紙に包んでから渡すのが無難だろう。

ポテトチップスであれば研究したことがあるので、今であれば油と鍋、あぶらとり紙があれば作ることができる。



ポテトチップスもいいが、それでも明治時代である今を考えると作られている素材も限られているのが現状だ。

ジャガイモにしても、生産量はそれほど多くないので万が一ヒットしてしまえば需要が供給に追いつかなくなってしまうだろう。

さらに言ってしまえば、この時代のジャガイモというのは型崩れを起こしやすいそうだ。

つまりポテトチップスにするために薄くスライスして油で揚げるとなると、ちょっと調理するのが難しいと言わざるを得ない。



………では、麦ではどうだろうか?

麦であればちょうど今の時期は冬頃に育った麦が収穫のピークに差し掛かっている。

雑穀煎餅も麦を使用していたが、あれは素材の美味しさをそのまま詰め込んだものだが、この麦を加工してさらに美味しくする。

一番手っ取り早く出来上がるものでいればフレーク状にしたお菓子が最適だろう。



コーンフレークを食べたことがある人ならわかるかもしれないが、乾燥したコーンを砂糖などの味付けを加えた液体に漬けた上で、それを蒸した上で乾燥させて砕かせて焼き上げたものだ。

フレーク状であれば、小さい子供でも食べやすいのでこれもいいかもしれない。

おまけに麦は米よりも安いので、多く仕入れができる。



しかしデメリットもある。

それは製造方法が雑穀煎餅やポテトチップスよりも難しい事だ。

フレーク状にするための工程で、加熱したり引き伸ばしたり乾燥させなければならないので、かなりの労力がかかる。

作るのは難しいかもしれないが、栄養値もそこそこあるフレークを作り上げることができれば………。

成功できるかもしれない。

どっちを選ぶかは私自身が決めることだ。さて、どっちを作るべきか………。

馬鈴薯を使用したポテトチップス。

麦を使ったフレーク。

どちらも製造過程が簡単なのと、原料の調達が容易というメリットと、馬鈴薯があまり普及していないのと製造に時間が掛かるデメリットがありますが、どっちを製造しても成功すれば儲かるでしょう。

みなさんはどっちがいいと思いますか?

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