新たな始まり2
勇者の期待から、魔王への絶望は凄まじものであった。ぼーっとしている中、神様からの説明が始まる。
「これからは魔王としての人生を頑張って下さい。あなたには、新しく名前をあげます。」
そういえば、前の自分の名前が思い出せない事に今気づく。
「前の名前での人生は終わりましたので、役職が理解出来ている人に関しては、神様から名前が与えられます。あなたの名前は、魔王[カイガ]にします。」
名前を与えられたカイガは、嫌そうな顔をしていた。なぜそんな名前なのか、ダサいのではないのかと…思った瞬間は神様からの話が続く。
「名前なんて、なんでもいいでしょ。機械に登録する時面倒なので文字が近いので、選びました。」
その話を聞いて、カイガは思い出す。あいうえお順で考えると、確かに入力する際、楽だな…
そんなんで自分の名前が決まるのかいと1人ツッコミをしていた。
名前は決まり、魔王としての人生が始まろうとしていたが、ふと考えると、魔王=悪いこと、悪い人なのかと…
「それは以前いたあなたの世界での魔王という存在です。これからは、あなたの行動自体が魔王としての存在になります。まぁ役職は魔王でも、勇者になったって別に構いません。自分の役職を知っている生物なんて一握りなので。次の世界で好きに生きてください。しかし魔王としての役職になった訳なので、他の方とは違う特別な能力を与えます。魔王なので、魔眼でいいでしょ。魔繋がりなので。能力的には、魔眼を使用中は、見ている生物を操れるという能力にしましょう。また魔王なので、ある程度の部下や仲間が増えたら、追加で能力を与えていきますね。適当な事を言っていると思っていますけど、ここはゲームで言うと、プログラム的な事が出来る場所と思って下さい。役職、名前、能力等の説明が終わりましたので、新しい世界で頑張って下さい。神様のプレゼントで、前世の記憶、全盛期の肉体で、転生してあげますね。じゃあ、頑張ってあなたの魔王という役職を見つけてくださいねー。バイバイ」
カイガの視界がどんどん薄れていく、一瞬真っ暗になったが、目を開けると景色が変わっていた。