新たな始まり1
この世界では、普通という当たり前の人生を過ごす人は大勢いるだろう。ある程度の挫折、ある程度の幸せを繰り返す毎日。そして最後の生があるまで生き続けなければならない。
私は思った、次の人生があるならば、もっと周りと違う人生を歩みたいと…。享年65歳
どんどん意識が感じ始める。「おーい、おーい。」
と微かに声が耳に入り込む。ゆっくりと目を開けると声をかけている人物が徐々に見えてくる。
「やっと起きたね。あなたの担当になりました、神様です。次の人生の案内をします。」
といきなり軽く話しをかけてくる少年がいます。全てを理解出来た訳では無いが、死んだことは覚えている。しかしここはどこなのか、この子は神様なのかわからないままだった。そして私の身体は16歳から20歳までの若さに戻っている。そんな事を考えている中、少年が語り出す。
「えーと、順番に答えるとここは次の人生を選択する場所で、特に名前はありません。次に私は神様です。何故子どもなのかと言うと、私が前世で生きた中で最も全盛期だった為です。だからあなたも若いのですよ。」
こちらが理解する間もなく説明が続く…
「あなたが考えている事は私に伝わりますので、こっちで勝手に応えていきますね。」
私の頭の中にどんどん情報が入ってるのがわかる。
私たち生物は、神様も含め入れ替わり異世界に転生されます。あなたがいた世界は、色々な世界の一つでしか無い。神々が住む世界であったり、魔物と勇者の世界、虫だけの世界など、あらゆる世界が無数にある。余談だけど、私は前世は神様の住む世界だったので、今この役職についてます。
そこであなたは、前の世界で一生が終わりましたので、次の世界に行かないとなりません。あなたは前世で、役割を果たしましたので、次の機会が設けられました。大抵の生物は役割を果たせず事が出来ず死んでしまうので、次の役職が選べません。その点においては、あなたは優秀ですね。あなたはの前世の役割は平民という役割でしたので、見事達成されました。平民としての役割は難しく、多くの者は上を目指してしまい、役割が果たせないのです。
なのであなたには、次の世界での役割を選ぶチャンスがあります。しかも、前世と一緒の人族になれます。
と何となくだか理解出来てきた。
「役割とは、どうやって選ぶのですか?」
と問いかける前に説明が始まる。
「役割は無数にあるので、前世の頃にあったルーレットで決めます。めんどくさいので(笑笑」
目の前にルーレットが現れる。そこには、平民、平民(上)、権力者、魔法使い、武道家、旅人、などたくさん書いてある。その中で一部光ってあるところがあります。そこは「勇者」との文字が刻まれております。なかなかレアな役職はルーレットの枠の幅が狭く、ほとんどが平民が占める。まぁ平民だろうなと思いつつルーレットを回す。回転は勢いよく回っているも、ほとんど期待せず見ている。少しの時間が経ち、矢印が止まりそうになる。矢印の先が「勇者」の文字の近くで止まりそうになる。心の中で、
「おっしゃー」と思ったのもつかの間。
矢印が止まったのは、「勇者」の隣にある黒い枠であった。勇者の文字が光っており、遠くからでは文字が読めないので、近づくと「魔王」と書かれていた。
そして神様より、
「次は魔王に決定ー」
と言い渡されたのであった。