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序章:魔王を討伐?パスで。

処女作ですので、書き方や誤字があると思います。(とても無いとは思えない)もし、感想でそのような訂正を書いていただけるととても助かります!それ以外の感想も書くことの励みとなりますのでとてもありがたく感じます!どうか温かい目で見守ってください。(´∀`)

首トン、それは相手の背後に高速で移動し、首に手刀を食らわせ、一撃でノックアウトさせる、ジャ〇プとかの雑誌に載っている漫画のキャラクターがよく使う夢の様な技だ。

え?異世界転生の時に貰ったチートの話かだって?いやいやいや、そんな訳ない。俺も高校生だ、そんなファンタジーな妄想はもう卒業している。では、なぜ俺がこんな事を言ったかというとそれはだな。

そう言って俺は、目の前のパソコンのスクリーンにあらためて目を向ける。


「ゲームで俺はこの能力でかなり上位に上り詰めているのだからな!」


スクリーンにはプレイヤーランキングという見出しと、その下にあるランキング表の4位に、俺こと早乙女(さおとめ)マサルのキャラクター名、『ギロチン』と、一位程ではないが大きめの文字で書かれていた。


△△△


全国のゲーマーに今、最も熱いゲームは何かと問えば、ほぼ100パーセント『幻想郷(ユートピア)』と答えるだろう。このゲームはそれほど面白く、知名度も高いのだ。そのプレイヤー数、実に500万人!

なぜこのゲームがこんなにも有名かというと、それは超が10個ぐらいつくほどの広大なフィールド、これまた多彩な種族、技があるからだ。そのため、ゲーム容量は500G(ギガ)と、目ん玉飛び出るほど大きいのだが、一度でもゲームをプレイすれば、まあ、当然かと思える。どんな種族がいるかと言うと...おっと、少し喋りすぎてしまった。まあ、取り敢えずとんでもなく自由度の高くて面白いゲームだと分かってくれたら嬉しい。そして、俺はその500万人のうち4位に君臨している!わかったか、俺の偉大さが!フハハハ...。

『首トン』なら一位になれるんじゃないの?と思う人もいるであろう。なんせ俺も前までは、幻想郷(ユートピア)最強だと思っていた。しかし、この技は、一見無敵な様に思えるが、弱点はある。先ず、相手の首に近くための瞬間移動は相手が見えないといけない。次に、状態異常完全無効の敵にも効かない。なんせ、首トンはスタンさせてこその技だからな。そんな訳でこの二つの弱点を持つプレイヤーには勝てないのだ。いなみに俺より上のキャラクターの特徴は、三位が人形使いで、二位がスナイパーで、一位が剣士だ。特に一位の剣士は次元が違う。リアルでは剣道10段とか噂されていることもあって、剣の腕前はスキルに頼っていない実力で、かなりの腕前で、さらに超感覚とかいうスキルを持っているから闇討ちはもちろん、二位の人の銃弾さえも剣で跳ね返したのはさすがに自分の目を疑ったね。

あ、剣の腕前は実力と言って、コントローラーの操作でリアルの腕前とか関係ないだろとか思った人もいるかもしれないけど、このゲームは自分の身体にコードを貼り付けることによって、身体でゲームキャラを操作するコントローラーがこのゲームには付いているんだ。まあ、普通のコントローラーもあるけど。

え、俺?買った初日にコードコントローラーでやってみて、親にどったんばったんうるさいって言われたから使用禁止になってるよ。...チキショウ。

と、まあ俺はこのゲームを人一倍やり込んでいるってわけさ。

だから俺は異世界転生に対する憧れはこのゲームをやっていくにつれて薄れていった。それどころか、異世界転生するよりもこのゲームをやっている方が楽しいと思える。...だからだろうか、俺がこのようなことに巻き込まれてしまったのは。

そう、俺は...いや、俺たちはあの、テンプレといっても過言ではない勇者召喚とやらによって呼び出されてしまったのだ。召喚されたユートピアプレイヤー総勢50人のうちの一人として。


「神アラムスより召喚されし悪を滅ぼす力を持たれし者たちよ、どうか我の願いを叶えてはくれないだろうか!」


え?どうして異世界転生ってか召喚されたってか?そんなの簡単だ。ユートピアをやっていたら、いきなり運営からアンケートが届いて、答えるだけでレアアイテムが貰えるって書いてあるからそれに答えた。アンケートには、一つだけ質問が書かれていた。

『このゲームが終了したらどうしますか?』と。

俺は迷わず『自殺します。』って書いた。結構本気だ。なんせ俺は高校生とはいえ、かなり学校をサボっているし、1日の8割はこのゲームをやっているといっても過言ではない。それほどはまっているのだ。そして、送信ボタンを押して、いきなり画面が光ったと思ったらこれだ。

ちなみに、今でも俺たちの前では小太りした王冠をかぶった王様が頭を下げている。しかも、気のせいだろうか、王様の顔色が悪い。

変だな。俺が中学生の時に見たラノベでは王様は結構威張っていた。中には礼儀正しい王様もいたが、この様に顔色が悪く、震えていたりはしていなかった筈だ。ラノベの中の状況と今の状況を比較して、一体王様がなぜそんなに俺たちを仲間にするのに必死なのか、俺は必死に考えていた。

ちなみに召喚されて俺が初めに確認したのは服装だった。なんせゲーム中の俺の服装はパジャマ、しかも1ヶ月は洗濯していない。ヒゲも一年ぐらい剃っていない。さすがに風呂は入っている。髪から虫が出たら失禁するからね。まあ、本当に出るか分からないけど。

しかし、俺の服装はゲームキャラの服装だった。ならいいかと、俺は安心した。我ながらよく落ち着いて入られたなと思い返せばそう思った。なんせ、一緒に召喚されたユートピアプレイヤーはそれはもううるさかった。状況を飲み込めていなくてオロオロしている者、泣いている者、自分の身体を触って興奮している者...おそらくネカマ、召喚された部屋の壁をバンバン叩いている者、...以下略。

ドン!パラパラパラ。ドン!パラパラパラ。

なんだ?ゴジ〇でも寄ってきているのか?

いきなり、巨大な何かが近寄ってくる様な音が聞こえて、俺は一旦考えるのを中断して周りを見る。そして、音の発生源を見つけた。


「おー、なんでこんなに力が有るんだ?この壁が脆い?いやいや、いくら脆いとはいってもこんなに凹まないであろう。」


そう呟いたのは壁をバンバン叩いている赤髪の男。そして、彼の叩いているところは大きく凹み、あと数回叩いたら壁が壊れるのでは無いのだろうかとさせ思わせる。

っていやいやいや、これ以上叩くな!器物損害反対!


「なあ、勇者召喚された勇者ってこんな化け物みたいな力を持っていたか?どうも俺にはおかしいと思える。あと、ここにいるメンバーはユートピアユーザーだろ?あそこにいるスナイパーを持ってる奴と剣を持っているジジイ、そして...おお、首トン野郎までいるじゃん。」


他の召喚された者たち達は、うるさくするのをやめ、男が指を指した三人に目を向けた。男が指差したのは、二位のスナイパー。一位の剣士。そして四位の俺だ。


「確かにそうね。これはもしかして...ユートピアでのステータスが引き継がれている、とか?」


そう言ったのは、二位のスナイパー女だ。コイツ、女だったのか。いっつも覆面マスク被っているから性別が分からなかったんだよなー。あ、コイツスカート履いてんじゃん。気づかなかったってえ?ユートピアのステータスが反映?


「ほう、お主も気づいておったか。ちょっとそこの赤いの、どいてくれ。」


続いて、一位の剣士ジジイがそう言い、赤髪の男が凹ました壁まで歩き、


ドガァン!


男と同じ様に一回壁をベシッと叩いた。まあご覧の通り、威力の差は半端じゃ無いですけど。


「ふーん、なるほど、ねっ!」


スナイパー女は、ステータスが反映されていることを実感し、自分も試したくなったのか、その場で大ジャンプをして部屋にある巨大なシャンデリアにぶら下がった。

お、ブルーパンツ。...コイツ、天然なのか?


「あー、スナイパーさん?あなたスカート履いてますけど大丈夫ですか?」


俺は思わずそう言ってしまった。そして、この一言がこの部屋の修理費を倍にする原因となってしまう。


「ひぇ?...キャァァァァ!」


スナイパー女は自分がスカートを履いている事を思い出したのか、悲鳴をあげてシャンデリアに捕まっている手を思わず離してしまった。


「ちょ、落ちる!嫌ぁぁぁぁぁ!」


スナイパー女はシャンデリアから速度をあげて降下し、スカートは完全に捲れ、涙目になっているもんだから、スナイパー女に対してのユートピアでのイメージが完全に崩壊した。

クールビューティな暗殺者として有名人だったんだけどなぁ。

そして、スナイパー女は床を貫通し、大きめの穴を作り、何度か床を貫通する音が聞こえ、やがて音はしなくなった。そして、他の召喚された人たちがその穴を覗き込んだ。

しばらくすると、スナイパー女は顔を真っ赤にして穴から出てきて、


「こ、この事は忘れなさい!」


と、周りの人たちをにらめつけた。まあ、自業自得だね。

ところで、さっきから何かを忘れているような...


「あ、あの〜。」


王様が話しかけてきてようやく思い出した。

そうだった、たしかこのオッさんが願いを聞いてくれとか言っていたな。うーん、魔王討伐だったらやめよう。なんか面倒臭そうだし。まあ、取り敢えず聞いてやるか。なんか可哀想だし。


「ええ、分かっていますよ。確か、願いを叶えて欲しいでしたっけ?取り敢えず聞くだけ聞きましょう。」


俺は営業スマイル(やった事ないが)を作り、王様に優しく話しかけた。


「おお、あなた様のような優しいお方がいてくれて助かります。では、私の願いなのですが、是非ともお強いあなた方には魔王を『ドガァン!』?!」


俺は壁を殴って穴を開け、


「やっぱパスで。そんじゃ。」


と言って、この部屋から脱出した。


「じゃあ私も。」

「儂もじゃ。」

「俺もーっと。」


俺に続き上位の二人、赤髪の男、その他大勢がぞろぞろと穴から出て行った。王様はぽかーんとしているが、


「はっ!ちょ、ちょっと待て!なぜじゃ?魔王を倒すために全力でバックアップするぞ?それに...はっ!そうじゃ!お主ら、帰りたく無いのか?魔王を倒さんと帰れんぞ?」


王様ははっとして、必死に俺たちを説得し始めた。しかし、その言葉で協力する気になるのはほんの一握りの人だけだろう。なんせ、俺たちはアンケートでこのゲームが無くなったら自殺すると書いた人しかいない。そのゲームのキャラクターの姿で召喚されたなら、別に元の世界に戻る必要は無くなる。まあ、この世界が『幻想郷(ユートピア)』のフィールド並みに広大な事に祈るかな。


「おい、騎士団長よ!こやつらを引止めろ!」


説得してもあまり戻らなかったので、どうやら実力行使に移ったみたいだ。


「はっ、仰せのままに。王よ。」


そう答えたのは、俺たちの前の角から出てきた、立派な鎧を着た金髪碧眼のイケメン男性だった。彼は俺たちを見渡すと、鞘から剣を抜き、フッと剣を横に高速で降り、


「どうだ、私の剣の腕は?ちなみにさっきのは全力の半分ほどでしか無い。降参する気になったら大人しく部屋に戻るのだな!」


この剣速に怖気付いた人たちは逃げるように部屋に戻って行った。その後、ここに残ったのは実に五人だけだった。


な、なに?これで全力での半分だと?


「...遅くね?」


赤髪の男がそうボソッと言った。


「ふむ、こんな鈍間(ノロマ)な剣ならドラゴンを殺す事は無理じゃな。」

「え?あんな鈍感(ノロマ)ならワイバーンすら倒せないんじゃ無い?」

「それもそうじゃな。」


ふぉっふおっふおっ。アッハッハ。


ちょ、ちょっとお二人さん。馬鹿にし過ぎじゃない?まあ、確かに


鈍間(ノロマ)だからって言いすぎだよ。」


あっ。

つい口が...。


恐る恐る騎士団長の顔色を伺うと、


鈍間(ノロマ)鈍間(ノロマ)うるさい!騎士団長である私を馬鹿にしたあげくノロマだと?もう我慢できねえ!殺してやる!」


あら〜。顔を真っ赤にしてぷるぷるしてるじゃ無いですか〜。しかもこっちに走って...いや、早歩きか?走るならもっと早く間を詰めないといけないし。


「だからノロマって言っているじゃない。」


スナイパー女は騎士団長の後ろに高速で移動し、ケツのあたりを銃身で少し強めに殴った。


「ぐふっ!」


騎士団長はどうやら今の一撃で戦闘不能になったそうだ。弱いな。ってか、スナイパー女、背小ちゃいな。


「これで騎士団長なら、この世界のトップて私たちなんじゃない?」


うん、十分にありえる。


「取り敢えずこの城(?)から出ますか。おいしょっと。」


ドガァン!


俺は自分の立っていたとこの左側の壁を軽く殴ってぶち破った。そして壊した壁を進み、次に見えた壁を殴って壊すという作業を10回ほど繰り返すと、


ドガァン!


「お、外だ。」


無事外に出れました。


「道を作ってくれて感謝するぞ。」

「それじゃあ...、ん?ここってアバドン王国っぽくない?」


スナイパー女がそういうので、俺も穴から見える都市の風景とゲームの都市を合わせてみる。


「あ、ほんとうだ。俺の大好きなハンバーグの店がある。」

「儂のギルドの本部もあるのう。」

「お、あれは俺ん家じゃねーか!さっそく帰るわ。じゃーな!またどっかで会ったらよろしくな!」


赤髪の男は、どうやら自分の家を見つけたそうでさっそく行ってしまった。だがまあ、本当にゲームにある都市のうちのひとつ、アバドン王国だった。


「そんじゃあ、私も。」

「儂もギルドの様子を見に行くかのぅ。」


他の二人も出て行った。これでここにいるのは俺と、


「ん。私も」


謎の女性、と言うより女の子も出て行ったので、俺だけですね、 はい。

俺はどこに行くかなー。あ、そうだ。暇だしモンスター狩りに行こう。

そうして俺はアバドン王国の城壁へと向かった。




今回は5000字程度でしたが、今後も5000字で投稿するかは決めてません。また、次回の投稿は土曜日にする予定です。すこし間が空いて申し訳ありませんm(_ _)m

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