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第二話:レオクレア&セルフ

赤「我々、モテモテの男たちを一方的な私怨で恨みをはらすはーれむばすた〜ず!」義人「うわ、変なのが出てきたな………」赤「む?君はもて男か?」義人「いえ、断じて違います………あ、あちらのほうに美少女を二人連れていた人がいましたよ」赤「そうか………ありがとう、いくぞ、青と黄!」青&黄「「了解!!」」義人「ふぅ、変な奴らが去っていってよかった」レオクレア「む、義人、今変な連中がいなかったか?」義人「気のせいだよ」

二:はーれむばすた〜ず!!

「我ら!」

「はーれむ」

「ばすた〜ず!!」

 ここで後ろのところが爆発する。

「女にモテル連中をこの世から!」

「根絶やしにするのが!」

「我らの使命!!」

 ここでいきなり町の場面に移行する。

「早速いたぞ!」

「さすが、妬みだけはすごいリーダーだ!」

「こんなに短時間で見つけるなんて!」

 そこには両手に花の人物、A(天道時 時雨)がB(霜崎 亜美)とC(天道時 蕾)と歩いている。

「喰らえ!」

「我らの!」

「怨恨の一撃を!!!」

 ここで三人がそれぞれの武器をくっつけて三位一体の攻撃を仕掛ける。

赤、青、黄

「「「なんでそんなにもてるんじゃぁぁあ!!!」」」

時雨

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ちょっと!兄様に何するのよ!」

どげしっ!!

「も、もっとぉ」

亜美

「時雨君に何してるのよっ!!!」

ぼこっ!!

「か、快感!!」

 二人の攻撃にあい、青と黄がやられる。

「く………やられてしまったか!!」

 赤は一人で夕日にむかって続く。次回、はーれむばすた〜ず!!

「第五十七話!沈め!太陽!」

―――――

 家の中から出てきたのは透けるような肌(実際に透けている)をした闇のような髪に引き込まれるような瞳の女の子だった。美少女、この一言に尽きる気がしないでもないが頭に被った虫あみがすべてを台無しにしてくれていた。ほっぺを膨らませてはいるが、それを入れても虫あみがすべてを壊している。

「…………へぇ、なかなかいい男じゃない」

 虫網をかぶった美少女がこちらへとやってきた。近づかれるだけで恐い雰囲気を受ける。

「え、あ、そ、まぁ………どうも」

 義人はなんと返していいのかわからないのか意味不明なことを言おうとして色々とおかしいことになった。その表情に気を悪くしたのかレオクレアが義人を睨みつける。

「はっきりと答えるのだ、義人!!」

「ちゃ、ちゃんとかえしてるよ!」

 そこでようやくレオクレアの存在に気がついたのか常闇を背負っている印象を受ける美少女は答えた。

「あらら、これはこれは………我侭天使レオクレアじゃない?今度は人間に取り付いたわけ?」

 むっとした表情のレオクレアは答える。

「ほう、ずいぶんと失礼なことを言うな、堕落悪魔セルフ………いつ、わしが我侭だという噂がたった?」

 それに対して挑むような瞳に態度のセルフと呼ばれた悪魔。

「代々神様に仕えていた天使の家系のくせしてわがままのお嬢様だって私は聞いたわよ?そんなものぐさがこの子の婚約者ですって?笑わせてくれるわね、オホホホ………」

 口元に手を当ててセルフはそういう。

「おぬし………よくもまぁ、そんな白々しい口を………わしがだまっておればいい気になりおって…………」

「…………」

 義人はどうせ口をつっこんだところであれだ、自分は役に立てないし、うるさいといわれるのが落ちだろうから黙ってお茶をすすっていた。まぁ、この場合彼の判断が一番正しいと思われる。

「はいはい、喧嘩はそこまで!セルフも悪かったわね、気に入らなかったら帰っていいわよ」

 帰っていいわよの部分にはなんだか違うニュアンスがあった気がしないでもないが、異世界だろうがお隣だろうがそれは帰るに違いない。些細な違いだ。ただ、距離と次元が違うだけと言っていいだろう。

 セルフは犬歯をむき出しにしているレオクレアのことは放っておいて座っている義人に目線を合わせるとそれまでとは打って変わってにこりと笑っていった。

「………はじめまして、義人。私の名前はセルフ・フリーデン。セルフって呼んでいいわ」

どきっ

「え、う、うん。僕の名前は坂凪義人だから………」

 義人は一瞬見とれていたのだが慌てて返事をする。レオクレアはぶすっとした表情で言う。

「……………わしのときは“どきっ”という音が聞こえなかったな?」

 答えに詰まる義人に対して答えるのはセルフ。にやっとして彼女は言った。

「そりゃま、当然でしょ。私の場合はきちんと夜に挨拶したんだから。どうせ、おこちゃまモードで姿を現したんでしょ?」

「うぐ…………ま、まぁ確かにそうだが………」

 事実は素直に認めるところがいいところだろう。彼女の数少ないいいところの一つかもしれない。

「そっち系の趣味だとは思えないからね………義人はそうね………」

 義人の顔にだんだんと顔を近づけていくセルフ。義人はぎょっとしながらも動けないでいた。そして、セルフが一瞬だけ、大人びた表情を見せる。

「………!?」

 義人はそれに驚き、その瞬間にセルフは義人から顔を離した。

「うん、義人は大人のおねぇさんが好きね」

「!?」

「ほ、本当か!?」

 レオクレアはぎょっとしたように義人を見つめ、セルフは頷く。

「まぁ、残念だけど………私たち二人じゃ彼の好みには少々難点があるわね………年齢食ってる割にはレオクレアも幼いし………」

「ほっとけ!」

 レオクレアが言葉でそう答える。義人は心の中を見透かされたような気がしたがまぁ、事実だからしょうがないかとため息をついているところがあった。

「むぅ、それよりも………残念だがわしのほうが義人と早くであったからのう。優先権はわしがさきじゃ」

「あらら………まぁ、どうせあなたじゃ義人に呆れられるだけだわ」

 腰に手を当ててにやりと笑うセルフに対抗心を見せるレオクレア。ただ一人、義人だけが会話から置いてけぼりを食らっているような気がしないでもない。彼の母親はとっくにこの場から姿を消していた。

「ふふん、そう言っていられるのも今のうちじゃ!一週間で義人の心をわしがわしづかみできなかったら義人の前からさってやろう!!」

 駄洒落が入っているかもしれないが気にしないでもらいたい。

「あらら、そんなこと言っていいの?我侭天使に何が出来るのかしら………いいわ、私も同じ条件で………そうね、ハンデとして隙を見て義人と一緒にいるだけで彼を落として………いえ、堕としてみせるわ」

 目に炎が燃え上がる天使に対して黒い瞳を静かに燃やす悪魔。義人はこれから僕はどうなっていくのだろうかとか身の振り方を考えておいたほうがいいかもしれないと彼は思っていた。

 しかし、どうせここで考えても意味ないか!と考え直して彼は言った。

「ま、まぁとりあえず……………」

「何じゃ?義人?申してみよ」

「何?義人?」

「とりあえずさ、家に入ろうか?近所の視線が痛いから」

 気がつけば家の外から何事かと庭を眺めているご近所さんの姿があったのだった。

―――――

「ふぅ、風呂とはいいものだな…………」

 お風呂から上がってきたレオクレアをみて義人は頷く。

「そうだね、これにはいらないと僕は気持ち悪くてさ………」

 一日でも入らないと一日が終わらないような気がするよとぼそぼそと言っていた。

「ん?どうした?」

 ちらちらとレオクレアをみていたのがばれたのだろう。レオクレアは義人に対して首をかしげた。

「い、いや………」

 義人は風呂上りの美少女を見たことがあまりなかったのだが、その姿がほてっていてなんとなく風呂に入る前と後では違ったように見えたのだ。(当然である)フリフリの白いパジャマがなんともまぁ、かわいらしいこともあったのだろう。

「ほほう、わしの色香に顔を真っ赤にそめておるのだな?」

 しっかりと義人の心を読み取ったのだろう。レオクレアはにやりと笑うと義人へと一歩足を踏み出した………が、

「はい、ストップ!競争は明日からっていったのはそっちでしょ」

「ぬがっ!!」

 いきなり横からレオクレアが一歩踏み出した足にたいして足が伸ばされてきたかと思うとそれは意思を持ったかのようにレオクレアをこかした。

「せ、セルフ!?」

 義人の目は釘付けになっていた。セルフが着ているのはおそらく、大き目のワイシャツだけだ。

「あいたた………おい、セルフ………義人の目が釘付けになっておるぞ!おぬしこそ競争してるではないか!そういうのを“ふぇあ”でないというのではないか!?」

 鼻をさすりながらレオクレアは下からセルフを睨みつける。

「………あのねぇ、私は夜寝るときいつもこうだったでしょ?」

「………そうだったな」

「勝手にみてるのは義人のほうよ。今夜、襲われちゃうかも!きゃ♪」

 片足上げて頬に手を当ててそんなことを言っているセルフを見て義人はなんとか冷静になれた。そして、両親との話を思い出す。

 それは、数十分前の話だった。

「え〜これから緊急家族会議を開きたいと思います」

「いえ〜!!」

「…………」

「あ〜時間がないので簡潔に言いますが、俺らが出る幕ではないとのことなので最終的に二人が決めた一週間という限られた時間で嫁を決定します。異論はないな?」

「まぁ、義人がどんな選択をしても母さんは何も言わないわ」

「…………」

「誰も何も言わないので、では、我々はこれから一週間の間去ります」

「久しぶりの夫婦水入らずね♪」

「じゃ、好きなようにしろよ」

「じゃ、元気にしてるのよ、義人」

 これが、一方的な会話である。義人はその間ぐるぐるまきにされてガムテープを丁寧に口にされていた。

「ふむ、わしが義人のお弁当を作ろう。それで異論はないな?」

 レオクレアがいきなりそんなことを言ってきて義人は回想から戻ってきた。

「え?あ、お弁当作ってくれるんだ?」

「当たり前じゃ。おぬしの母上、父上がいないのだからな。それとも普段は義人が自分でお弁当を作っておるのか?」

 たずねられた義人だったが首を振った。

「いいや、作れないよ」

「ふむ、任せておけ」

 それに対してセルフはレオクレアにばれないように笑っている。義人は不思議に思ったのだが黙っておいた。

「セルフも異論はないな?」

「ええ、ご自由に」

「わしらが仲良くお昼をともにしていても邪魔するでないぞ?」

「どうぞどうぞ、ご自由に」

 何かを想像しているのだろう…………彼女はおもしろくてたまらないといった具合ににやにやしっぱなしである。未だにレオクレアは気がついていないのか気にしているようなそぶりは見せなかった。

「…………」

 義人としてはなにやらセルフが悪巧みを考えているような気がして気が気ではなかったのだが、ここで彼女に答えてもらったところで待っているのはレオクレア対セルフという今夜の新たなデスマッチが待っているだけだろうから口は閉じておいた。基本、事なかれ主義なのである。

「じゃ、ちょっと早いけどそろそろ寝ようかな………」

 明日から両親がいないのである。レオクレアがお弁当を作ってくれるといったのだが朝食を用意してくれているということまでは言ってくれていないので間違いなく彼女は朝食を作ってくれないであろう。

「さぁ、義人、ともに同じ布団に肺って寝よう」

「うん、そうだね…………今の冗談だからね」

 腕をつかまれたのだが義人はそれを放してもらい自室へと戻っていったのだった。

 その日、義人は非日常な二人組みのことについてじっくりと考えることが出来た。結果、これはもう自分ではどうしようもないということがわかったのだった。つまり、黙認である。

「ま、どうにかなるよね」

 義人はそういうと静かに目を閉じたのだった………。


かぱっ!


 静かになった義人の部屋の天井からそんな音が聞こえてきた。そこにいたのはなんと、レオクレアだった。屋根裏から義人の部屋にやってきてロープでゆっくりと義人の寝ているベッドへと覆いかぶさる予定だったのである。

「にししし………まさかわしが天井裏からやってくるとは予想もしておるまい!」

 嬉しそうにそう呟いているレオクレア。確かに、そんなことをわざわざ考える奴はいないだろう。別に義人の部屋には鍵も罠もかけられてはいない。

 次の日、義人は朝から絶叫することになる。


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