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第7話  魔王領の施設

いつもお読み戴き有難うございます。

 くろの眷属兼夫になってから8か月。こちらの世界の常識とあちらの世界の常識、余り変わらない事が分かった。あっちの世界での科学技術の部分を、こちらの世界の生活基盤となっている魔法に置き換えたら、それ程変わる事がないと知った。



 くろとの信頼度・親密度も上がったある日、ボクはある決心の元、くろに聞いた。


「ねえ。」

「ん。」

「あの日から凄く聞きたかったんだけど、良いかな?」

「ん?なに?」

「くろのそのツインテールの髪留めって、魔法少女○○の髪留めに似てるんだけど・・・。」

「たぶん。そう。あっちの次元の神から貰った。あと服も。」


 そういうとくろは、寝室にあるクローゼットの奥から服を取り出してボクに見せた。


「ってこれって、○○の小学生編(第1期)の衣装じゃない!!」

「小学生・・・?」

「え~と。こちらの世界って、学校とか学園とかっていうのある?」

「ある。ヒト族の国と亜人族の国に。」

「ボクがいた世界というか国では義務教育というのがあってね・・・その義務教育の5才くらいから12才で学ぶ施設が小学校と呼ばれるモノなんだ。で、そこに通う5才くらいから12才の少年少女の事を小学生って呼ぶんだ。」

「ん~。こちらの世界では10才にならないと学園に通えないよ?」

「こっちで習う授業ってどんなの?」

「専攻によって違う。貴族の為の授業と、冒険者になる為の授業。」

「って事は識字とか難読識字とかって学園では習わないって事?」

「私達六女神の領地の言語は共通だよ。」

「じゃあ。具体的に、貴族とか冒険者が学園に入ってまで覚える事って何なの?」

「ちょっと待ってて。」


 くろはまた、寝室にあるクローゼットの奥をがさごそとした。

 前から思ってたんだけど、あのクローゼットの外から見た時の容量と、色々収納してるモノの分量と物理的に合わないんだけど、もしかして・・・アイテムボックス系の能力でも付加されてる?


「あった。ちょっと古いけど。」


 くろがクローゼットから取り出してきたモノを見せてもらった。ヒト族の国【ヒウマ国領】にあるヒウマル学園の資料を見せて貰った。


 貴族科で学ぶのは、貴族としての気品と素養(テーブルマナーとか身だしなみとか)で、識字率はかなり悪いて事が分かった。各女神領間での国家間での契約は原則女神が行うか、個々で行う場合、個々の主である女神を経由(仲介)した魔法を使った契約書を使って行う為、文字を覚えなくても口に出した言葉が全てらしい。って事は、有事の際の緊急の連絡は・・・え?女神間意思伝達通信・・・?ああ、女神間で行われる念話の事ね。


 冒険者科で学ぶのは、冒険者として依頼クエストに必要な知識(魔物の生態とか罠回避等)や、野宿する際に必要なサバイバル技術や探索技術など。【冒険者】は職業に属し、【剣士】だとか【魔導士】等といった職業はなく、同じ冒険者というカテゴリに含まれる。


 異世界ファンタジーモノっていえば、冒険者ギルドっていいたいけど、この世界に冒険者ギルドというモノは存在しない。いや、昔にはあったらしい。初代六女神がいた頃は。無くなった理由は単純で、人型人類の六領に、領土の外【混沌なる未知の大地】から襲来した魔物によって各陣営の人口が激減する程に淘汰されまくった為らしい。らしいらしいって言っているのは、先程述べた通り、識字というか文章として歴史を残さず、口伝の形で記録が残っている為だから。







 ちなみに・・・この魔王領には冒険者ギルドはおろか学園などといったモノは初めからない。魔人の生まれ方を考えたら分かると思うが・・・魔人は基本魔力溜まりから生まれてくる。しかもほぼ成体として。寿命もヒト族の数倍から数十倍と長く、わざわざ集中して(短期間で)学ばなくても長い年月と共に覚えたら良いだけだ。


 ・・・というよりも、魔人族の総数がボク自身を含んでたったの百人しかいないのに、ギルドも学校も不要でしょ。仮にどちらの施設を今からやるにしても、指導者だとか職員だとか運営者だとかの最低必要な人数も揃わないし、確保出来たとしたらボクを除く、魔人族の総数の内の99名から仮に運営側に10人を向けたら、残る冒険者なり貴族なりの残りが数十人しかいないって事になる。うん。物理的に無理だ。



 そうそう。気長に学ぶ魔人族って話なんだけど・・・・ボクの事はどうだ?って。ボクの場合はくろの唯一の眷属であり、転生系魔人族でこの世界の基礎知識がない事、くろの夫としての三点から、普通の魔人族と違って急ピッチで色々と覚えないといけない訳だ。




 ちょっと話は変わるけど、魔王領にあるという施設はどういうモノ(名物を一部書いて置く)があるのかというと・・・・。


 公衆温泉.....ただし、野風呂。魔法的な何かのお蔭で、汚れない不思議な温泉。はっきり言って全く無駄。温泉は、日本のお風呂と同じく、ほぼ全ての家にあるとの事。じゃあ、何の為の公衆温泉なのかって?他の女神とかその眷属が観光や商売目的に訪れた時に利用してもらう為。その為、利用状況は常時閑古鳥が巣作りしっぱなし。


 公衆トイレ....温泉のトイレ版。


 初代魔王の像.....初代魔王の魂が宿っているらしく、1年で3日だけ動き回るというホラー?なのか、イマイチ分からない像。魔王領観光名所の1つ。熱心にお祈りをすると、金運が上がるとか・・・。初代魔王なのに金運とか、謎。


 初代闇の女神の像.....初代魔王の像よりも数百年古いという像。魔王(略)には魂が宿っていると聞いたが、女神像はただの像。ちなみに二代目と現三代目の間には血縁はあるが、初代と二代目の間に血縁関係はない。二代目は初代の親友だったらしい。詳しい話を聞こうにも、現在、二代目は床に臥せており昔話に華を咲かせる余裕はない。


 魔王領お土産屋.....どこの公務員が考えたんだとツッコミを入れたくなる様な寂れたお土産屋さん。魔王領饅頭だとか、魔王領温泉たまごだとか...全く魔王とかに関係ないお土産が並ぶ。意外にお土産の食べ物の味は美味しい?!



説明回その2?

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