第6話 魔法のお勉強
お読み戴き有難うございます。
うむむ~。今ボクはくろから治癒魔法という魔法の基礎を学んでいる。ボクが持つスキルの多くは生活魔法というジャンルの魔法が殆どで、元は攻撃系の魔法だったモノを生活する上で必要になったモノを魔法という技術で生活の役に立つ様に変化させたモノ。生活魔法とはいえ、攻撃系魔法は取得しているのだけど、治癒関係の魔法についてはからっきしだったりする。一応、光魔法や水魔法もそこそこ使えても、攻撃系や補助系として使えても、回復として使えない事には効果が薄い。
「う~ん。光や水が治癒魔法として効果が高いのは何となく解った。効果が【高い】という概念があるって事は、地火風闇にも光や水程ではなくても治癒魔法に属する魔法があるって事だよね?」
「ん。闇は解呪と、魔力由来の回復。」
「魔力・・・由来?」
「四元素系は自然の力由来。光は生命力由来。」
「あれ? だけど、闇以外の四元素系も光も【魔法】っていうんだし、魔力を用いて回復するって事だよね? 魔力由来っていうのなら分かるけど、生命とか自然の力由来って矛盾してない?」
「治癒魔法の発動は魔力を使う。でも、回復量や回復度合いにはそれぞれにあったモノがいる。」
「そっか。うん。という事は竈で例えるなら・・・竈自体がボクで、薪と火が魔力で、水を沸かす為に必要な鍋が各属性に必要な自然の力だったり生命力だったり魔力だったりするって事だよね。」
「ん。ちょっと違う気もするけど、大体そう。」
くろの座学の授業を受けた後、例の如く、家の近くに生えている木を相手に治癒魔法の練習をしてみたら、以外にすんなりと覚える事が出来た。治癒魔法を覚えた事でステータス上の数値や称号等に変化はないが、各種魔法の命中精度が少し向上した様に感じる。
魔法について大事な事。それは構成創造力や魔力、思い。魔法使いモノでよくありがちな、長文詠唱は必要ではなく、『○○よ、△△せよ!』というのが詠唱にあたる。○○には各種属性魔法(四元、光、闇)が入り、△△には事象が含まれる。例えると、炎の玉を木にぶつけたい場合の詠唱は『炎よ、玉となりて目標を燃やせ』という様なモノになる。また、熟練度というか各魔法のLvが99に到達すると詠唱破棄という詠唱しなくても魔法が放てる様になる。・・・んだけど、日本の義務教育の理科で物質や事象の成り立ち(原子とか粒子の事)を学んだから、ぶっちゃけ『○○よ、△△せよ!』って詠唱しなくても魔法を使えたりするんだよね。
ただ、全く無詠唱で良いかというと、それも駄目だったりする。完全に単独で、魔物だとかを相手にしている時は詠唱しなくてもそれも良いけど、仲間がいる時は余裕がない危険な状況下なら未だしも、余裕が少しでもある時は仲間内で分かる様な適当な連想出来そうな名前を口に出す必要があったりする。治癒系の回復だとか、補助系の一部は気にしなくても良いけど、仲間がいる時でかつ連携の親密度が低い時の無詠唱って気を付けないと、フレンド・ファイヤー(味方に攻撃)になっちゃうし。
例えるなら、あっちの世界で一番有名な怪物を狩るゲームでいうとボウガン使いとか大剣使いとかハンマー使いの下手な人がするアレと同じ事。狂暴な怪物を相手にかつかつの状況下で味方を吹っ飛ばしたり、動きを阻害させたり・・・あれは未だゲームの世界の事だから、悪質な人でもない限り、きちんと謝れば良い話だけど、こっちの世界は全て現実の話だから、味方に誤射したら傷害とか殺人になる。
そういうのを起こさない為にも、攻撃系・補助系・治癒系のどれもきちんと学び、どういう状況下であっても敵以外にあてない様にしっかりと身に着ける必要がある。
そういう訳で、ボクは毎日数時間、くろに頼みこんで魔法の勉強を見てもらってるという訳。勿論、これと並行して剣術だとか体術だとかも特訓してる。
先ず、最初に終えないといけない課題・・・・せめて森に棲む魔獣とか獰猛な野生動物を食材として討つぐらいの力と知識を手に入れないといけない。
ほぼ、魔法理論というか魔法のお勉強という回。
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世界設定とか別にやるっていう話→物語の根幹に関わるある条件をクリア又はフラグを踏んだりしたら追記(解放)という形で載せます。