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第4話 

お読み戴き有難うございます!

 くろさんから渡されたモノを受け取ると、スキルの確認を行った。


 ・・・・・・・・。


 一通り読み終えた後、ボクはくろさんに告げた。


 __この初期スキルって、今取得せずに後で必要になった時に取得するって事は出来ないのでしょうか?


『・・・む・・・り・・・』


 __う~~~ん。では、この初期スキルを全く取得せずに、その他のモノを下さいって言ったら駄目でしょうか?


『・・・・可・・・能・・・。・・・何・・が・・・欲し・・い・・?』


 __例えばですが。くろさんを嫁に欲しいって言ったら・・・・・・・って駄目ですよね。


『・・・・・・・・』

『・・・私・・・で・・良い・・・の・・・?』


__えっ? 良いの? 良いのなら是非お願いします。くろさん、ボクの好みのドストライクなんですよ。


『・・・は・・い・・・お願・・い・・します。』


 冗談半分、本気半分で言った嫁発言にまさかOKの返事を貰えるとは嬉しいです。ちょっとむかつくけど、死んだ甲斐がありました。あっちの世界の彼女に裏切られ、友人と思っていたカスに刺されて殺されたけど、くろさんというドストライク級の可愛い嫁が出来た事に、運命に感謝。あいつらには、全く感謝出来んけど。



 __そういえば、くろさんに聞きたかったんですけど、ボクのステータスの【魔人】という種族の事と、この世界の事、それから【年齢0才】という表記の事について教えてもらえませんか?



 体感時間で1~2時間くらい経過したでしょうか。くろさんに聞いた話を纏めてみました。


 先ず、【魔人】というのは闇を司る女神の眷属になった者は強制でこの種族になる様です。魔人の生まれ方というのが、大きく分けて二通りのパターンがあるらしく、魔力溜まりと呼ばれる自然発生の瘴気の泉からカビや藻の如く生まれてくるというのがあり、このパターンに該当する者(ボクの場合は特殊で違います)が魔人族の中で一番多く、もう一つのパターンはヒト族と同じ交尾→妊娠→出産という増え方もあります。ただ、前者は自然発生型の為、年齢が0才であってもほぼ大人の体格で生まれてくるのに対し、後者はヒトと文字通り同じ為、闇の女神が守護する国の生活基準では、出産率よりも成長率が物凄く低いらしいです。



 世界ですが、魔人族がいる国の名前は魔王領といって魔王が治めていたらしいのですが、流行り病い(症状を聞くに肺炎か肺がんのどちらか。たぶん)を患って去年、亡くなったそうです。また魔人族の人口についてなんですが、こちらの世界にもインフルエンザと似た風邪類があるらしく、魔王の加護が受けられずにばったばったと亡くなり、ボクを含んで100人足らずしかいないそうです。


 種族においては、闇の女神が率いる【魔人族】の他に、光の女神が率いる【ヒト族】、風と水の女神が率いる【精霊族】、火の女神が率いる【魔岩族】、地の女神が率いる【亜人族】がいるらしい。ファンタジーモノで有名なエルフは精霊族に対し、ドワーフは亜人族に入るとの事。これらは生命の在り方と生まれ方によって区分けされているという事らしいです。


 あ、ちなみに。くろさんが話す時に、言葉と言葉の間が空くのは他の人(ここでいう人というのは六柱の女神の眷属全員を表すのに[人]と言い、ヒト族は[ヒト]と表記します)と話したのが数年ぶりらしく、人と話すのに緊張して喋りにくい為だと。


 それと【魔岩族】というのは、ゴーレムやホルムンクルスといった人型に近い人工生命体が長い年月をとして、個々の精神というか自我を持つに至り、人の仲間となったのが始まりとされる種族との事です。




  世界の事も聞いたのですが、この世界に世界地図と呼ばれるモノはないらしく、基本、地図というと迷宮ラヴィリンスやダンジョン、各女神の領地の地図だけなんだと。その為、くろさん含む六女神であっても、彼女らの領地の外、未開の地に関しては余り詳しくはないとの事。


 相対する属性、水なら火、風なら地、光なら闇の相対属性であっても、この六女神間の仲は良く、決して戦争をしたり憎しみあったりする関係ではなく、逆に助け合い、共存するといった関係にあるとの事。六女神の領土以外での関係としては、未開の地から数か月置きに侵攻してくる魔物(魔人族とは無関係)から守りあう関係との事。だから、闇の女神の眷属になるって決めた時に攻撃的な意思がとんでこなかった。よくあるファンタジーモノってジャンルの光属性と闇属性持ちって、殺し合いする程、憎しみあっているのに、この世界においての属性の違いは些細な事って認識なのかも知れない。



 __あ~~と。くろさんって呼んでいたけど、くろ様または闇の女神様って呼んだ方が良いのでしょうか?


『・・・く・・ろ・・・って・・・呼び・・・捨て・・に・・して・・欲し・・い。』


 __はい。分かりました。これからは『くろ』って呼ばさせて戴きます。ボクの事は、強兵きょうへいって呼んで下さい。


『・・ん・・・。』









 二人で寄り添う様に、この空間を後にした。


 これから向かうのは、魔王領の西にある小島。そこにくろの住む家があるらしく、先ずはその周辺で最低でも1年は色々と頑張らないといけない。ボク自身の肉体の強化に、こちらの世界での一般常識の勉強、くろを支えていく為に眷属として覚えていかないといけない知識など覚える事は山ほどある。

 それに、眷属としてだけでなく、嫁になってくれたくろの旦那としての振る舞いや知識も急ピッチで覚えていかないといけない。

 これらは全て、出来ないと泣き言をいう暇も権利もボクにはない。ただの眷属としてなら、ゆっくり気長でも覚えていけば良いのだが、ボクはくろを嫁にしたいと言い、それをくろが受け入れた。だからこそ、ボクは彼女を支えられる存在にならないといけない。それこそ、寝る間をおしんででも・・・。

これで序章は終わりです。次から第1章を書いていきます。

前話のステータスの事でお伝えしておかないといけない事を書き忘れていたのでここで補充しておきます。強兵の攻撃力等は魔人族としては最弱に値します。自然発生型(0才で成人体型を持つ魔人)の0才時の最低平均は1500です。技量は500前後です。

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