第2話
お読み戴き有難うございます。
今回は更新が遅れたのでいつもよりやや長文となってます。
次元を超える為のゲートと呼ばれる扉から入ったのはいいのだが、通常、ラノベやゲームでは[ゲート]って一瞬で目的地に着く魔法の一種だと昔読んだ作品から記憶しているのだが、違ったみたいだ。例えるならば、日本の某大手ゲーム会社のオンラインゲームの鯖ログインからロビーに着くまでのロード画面を歩いている気分になってくる。
___次元の神の言い方では異次元にある異世界へ送るって感じだったはずなんだが・・・。
体感時間にして二十分ほど歩くと前方に、先程入った扉とは別の色をした扉を見つけた。地球が存在する次元の神の扉は虹色に輝いていたのだが、この扉は何色とは言い表せない程、複雑な色合いをしていた。無理矢理、色に当てはめるのなら、混沌色?と呼べば良いのだろうか。分かり易くいうのなら、美術の時間に使った絵具セットの何度か筆を洗った後の水の色といえばいいだろうか。
ただ、はっきりと分かる事はこの扉を開ける事を躊躇してしまう事だろう。だが、たぶんこの扉が目的の扉なんだろうと思う。生前のボクであったなら、確実に回れ右をし、次元の神に詰め寄ったであろうが、今のボクは死んでいるし、何故か心の奥底から大丈夫だという気持ちがあふれてくる。
気持ちに突き動かされるまま、ボクは混沌色の扉の取っ手に指をかけ、扉を力いっぱい押した。
扉の先には地球では決してお目にかかれぬ程、綺麗でかつ爽やかになる様な、神秘性に包まれた草原が広がっていた。その草原の中、扉から数十歩歩いた所に、外見の若い女の子が七名豪華な彩色のされた椅子に座ってこちらをみていた。
たぶん。彼女らが地球次元の神が言っていた、異世界の神かその眷属なのだと思う。
『初めまして。あなたが地球から送られて来た子ね。』
七名の一番左側の椅子に座る、金髪で髪の長いやたらと神々しい女の子が聞いてきた。
__初めまして。次元の神からこちらに行く様に頼まれた、柴田強兵といいます。
『これはこれはご丁寧に。私はこの世界で光を司るシャオロットといいます』
『次は私ね。私は火を司るイフリーよ。よろしくね。強兵君。』
『水を司るウンディ・・・。』
『きゃは☆ボクはね。風を司ってるシルフィンよ☆よろしくねん☆』
『地を司るドゥーフじゃ。』
『・・・・闇・・・くろ・・・。』
金髪で髪の長いやたらと神々しい女の子は光を司るシャロット、赤髪で巨乳なお姉様って感じなのが火を司るイフリー、青い髪でクールな感じの女の子がウンディ、緑色の髪でやたら元気そうな幼女が風を司るシルフィン、茶髪で背の低い爺喋りな女の子が地を司るドゥーフ、で黒髪黒目で大人しそうというか無口?ぽいのが闇を司るくろという名前らしい。
__で。ボクがこちらに呼ばれた理由を教えて下さい。
『私が話すわね。柴田強兵君がこちらに召喚された理由は、あなたに私達六人の内の誰かの眷属になって貰いたいのよ。』
__眷属・・・? ですか?
『眷属というのはの、わしら六属性を司る女神の専属の配下になるっということじゃ。』
__配下ですか? ですが、ボクにはあなたたちが欲するような特殊な能力はありませんが?
『私達は何かに特出した者を欲しているわけではありませんよ。私達が欲しているのは、地球にいた魂の輝きを持つ者が私達の中の誰でも良いから属して欲しいのよ。』
__それだけの為にボクはこちらへ呼ばれたの・・・ですか・・・?
『う~ん。簡単にゆーと、そうだよ☆』
__・・・・。
『納得して下さいましたか。なら、あなたにはこの私達六人の中から誰の眷属になるのかをお選び下さい。お選び戴けたら、各女神があなたへ加護とスキルを授けましょう。』
『よ~く考えるのじゃ。わしらの誰の眷属となるのか。一度眷属となったら他の眷属に鞍替えは出来んのじゃ。』
『ボクの所へおいでよ☆ボクん所に来たら、【索敵系】と【素早さ系】のスキルをあげるよ☆』
『こら。公平にする為に誰がどの加護やスキルを授けるかは教えぬ約束じゃったじゃろ。』
__公平?
『うむ。シルフィンのバカめが漏らしたから仕方ないが、わしらのどの眷属となるかによって、お主に授けてやれるスキルの方向性や数が異なるのじゃ。』
『スキルの方向性というのは、それぞれ誰の眷属になるかによって、どのスキルが伸びやすいか特徴があるのよ。まあ、守秘義務というのがあってどの眷属になると、どのスキル系統が伸びやすいかは教えられないことになってるの。』
『そしてあなたに最初に授けられるスキルの数にもばらつきがあってね。』
__ばらつき? ってことは、誰の眷属になるかによって、他の眷属よりも初期から手に入るスキルに多い少ないって事があるって事ですか?
『これは守秘義務に含まれてないからぶっちゃけるとじゃな。わしらの中で一番スキルをお主に授けられるのはシャオロットじゃ。次にイフリー。三番目がウンディ。四番目がシルフィン。五番目がわしじゃ。そして一番授けられる数の少ないのはくろじゃ。』
__公平って先程聞いたと思うんですが?
『うむ。公平なんじゃがの。このスキルを授けられる数の量は、わしらの抱える眷属の数に比例しとるんじゃ。』
__って事は、シャオロットさんの眷属が一番多くて、逆にくろさんの眷属が一番少ないって事ですか?
『うん☆』
__先に一つ聞いておきたいのですが?眷属の鞍替えが出来ないって事は、各スキルはその眷属の専用って事になるのでしょうか?
『いい所に気付いたわね。その答えはノーよ。ただ、最初から入手出来るスキルの数が多いってだけで、頑張ればどのスキルでも覚える事は可能よ。』
__う~~~~~ん。これって聞いても良いのか分かりませんが、【限界突破】ってスキルを手に入れ易い女神様はどなたでしょうか?
『限界突破はわしらの誰でもつける事は出来ん。何故なら、もう既にお主はこのスキルを入手しとるからの。』
__えっ? どういう事ですか? 次元の神様から戴いたのは【異世界言語完全習得】と【アイテムボックスと呼ばれる収納能力】の二つのはずなんですが。
『限界突破はね。あなたはゲートを経由してここに辿り着いたわよね? するとあなたには【異世界人】と呼ばれる称号とそれに関与するスキルが同時に与えられるのよ。まあ所謂、【異世界人補正】っていうのよ。』
__異世界人補正ですか?
『今は未だ見られないけど、私達の誰かの眷属になったら、ステータスと心の中で念じてみてね。あなたのステータスを見る事が出来るから。』
『そろそろ、良いかしら?』
__はい。決まりました。ボクが眷属となるのは・・・・・・・・。
夏バテから復帰したと思ったら、雷雨が更新を拒み、少し遅くなってしまいました。この時期は雷の頻度が多くてキツイです。次回更新も少し遅れるかも・・・。