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鳥葬の山と、輪廻転生。

明治時代に日本人として始めてチベットを訪れた河口 慧海かわぐちえかいという僧が修行したセラ寺。


その後方に木々も生えていない小山があります。


その頂上で鳥葬を行なってるとの情報を得て、私は行ってみることにしました。


が。


途中、山道にはサソリ! が出るとのこと。


(ひゃあ、おっかねえなあ)


とか思いつつ、私は山道を(といっても、道などないのですが)

この頃は、とにかく無敵だと思ってましたので、恐れるものなど何一つなかったのです。



と。



一人の西洋人が上から降りてきまして、

「だめだ。スコーピオンがいる」



ふと見ると、いるんですよ。

サソリ君が。



それでも、私は行くか退くか迷いました。



すると、いつのまにか、そこにいた?僧侶に肩をつかまれたのです。

「よせ」とばかりに首を左右に振っている。



これはもうしかたない。

残念でしたが、あきらめることにしました。


ですが、後日再挑戦しましたw それはまた次の機会に。





帰り際、セラ寺の裏手にある広場で、何十人もの少年僧が柏手を打ちながら、不思議なリズムに乗って何やら楽しげに語り合っている光景を目にしました。


禅問答のような内容だそうで、このときはチベット語がわからず後悔しましたね。


チベットのラマ教には二大勢力があって、有名なダライ・ラマが属するゲルク派。


そしてニンマ派。他にも幾つかあるそうです。



チベット密教の元祖とされるインドの行者パドマサンヴァという人が、行く手を阻む魔神を次々と調伏し、守り神へと換えていきました。


大変な呪力の持ち主であったらしいです。


これらのくだり、実に長いので相当にはしょりますが、とにかくパドマサンヴァの流れを汲むのがニンマ派と頭に入れておいてください。




ニンマ派には面白い話があって、埋蔵経典テルマ)を地中やら池の中に隠し、それを掘り起こしたものが、パドマサンヴァの直系弟子、あるいは転生者だと認められるのです。


試験官が掘り起こしたものに対して、幾つかの質問をします。


それに答えられると、本物だと認められるのです。


たとえ、子供であろうとです。


冷静に考えると、子供が答えられる程度なのか? とも思いますが、この辺、とにかく怪しいです。




このテルマにはパドマサンヴァが会得したとされる、いわゆる神通力を得る教えが記されているとのことで、当然それを習得すれば、無敵にも思えますよね。


まあ、眉唾物だと思いますが、本来の仏教目指すものは最終的には輪廻転生の鎖から抜け出すこと――つまり解脱なわけですが、チベットの場合はどうかというと、輪廻の悪循環から抜け出せないなら、よりよい転生をしてやろうじゃん! といったふうに、変化させていきます。


結局、一度頂点にたってしまったゲルク派が、死んでも生まれ変わってこの世に君臨してやるぞ! という風に政治色が強くなってしまった。




ちょっと、方向がそれたので戻しますが、転生を最高の形のもっていくための秘儀が転移瞑想法(オウムで有名になった呼吸を止めるやつ)と、

もうひとつが、タントラ(性奥義)です。


ぶっちゃけた話、何かしらの理由をつけては、「結局やりたい」のが男の性分なのでしょうか?(笑)


秘密を体得する目的と称して、そう昔でもない時期まで行われていたらしい淫靡な世界。


真言立川流のルーツかもしれませんね。




「空」即ち「無」であるが、それを悟ったあとに転生して虚しくはないのか?


ちなみにチベット密教では訓練したもののみ、転生できることになっています。





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