ただいま
短くてごめんなさい。
悪魔がどんどん京都に押し寄せているのが気配から分かる。
血の臭いや殺気が濃くなっている。ここはもう直ぐ地獄絵のような姿になるだろう。すごい人数の悪魔…。せめてお世話になった新撰組だけでも救おう。
伸びた髪を肩に付くか付かないかの所で切る。
切れた髪ははらりと弧を描きながら土の上に落ちた。落ちた髪は闇となって消えた。
「凛、私は新撰組の皆を守ろうと思う。だから、私は新撰組の元へ行きたい。連れて行って」
凛はぱふんっと尾を地面に叩きつけた。これは了解の印。翼を羽ばたかせ、凛の上に乗る。猛スピードで走夜だからか風が冷たく感じる。
「ねぇ、凛は新撰組の場所、知っているのー?」
声を大にして喋る。
「うん。匂いが分かるから大丈夫だよー」
流石犬…いや、狼だな。
「うわぁぁぁああ!!妖怪だぁ、副長ぉぉおおお」
「俺だよー」
気付いて貰えるように手を大きく振る。
男は首を傾げた。そして顔をしかめている。どうやら思い出せていないようだ。
だだだだ!!
慌ただしい大きな足音が聞こえてくる。この足音の持ち主は────
「おい、大丈夫か!?なんだこのでかい狼はっっ?慧美?慧美だよな?」
土方は相変わらず声がでかい。
「うん。ただいまー」
ひらひらと軽く手をふる




