報道陣を味方に。
この間は投稿する場所を間違えてしまい、ごめんなさい。
沢山の記者を家に集めて会見を開いた。
呼んでもいない記者もいる。でも、それをわざわざ指摘などしない。だってその方が人数を確保できるから良いのだ。
このざわざわと騒がしかったが私が会場に入るとざわめきはぴたりと止んだ。
今の私はワインレッド色のドレスを着ている。今までは真っ白のふんわりとしたワンピースが多かった。けれど今回は、悪役を感じさせるような背中のがばっと開いたセクシーなドレス。そして真っ赤な唇。
そして表情。今までは気の弱いお淑やかなお嬢様だったが、今は全ての上に立つ女王のような冷たく、そして強さが目には映されていた。
誰が見ても恐怖を感じずにはいられない。
「御機嫌よう、皆様。本日はお忙しい中、お集まり頂き、有り難う御座います。」
パシャパシャ
焦りを感じるようなカメラ音が次から次へと鳴る。
「皆様はこの桜院財閥がどのように大きくなったか、ご存知ですか?」
誰かが小さく金…。呟いた。その声を私は勿論拾った。
「いいえ。金よりも、もっと残酷で悲しい方法。何故、桜院財閥が大きくなるごとに邪魔だった会社の重要人物が消えてしまうのか?」
「人殺し…!!いくら親の会社を大きくさせたいからって、そんなやり方で親が喜ぶはずかない。むしろ評判を落とすだけだ!!」
正義感の溢れる記者なのだろう。
人を殺したと聞いて顔を赤くさせ怒っている。
でも、彼は自分の立ち位置を分かっていない。私の方が地位は上だ。そして私は自分の手で彼を殺せる。
「ええ。確かに私は人を殺したわ。」
「早く自首した方が良い。その方が罪は軽くなるからね。なぁ、誰に頼んだんだ?
暗殺業者の誰だ?」
『誰なんですか?』
他の記者も気になっているのだろう。
あちらこちらにから聞こえる。
「私は人も殺せないようなお嬢様だと思っているの?とんだ愚問ね。私は人を殺したと言ったのよ?誰に頼んだんだなんて言っていない。私はこの手で殺したの。両親の命令で」
「あははは。とても面白い冗談ですね。」
会場は笑いに包まれる。
そんな事、予想内だ。
そんな人の顔を恐怖で歪めさせるのだ。そんな事は簡単。
一番前の若い記者を捕まえる。そしてひたりとナイフを首もとに当てる。すると若い記者は私の腕を掴み、投げ飛ばそうとする。しかし、わたしは投げ飛ばす気満々の腕を掴み彼の背中でかためる。
「これでも冗談だと思う?」
会場はシーンと静かになる。
「昔話をしましょうか。私はあの男、いえお父様と小百合という名前のお母さんと結婚した。恋愛結婚だった。
お母さんはお父様を深く深く愛していた。けれどお父様のお母さんへの愛はすぐに他の女へと移り変わってしまった。それが今のお母様。
お父様とお母様のお互いに愛している所は顔。美しい自分に釣り合うと思っているから。
お父様とお母様はもっと贅沢な暮らしをしたいと考えていてライバル会社の社長が邪魔。だから殺したいと思っていた。
だからお母さんの元にいた私はお母様とお父様の下へと連れて行かれた。本当は行きたくなかった。けれどお母さんを人質にされてしまったから行くしか無かった。
それから私は12年間、人を殺し続けた…殺したくなどないのに…こんな会社はあってはいけないと思うの。だからこの会社を潰したい!!」
最後に嘘泣きをする。同情心を煽るために。
「ずいぶん辛い思いをしていたのですね。分かりました。私で良ければ力を貸しましょう。」
「あ、有り難う御座います。お願いします」
あとは桜院財閥の悪い情報が流れ、徐々に衰退していくだけだ。