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林檎  作者: 裏夏
9/10

日直

早足で林檎を引っ張りながらも学校に着いた。

靴箱のところまで連れて行き、そこで林檎の手を離した。

林檎はずっと俯いたまま動かない。

「林檎…その…さっきのは気にしなくていいんだぞ」

「…」

何も答えないし何も反応がない。

僕は靴を履き替えた。

「…先に行っとくけど、大丈夫か…?」

「…ん」

消え入りそうな声が返ってきた。

2度くらい林檎を見てみたが、ついてくる様子はなかったので僕は1人で教室へ向かった。


教室に入り自分の席へと向かっている途中。

「おはよう」

桃山さんに声を掛けられた。


「あ、おはよう桃山さん。」

「…林檎ちゃんは?」

「あぁ…」

さっきの出来事を言おうとして、

止めた。

「…少し体調が悪いみたいでな。多分もうすぐ来ると思う。」

「そう…」

桃山さんは心配そうに林檎の席を見つめていた。

「林檎ちゃん、今日日直なんだけど…無理かしらね?」

「え、あ、そうなのか?」

林檎が今日、日直だということを僕は初めて知った。

「ねぇ」

「…何?」

「林檎ちゃんの代わりに日直、頼まれてくれない?」

「は?」

さすがに驚いた、と同時に面倒くささで

「ごめんだけど他をあたってくれ」

キッパリと断った。

だが…

「林檎ちゃん体調が悪いのを知ってるの、君だけでしょ?」

「え…だからってなんで?桃山さん、委員長だし林檎とも仲良いんだろ?じゃあ、僕じゃなくて桃山さんがー

「私は委員長だから他にやることがあるの」

僕の意見はキッパリバッサリと切られてしまった。

「はぁ…わかったよ」

渋々、僕は職員室に向かうことにした。

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