人生の嫌な所
2人だけの部活をした、その次の日の朝のことだった。
「おはよう!」
林檎と登校していると後ろから声をかけられた。
「あ…おは、よ」
林檎は、目線を下げてそう言った。
「何~?ちゃんとこっち向いてよぉ?…ねぇ?林檎ちゃん?」
にこりと笑うのは、同じクラスでギャルっぽい存在の女子。
数名同じようなギャルっぽいのを連れて登校している。
「あぁ、おはよう。えっと…」
僕は名前を忘れてしまい、戸惑っていると
「椎奈【しいな】ですけどぉ」
と怒りぎみに言われた。
「あぁ、ごめん。そうだった。」
それで終わらせようと思ったが、駄目だった。
「っていうかぁ。」
「…?」
「なんであんたら、一緒に登校してるわけぇ?付き合ってんの?」
「え…」
僕は少し戸惑ったが、林檎は慌てて言い返した。
「ち、違っー「え~、でも…ねぇ?」
クスクス
「まぁどーでもいいけど。地味なあんたらが付き合ってようが無かろうが、どーでもいいしぃ?」
「っ」
林檎が怒ってる。ヤバイ。
「ねぇ椎奈。特にさぁ…」
「え?何ぃ?」
仲間の一人が何かこそこそと耳打ちをしている。
なんだ…?
「あっはははっ!!」
!?
急に椎奈とか言う奴が笑い出した。
「林檎ちゃん、面白い事言ったげるぅ」
「な、何よ…」
「あんたが一番地味っ!!」
きゃははははっ!!クスクス あはははっ!!
「林檎、気にすんなよ。…もう行くぞ」
林檎の手を引いた。
林檎の手がやけに
冷たく感じた。