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林檎  作者: 裏夏
4/10

桃山さん

学校に着くと、林檎はもう席について今日提出の宿題を必死にしていた。


林檎の席と僕の席は、隣である。

僕が窓側でその横が林檎だ。

後ろから二列目なので、寝ててもギリギリセーフかアウトの席だ


「林檎」

「……ん」

「さっきは、悪かったよ」

林檎は僕の顔を見なかった。

「う、ん。」

ただそう言うと、止まっていたペンが動き始めた。


重いカバンを机に置く。

「重そーだね、持ってもいい?」

「!?」

あまりに唐突に声がするもんだから驚いてしまった。

横を見ると林檎…ではなく、ここのクラスの委員長。

桃山さんが立っていた。


「あ、桃山さん。…おはよう」

「おはよう。」

桃山さんはそういうとチャームポイントの黒ぶち眼鏡をクイッと上げてみせた。

「置き勉、してないの?」

「え?あ、あぁ。」

置き勉とは、学校に教科書やノートを置いて、カバンを軽くして帰ることができ、その次の日も軽いカバンで登校ができる、と僕は解釈している。


「うーん…。なんか、物とか取られるとかあったら嫌だな…とか思ってさ。」

「そっか。偉いね。」

「え?桃山さんはしてるの?」

桃山さんの黒い髪がサラリと風に吹かれ、乱れる。

「うん。だって私の家遠いからさぁ、重いと肩、痛くなってくるんだもん。」

「まぁ、たしかにね。」

「でしょ?ならすればいいのにー

「ねぇちょっと!」

『ガタンっ!!!』

と、そこで桃山さんとの会話が途切れた。

原因は

「どうかしたの?

林檎ちゃん?」

林檎だった。

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