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林檎  作者: 裏夏
3/10

手と手

『ピンポーン』


クリーム色の林檎の家のチャイムを慣れた手つきで鳴らす。


「はーい、あら?」

「おはようございます。」

林檎のお母さんだ。

「どうしたー

『バタバタッ……バンッ!!』


閉まりかけたドアが勢い余って開いた。


「あ、林檎ちゃん」

「お母さん、行ってきますっ!!」

林檎はお母さんの声を遮るように、大きい声で挨拶をして、僕の横についた。


「あ、じゃあ…」

僕も林檎のお母さんに、挨拶をしようとしたが「行くよ」と林檎が手を引くので、小さく頭を下げてその場を、あとにした。


サッサと歩く林檎に手を引かれつつ、学校へ行く。


「あの…」

「……」

「林…檎?」

「何っ!?」


いきなり止まるのでびっくりした。

少し僕はよろける。


「お、怒こってるの…?」

「……別に。」


ぶすっとした顔で目を合わされる。

なんだよ。


「どうしたの?」

「…お母さんが」

「ん?」


「お母さんが先に出たから、お母さん、誤解…したかも」


小さくそう呟いた。


「誤解?どういう意味…?」

焦り気味で言うと、林檎はハァ?という顔で睨んできた。

だが数秒後、はぁ。と溜め息が林檎の口から漏れた。


「もぅいい。行くよ。」

『グイッ』


なんだろう?誤解って


「っていうか、林檎。」

「今度は何よ」

「いい加減…手、放してくれない?」

「っ!!!」

『バッ!』


勢いよく手を放される。

林檎の顔がまた、紅い。


「顔、紅いよ?」

「うるさい、見ない、でっ」


そう言うと林檎は、僕を置いて一人学校へ向かって走って行ってしまった。

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