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旗を掲げよう

作者: 綴 詠士
掲載日:2026/04/18

「旗を掲げよう」

 そう、ロドアが言った。

 だから俺たちの新しい街に旗を掲げることにした。

 街の中心の広場に青い旗が掲げられた。

 帝国から逃げのびてたどり着いた地。ここに高々と掲げられた青い旗。

 それが俺たちの誇りだった。

 だけど今はもう何もかもが無くなってしまった。


 ***

 

「……」

 廃墟。

 それが目の前に広がっている。

 家だったものたちが真っ黒になり、崩れ落ちている。

 燃え残った物にも砂埃が積もっていて、風に舞うと思わずむせてしまう。

 皆で建てた街の面影はどこにもない。

 広場にあったはずの青い旗は、真っ黒なただの燃え跡になっていた。

「おーい! 皆! 戻ってきたぞ! ……はあ」

 声は空しく散っていった。返事なんてあるわけもない。

 俺は一人でやってきていた。

 帝国軍の襲撃があって、そこから逃げのびて。

 ずっと旅をしていた。

 そして旅をした果てにここに戻ってきた。

 誰の姿もない。

 当然だ。

 誰の姿もないのは当然だった。

 大勢が死んだ。

 ロドアは捕らえられ、処刑された。

 隣国の王国で見た新聞。そこには処刑を映した写真が載っていた。

 もうここには何もない。

「なんの意味もなかったんだな」

 俺は地面に座り込んだ。

 土で汚れるが気にすることもない。

 今更そんなもの気にしてどうするという感じだ。

 結局、どうすればよかったのだろう。

 あの日からずっとそんなことを考えている。

 青く美しい未来を望んでた。だけどそうはいかなかった。




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