表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オカルト部を立ち上げた結果、押しかけ幽霊ヒロインとの同居生活が始まりました  作者: 秋川悠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/18

変人教師の話

 同好会の顧問に適任な先生がいないかを考えていると、何かを思い出したのか、直哉が指を鳴らした。


「適任なやついるじゃんか! 相沢先生! 歴史の授業担当してる人!」


 いきなり名前を出されて、思考が一瞬停止した。


「......相沢って、相沢真帆先生のことか?」


「そうそう! なんかテキトーなところありそうじゃん! あの人!」


 褒めているのか、けなしてるのか。ただ、直哉の言い分も分からなくはない気がした。相沢先生の授業は、分かりにくいことは無いのだが、特別分かりやすい訳でもないイメージだが、初回の授業で先生が言い放った一言は今でも印象に残っている。


 一年間の授業要項についてまとめられたプリントを配り終えた後、相沢先生は俺たちにこう言ったのだ。


『歴史なんて勉強しても社会で一ミリも使わない。だから勉強する理由は各々で作って』


 衝撃的だった。初回の授業でこんなこと言う先生がいるのかと。


「あの人が同好会の顧問なんて引き受けてくれるのか?」


「そこは説得するんだよ!」


 直哉は当たり前のように言うが、その”説得”が一番難しいんだろうが。


「顧問っていっても、名前貸しだけじゃ済まないんだぞ。書類の申請やら、何かあったときの責任やら、色々あるし」


「分かってるって。だからさ、口出ししない代わりに、最低限だけ見てくれればいいですー、みたいな感じで」


 それをそのまま口にしたら即却下だろ。


 俺はもう一度、相沢先生の姿を思い浮かべる。

 プリントを雑に配り、板書も最低限。

 少しガサツな部分はあるが、淡々とした口調で、余計なことは言わない。


『勉強する理由は各々で作って』


 その言葉は、突き放しているようで、妙に誠実で的を得ている気がした。


 強制もしないし、止めもしない、ただ、丸投げするようなニュアンスでもなかった。


「あの人、たぶん説得しても意味ない気がしてきた」


「は? どういうこと?」


「やるかやらないかは、こっちの話を聞いてから決めるタイプだ」


 直哉は一瞬ぽかんとした顔をしたあと、にやりと笑った。


「じゃあ尚更いいじゃん」


「え、なにがお前をそう思わせた......?」


「いや、だってちゃんと話を聞いてくれるってことだろ? 土俵に立たせることができたらこっちのもんだろ?」


 相変わらず、コイツの自信はどこから出てくるんだ?

 まぁ、頭ごなしに否定されるよりはマシか。


「まあ、ダメならダメで諦めて別の先生探せばいいし、聞くだけ聞こうぜ!」


 軽い口調だったが、その言葉は珍しく筋が通っていた。


「......放課後な」


 俺がそういうと、直哉は満足そうに頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ