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オカルト部を立ち上げた結果、押しかけ幽霊ヒロインとの同居生活が始まりました  作者: 秋川悠


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同好会の作り方が分からん

 電車に揺られながら、俺はぼんやりと窓の外を眺めていた。

 いつもより早く起きたせいか、少しだけ寝不足かもしれない。だけど、久々に誰かと朝食を食べたからなのか、妙にソワソワしている感じもした。まぁ、昨日は色々あったから、そのせいかもしれないな。


 そのとき、ポケットでスマホが震えた。


 画面を見ると、LINEの通知が表示されていた。


 差出人は......かなえだった。


 俺はLINEアプリを開いて、メッセージを確認する。


『祝! 初LINE! 初メッセ-ジ!』


 なんだこの中身の無いメッセージは。


 俺はテキトーに既読をつけて、再びポケットにスマホをしまうが、再びスマホが振動する。


 画面を見ると......またかなえだ。


『ねぇ! なんで返信してくれないの!? スタンプだけでも送ってよ!』


 なんだこいつ......。まだ既読つけて一分も経ってないぞ。しかもすげー面倒くさい内容だな。


 俺はため息をつきながら、適当にウサギが手を振ってるスタンプを返しておいた。


 すると、すぐにまたバイブ音。どんだけ連投してくるんだこいつは。朝のLINEにしてはカロリー高すぎないか?


『スタンプだ! これ有料のやつかな!? わたしも使いたいんだけど!』


 知らん。たぶん何かのドリンクを買ったときに付いてきたスタンプだった気がするが、定かではない。


 とんでもなく生産性の無い会話が繰り広げられている。かなえにスマホを渡すんじゃなかった......。



 駅に着くと、いつも通りの通勤ラッシュ。だったが、護符を持ってるせいか、やはりいつもより人が多く見える。


 駅を出て、高校へ向けて歩いていたそのとき、


「蓮! おはようさ~ん!」


 勢いよく背中を叩かれ、前につんのめった。振り返ると、能天気の権化、直哉がニコニコ笑って立っていた。


「あいよ、おはようさん」


 朝から無駄にテンションの高い直哉に、俺はテキトーに挨拶をしておく。


「相変わらずテンション低いな~。あ! そういえば、オカルト部入る気になった?」


 あぁ、そんな話もしてたな。かなえの件もあったせいか、すっかり忘れていた。

 

 正直、この話に乗るのはアリだと思っている。ある程度オカルトに精通すれば、かなえの過去について何かしらの手掛かりを掴める可能性があるわけだ。それに、理人も入部するとなると、そこから情報を得られるかもしれない。


「どうする? 入る? 入っちまうか?」


「じゃあ、仮入部で」


「仮入部ってなんだよ!」


「まぁ、前向きには考えてるって事だよ。それにお前、部とか同好会を設立するための条件とかって把握してんの?」


「いや? 全く知らん」


 だと思った。霊感も無いのにオカルト部を作ろうと言い出した時点で分かっていたが、あまりにも突っ走りすぎだろこいつ。


 そういえば、生徒手帳の中に”部の設立”に関することが書かれていた気がする。


 俺は生徒手帳をブレザーの胸ポケットから取り出して、該当するページをパラパラと探す。


「あった......ここだな」


「お!? 有能じゃん、蓮!」


「お前が無能すぎるだけだ」


 俺は軽くため息をつきながら、生徒手帳に書かれている内容を読み上げる。


「えーっと、正式な部として認められるには、部員五名以上が必要。同好会の場合は二名以上。設立には活動計画書の提出が必要で、担当の教員が一人顧問として必要......か」


「はい来た! 余裕じゃん!」


「その自信はどこから生まれるんだよ。てかお前、活動計画書とか書けるのか? 割としっかりした内容じゃないと通らない気がするんだが」


「書けるに決まってんだろ? オカルトを追求し、幽霊を友達にする! 気づいたか? 俺はあえて友達にするっていったんだ! 幽霊を彼女にするって言っちまうと下心丸出しで却下されるかもしれねーから。 こうやって機転を利かせるあたり、あぁ、やっぱ俺は天才かもしれねー」


 どこからその自信が湧いてくるのかは置いておいて、小学生でももう少しマシな文章を出してくるぞ。


「お前、本気でその内容が通ると思ってんのか......?」


「え? 通らない理由ある?」


「理由しかねぇよ」


 俺は生徒手帳をパタンと閉じる。


「あのな、活動計画書ってのは、”何を、いつ、どこで、どうやってやるか”を書くもんなんだよ。幽霊を友達にする、とか感想文じゃねぇんだぞ」


 それを聞いた直哉は、少し上を見ながら数秒考え、再び口を動かす。


「えーっと、じゃあさ、”放課後、校内外の階段や心霊現象について調査・研究を行い、オカルトに対する理解を深める”とかはどう?」


「......急にそれっぽくなったな」


「まじ!? これだと流石に通らないと思ったんだけどよ、お前がそういうなら通りそうだな!」


 いや逆だろ。なんでこっちが通らないと思ったんだよ。


「活動計画書はクリアしたとしよう。部員についても、同好会なら二名いれば大丈夫だが、問題は顧問だ。お前、同好会の顧問になってくれそうな先生の当てはあるのか?」


「いや、それは考えてねーけど。でもさ、顧問なんて名前貸しみたいなもんだろ? 活動に口出さないタイプの先生なら尚良しって感じなんだけどな~」


「そんな都合のいい教師がいると思うか?」


「いるだろ! 一人くらい! その、こう......やる気の無さそうなやつ!」


 偏見がひどい。こいつは教師のことを何だと思ってるんだ。

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