16.ステータス
年季の入ったテーブルに、椅子が4つと人が4人。ユウ、リョウタ、トシシゲ、ハピコの日本組だ。
一週間前までは誰も居なかった町にしてはかなりの賑わいだと言える。
この場に居る彼らは、それぞれの身の上を簡単に話し合い……。
(なんか、わし以外みんな抱えてる悩みが重いのじゃ……。漫画のネタ探しなんて彼らに求められないのじゃ)
(私だけ世代が違い過ぎないか?一番近いハピコでさえ22歳、私と21歳差とは……)
(良いところのお嬢様に大企業の社長に有名漫画家、俺だけ一般人じゃねえか!場違いすぎるだろ!)
(たくさんの人と会話できるの、楽しい!)
と、早々に何とも言えない居辛さを感じ始めていた。一人を除いて。全員日本からの来訪者であること、そして悩みを抱えていることくらいしか共通点が無かったのである。
重い空気が流れる中、席を外していたアンナが戻ってきて何のお構いも無しにテーブルに一枚の紙を置いた。
「自己紹介は済んだみたいね。これから身分証に表示されるステータスについて説明するから、しっかり聞いててね」
紙には図と説明が書かれていて、アンナはそれを基に説明を始める。事前に考えていた説明の披露がやっと出来るため、その声色は生き生きとしていた。
「この世界のステータス、言い換えれば個人の資質は、理力・魔力・属性の3つに分かれるわ。
『理力』は世界の理への理解度で、これが高いと上位の精霊と契約できて、より高次の魔法を使えるようになるの。
『魔力』は魔法を使うのに消費する力で、魂の輝度によってその最大値が決まる。魂の輝度は前世での善行や弔われ方で変わると言われてるわ。
最後の『属性』は、使える魔法の系統よ。土・火・水・木・雷・聖の6つがあって、これは生まれたときから各個人で対応する属性が一つに決まっているわ」
紙に書かれた三等分にされた三角形を指差しながら、アンナは説明する。三角形の上が理力、左下が魔力、右下が属性に対応していると分かるように。
「身分証にもあるこの三角形にはそんな意味が有ったんですね」
「精霊に魔力に属性、面白そうな話がいっぱいなのじゃ!理力とかいうのはピンとこんのじゃけど」
「しかし、私たちの身分証のものは全て空白だな。ここからステータスを読み取れるのか?」
「いえ、今のままではあなたたちのステータスは分からないわね。ステータスの表示には精霊との契約が必要よ。普通は15歳の時に教会で身分証を受け取ると同時に精霊晶玉を使って測るのだけれど、あなたたちの世界にはそんな風習あるわけ無いわよね。だから空白なのでしょうし。精霊と契約すると、こんな風に色が付くのよ」
アンナは自分の身分証をテーブル上に置き、皆に見せる。アンナのステータス欄は理力は緑、魔力は赤、属性も赤で枠が塗りつぶされていた。
説明の紙には理力と魔力は茶→赤→青→緑→紫→金の順に高くなると書かれており、アンナは理力はそこそこ高く、魔力は低めであることが分かる。
また、属性は茶→土、赤→火、青→水、緑→木、紫→雷、そして金に聖属性が対応していると書かれているため、アンナは火属性の魔法が使えることになる。
「……あんまパッとしねえな」
全員がアンナの身分証を覗き込む中、リョウタがそう零す。
「はぁ、なんてこと言うのよ。これがパッとしないだなんて、本当に何も知らないのね。自力でどうにかできるのは理力だけだし、理力が緑なのは充分すごいのよ?この上の紫は世界にほんの一握りしかいないし、一番上の金ともなるとエルフの叡智王がそうだって噂があるだけで希少なんてものじゃないのよ。緑だってすっごく勉強しないとなれないんだから!」
仮にもギルド職員科でトップの成績だったアンナは、リョウタの反応が不服で早口で弁明する。
「そ、そうだぞリョウタ。そもそも人の能力を悪く言うのは良くない」
「う、うむ。今のリョウタはノンデリだったのじゃ」
「う……、確かに。ごめん、アンナさん」
トシシゲとハピコがリョウタを批難するも、言わなかっただけで同じことを思っていたため、しどろもどろであった。怒られて反省するリョウタの方がマシと言える。
「ま、いいわ。基礎の基礎だけだけれど説明はとりあえずこの辺で。後は教会で実際に調べてからにするわよ。皆ついてきて!」
ひとしきり言い返したことで溜飲が下がったアンナは、ギルドから出て行く。それにリョウタとハピコがついて出て行って、ユウが出て行こうとしたところでトシシゲがユウを呼び止めた。
「待て、ユウ」
「?どうかしましたか?」
どうして呼ばれたのか全く見当もつかず、ユウはこてん、と首をかしげる。
「尋ねたいことがあるんだが……。君の父親の名は、龍鵬か?」
「え、どうして分かったんですか!?確かに父は龍鵬ですが」
「ほ、本当にそうなのか!?いやはや、まさかとは思ったが、ここであいつの娘に出会うとは……」
「あいつ?……もしかしてトシシゲさんは父のお知り合いで?」
「まあ、そうだな。昔馴染みだ。……それでさっきのユウの境遇の話、信じられん……」
最後の方はブツブツと独り言のように呟く。
「あの……?」
「ああ、すまない。少し思うところがあっただけだから気にしないでくれ。置いていかれる前に我々も出よう」
深く考え込みそうになったところをユウに不安そうに見つめられ、ブンブンと頭を振って気持ちを切り替える。
昔の知り合い。その娘の家での扱い。どうにも不可解であった。
トシシゲは心に靄を残しながらもアンナたちを追ってギルドから出て行く。
* * * * * * *
「教会の中も、穴に気を付けてね」
教会の扉を開きながらアンナが注意を促す。予め精霊晶玉の無事を確認しに来た際に教会の床にも大きな穴が空いていること知っていたのだ。
「ここが異世界教会!って、なんじゃ、ギルドのように受付があるだけじゃの」
荘厳な光景が広がっているかと思ったハピコは、なんとも事務的な内装に肩透かしを食らって残念がる。
「教会は宗教的な面もあるけれど、半面は身分証関連の業務を引き受ける役所でもあるから。受付の右の扉向こうが礼拝所、左の扉が私たちの目的の身分証を扱う部署よ」
誰も居ない受付を素通りし、皆で左の扉に入る。人間が30人は余裕をもって入れる中部屋の奥に繊細な彫刻が施された台座があり、その上には綺麗な無色透明の水晶玉があった。これが教会が開発したステータス測定装置、精霊晶玉である。
見た目からして高価であるのが分かるが、精霊晶玉は魔法によって強く台座に『固定』されており、一介の盗賊程度では盗み出すことなどできない。今回の測定以外でも、町の機能として必要不可欠な備品であるため、精霊晶玉が無事であることはアンナにとってとても喜ばしいことだった。
「この精霊晶玉は、触れると3回色の付いた輝きを放つわ。最初の光が理力、次が魔力、最後が属性を表していて、身分証にも記録されるようになっているの。さて、それじゃ順番はこの世界に来た通りで、ユウからにしましょうか」
「わ、私ですか!自分でも知らない能力の情報を多くの人に見られるのは、緊張しますね……」
ユウは台座の方へと歩を進める。そして、胸に手を当てて深呼吸してから精霊晶玉にゆっくりと触れた。
その途端、精霊晶玉は金色の光を放ち始めた。そして、アンナが声を上擦らせて驚く。
「え!?き、金色!?」
「金ってことは理力がすごく高いってことか?」
「そういうことになるけれど、あり得ないわ!だって、500年知識の研鑽を積み続けた叡智王がやっと到達できる知の極地に、ユウみたいな若い子が辿り着くなんて……。まさか、精霊晶玉が壊れた?」
衝撃の金判定に、アンナは精霊晶玉の故障を疑った。故障とまでいかなくとも、この世界に属さない異世界人は結果が正しく判定されない可能性は十分にある。
しかし、それに否を唱えたのはトシシゲだった。
「いや、そうでもないのではないか?身分証の裏にはこの世界の暦が530年とある。530年というのがこの世界が生まれてからの年数であれば、その叡智王とやらは世界が生まれたとほぼ同時に誕生したと考えられる。0から世の理を読み解かねばならなかった彼と、人類数千年の積み重ねから学ぶだけでいい私たちとでは、その難易度は桁違いであろう」
「文明レベルの差、異世界物あるあるじゃな。知識チートじゃ、知識チート!」
「え、つまり、あなたたち異世界人はみんな理力が高いってこと?な、なんてことなの……」
トシシゲの推察を聞き、その可能性は十分に有り得るとアンナも納得させられる。
が、妙な点は他にもあった。ユウが怪訝な顔をして指摘する。
「あの、これ、本当に壊れてるんじゃないですか?金色から変化しないまま光らなくなりましたけど」
皆が理力が金である理由を考えている間に、ユウの言う通り、精霊晶玉は元の無色透明に戻ってしまっていた。
「え、嘘……。そんなわけ!」
アンナは血相を変えてユウへと駆け寄る。が、それは精霊晶玉の故障を確認するためではない。
「ユウ、身分証を見せて!」
「え?は、はい!」
アンナに気圧されるようにユウはサッと身分証を差し出した。それを見た体勢のまま、アンナは目を丸くして動かなくなる。
「あの、アンナさん、大丈夫ですか?何かマズいことでも……」
「全部、金……。ほんと、嘘でしょ……」
アンナはやっとのことでそれだけ口にできた。全部、金。それは当然ながら、身分証の表示の理力、魔力、属性全てが金色になっていることを示していた。
「あ、判定が1回しか行われなかったとかじゃなくて、3回とも同じ色だったから変わってないように見えただけですか?」
「……そういうことだけれど、そんな呑気な反応してていい場面じゃないわよ……。属性は聖女なら聖属性の金なのは当たり前だけれど、魔力まで金だなんて、前代未聞よ」
「えっと、浮かない顔をしてますが、それって悪いことなんですか?」
「いえ、それはただ脳が現実に追いついていないだけ……。まあ、最初に精霊無しであんな大魔法を使えたのも、この魔力ならなんとか納得できるわ」
そういいながら、アンナは他の3人に目を向ける。一人目からこんなに脳に疲労を溜められては先が思いやられる、と溜息を付きながら。
「え、次俺だよな?ヤなんだけど、理論値見せられた後にやるの。どんな結果でもショボく見えるじゃん」
「ショボくていいのよ、それで落ち着かせてよ。リョウタは職業も中級冒険者だったし、いい塩梅の結果を見せてくれると信じてるわ」
「その期待のされ方も嫌だなあ……。ま、やるしかねえしやるけどさ」
ユウと場所を入れ替わり、リョウタが台座の前に立った。そして、雑に手を精霊晶玉にポンと乗せる。すると、精霊晶玉は紫色に輝いた。
「紫かあ。俺勉強あんま得意じゃねえしそんなもんだよなあ」
リョウタは残念そうに口をへの字に曲げる。そんなリョウタに、アンナはプルプルと身を震わせながら声を荒げた。
「はあ!?何言ってるのよ、私よりも上じゃない!それで勉強ができないとか喧嘩を売ってるの?それに言ったわよね、紫の理力持ちでもほんの一握りしか居ないって!」
「い、いや、そう言われても、学校じゃ中間くらいの成績だし……」
「中間……。それで紫って、日本の教育機関は一体どんな教育手法を……?あ、待って、もしかしてリョウタは運動神経が良かったりする?」
舐めた態度のリョウタにアンナが怒り散らすも、ある可能性に思い至る。
「え、運動神経もそこまでだぞ?野球では弟にまるで勝ってる部分がねえし。まあ一応体育の成績は学年ではトップだったけど」
「学年トップって、それよ!理力は世界の理、法則への理解度だから、単純な知識量だけじゃなくて運動能力も関わってくるの。例えば石を思い通りの場所に投げることができるのは物理法則への理解度が高いってことだから、理力に影響があるわけ」
「あー、そう言われるとしっくり来るな。俺、野球ボールを投げるのすっげえ好きだし、カーブとか結構思い通りにできるんだよ」
「はぁ、野球のことは詳しく分からないけれど、それって多分すごいことなのよ。ま、頭で負けてる訳じゃないなら良い、……って、えぇ!?」
リョウタの理力の高さの理由が分かり落ち着きかけたのも束の間、次に現れたのは金色の光にアンナは続けて驚かされる。
「あ、リョウタさんも私と同じ金色の魔力なんですね!仲間です!」
「な、なんで二人もそんなすごい魔力の持ち主が……」
「俺に聞かれても分かんねえよ。魔力って魂の輝度?だったか?前世が関係するとかなんとか言ってたが、そもそも前世なんてもんがマジであるのすらさっき知ったばっかだし。まあ、魔力って高くて損することはねえんだろ?なら良いことじゃねえか」
「それはそうだけれど……。私の常識がどんどん崩れていくわ……。あ、属性は赤、火なのね。見慣れたのが来て落ち着くわね」
アンナは驚き疲れて若干投げやり気味になっていた。
それはそれとして、リョウタの結果は、理力が紫、魔力が金、属性が赤、となった。
「火か、かっけえじゃん!俺もアンナさんみたいに遠隔で火を付けたりできるってことか?」
「いえ、私なんかの比じゃないわよ。使える魔法は職業によって違って、更に理力によってより高次の魔法を、魔力によって強い出力で使えるようになるから、冒険者っていう戦闘職とリョウタのステータスが組み合わされば、とんでもない魔法が使えるようになるはずだわ」
戦闘が想定されて居ないギルド職員は、魔法も戦闘向きのものではなく日常生活で扱いやすいものになる。火属性でギルド職員のアンナの場合、着火や熱操作、という風に。
魔法確認はまた後にということで、次はトシシゲの番となった。
「若い者たちに後れを取るわけにはいかんから、中々の重圧だな」
そう言いながらも自信ありげに精霊晶玉に触れる。
そして、自信の通りに金色の光が放たれた。
「トシシゲさんまで理力が金……。もう、笑うしかないわね」
「ふっ、若い頃の勉強がこの歳になって役に立つとは思わなかったな」
勝ち誇った笑みを浮かべる様は大人げないが、昔トシシゲが鬼のように勉強をしていたのは紛れもない事実だ。誇るに値する努力ではある。
「で、魔力は当たり前のように金、ね……。もう驚かないわよ。あなたたち日本人は全員魔力が高いのかしら」
最初の金色から一瞬光が弱まって、再び金色に光る。ユウの時は光の強さを注視しておらず同じ金色に光り続けているように捉えられたが、よく見れば同じ色が連続したときも分かるようになっているのだ。
「どうであろうな。そうであっても、私たちの世界では宝の持ち腐れでしかないがな。む、属性は緑、木属性か?」
トシシゲのステータスは、理力と魔力が金、属性が木であると判明した。
「なんか、俺の火属性と相性悪そうだなあ。てか、この属性って完全にランダムで決まるのか?」
「基本的にはランダムよ。この国、アースウィン王国の王家なんかはずっと土属性が受け継がれて来てるけれど、それは本当に特殊な例ね。後は一般人でも家系や土地に影響を受けることがあるとも言われてるけれど、そこは偶然という説もあるし、真偽は不確かね」
「ふむ?じゃが、家系と言うならユウは家系の影響を受けておるのではないか?祈祷師と聖属性、イメージがピッタリじゃ」
「あ、確かに。そこに気付くなんて、ハピコ先生すごいです!」
「聖女なんだから聖属性は当たり前、って思ったけれど、そもそもの聖女の由来が家系っぽいし、強ち間違ってないかもね」
ハピコの指摘により、家系の影響を受ける説が濃厚になる。だが、ユウ以外の3人は先祖の属性など知るべくもなく、家系の影響は有っても無いのと同じだ。
「ふふふ、わし程の想像力をもってすれば容易きことよ。さて、いよいよトリを飾るはわしの番じゃな!皆、わしの潜在能力に腰を抜かすがよいぞ!」
ユウに煽てられて上機嫌になったハピコが前に進み出る。そして、意気揚々と精霊晶玉に触れた。
これまで理力は金二人に紫が一人。同じ日本人であるならば紫はあるのでは、とアンナをも含むこの場の誰もが予測した。
が、精霊晶玉が見せた色は金でも紫でもない。茶色の輝きだった。
「お、茶色じゃ!茶色は、えっと、金の一個下くらいかの?」
ハピコ以外の全員は今度こそ精霊晶玉が故障したかと思ったが、ハピコのその言葉で故障とは異なる嫌な予感を感じる。
「いや、金の下は紫よ……?」
「さっき説明聞いたばかりなのに、もう忘れたのかよ……?」
「えっと、言いにくいですけど茶色は……」
「一番下だな」
全員で言葉をリレーしていき、最後のバトンはトシシゲによってゴールにもたらされた。
彼らも察した。ハピコは勉強、特に理系方面に関しては壊滅的だった。
「な、なんじゃと!?そ、そんなはずは!わしだって本とかたくさん読んで勉強しておるのに!」
「本って、漫画だろ?漫画を読んでも世界の法則はあんまり分からねえんじゃねえか?」
「そ、そんなあ……。嫌じゃけど、納得できてしまうのじゃ……。わし、学校の成績はいつも最下位レベルじゃったし、運動もからっきしじゃし。あ、じゃが、国語の成績だけはすこぶる良かったのじゃ!それだけでもそこそこの頭脳と言ってもいいはず……」
「あ、言語は世界の法則とはまた別のものだから理力の対象にはならないわよ」
「なんでじゃあ!!この世界、文系に甘くないのじゃ!……つまり、わしだけショボショボの魔法しか使えんということかの?」
最初はアンナの小さな着火魔法ではしゃいでいたハピコも、他3人がもっとすごいと分かると望みも高まってしまっていた。それだけに目に見えて落ち込んでしまう。
「理力が赤なんてこっちの世界でもそう多くないのに、あなたたちは極端すぎるわね。あ、けれど……」
だが、アンナはハピコの魔力が他のメンバーと同じく金であるのを確認した後、少し考え込み、あることに気がついた。
「あなたなら『理外魔法』を使いこなせるかもしれないわ」
「理外魔法!?なんかすごそうじゃけど、なんなのじゃそれは!」
ハピコは藁にすがるような必死の形相をアンナに向ける。
「その名の通り、世界の理の外にある魔法よ。理力が低い者だけが使えて、この世界の法則を無視するそれらはどれもが非常に強力なの。けれど、精霊の力を借りることができない魔法だから魔力消費が尋常じゃなくて使い勝手がとても悪いのよ」
「なるほど、理力が低くて魔力が高いハピコなら、それを使いこなせるかもしれない、と?」
「ほ、ほおぉぉ!そんな禁断の力をわしは使えるのじゃ!?」
いち早く理解したトシシゲの言葉に、ハピコはテンションが爆上がりする。
「そうね、その可能性は高いわ。ともかく、全員のステータスも分かったことだし、次は魔法について詳しく教えるわね」
ハピコの手元で精霊晶玉が最後の属性を示す茶色に変化したのを確認して、アンナは次のステップへ進めた。