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カレンダー  作者: NEKO
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2022年10月

10月4日

函館、神戸、長崎。

どれも見た事がないけれど。

私はきっと、ときめかない。

東名阪の美しさにも、きっと。


10月7日

本が好きだった。

私小説、純文、随筆。

ジャンルは様々、楽しみ方いろいろ。

中でも一番は推理小説かと。


10月10日

寝る前に枕元の明かりで本を読むのが日課だった。

目を凝らして、文というより文字を追いながら。

果たして、内容は頭に入ってきていたのでしょうか。

思い出せないところを見ると、入ってきていなかったのでしょう。


10月11日

部屋が薄暗い。

かすかに聞こえた声は曇天を告げていた。

涼しくなってきたが、まだ暑い。

耳をすませば1504人と聞こえた。


10月12日

他者に愛想を振りまくような性格ではなかった。

振りまく必要もなかった。

だから、カメラアピールのような事も当然苦手だった。

特に、片目だけつむるのがどうしても出来ない。


10月13日

小江戸を散策したあの日が懐かしい。

正直、細かいところは覚えていない。

だけど、別の地の名を冠する名物のお店が所狭しだったのは覚えている。

たくさんあるけど食べ過ぎ注意です、胃にきます。


10月14日

雨音がかすかに聞こえる。

ひとつの音しかないと、わずかな音でも大きく聞こえる。

明るい時間はずっと水音に癒されていた。

暗くなったら私の癒しは消えた。


10月15日

子どもの頃から日課にするように言われていたけれど。

当時は家に帰ったら真っ先に部屋に向かっていた。

洗面台になんて寄る事もなく。

けれど、今は当たり前のように習慣化しているから不思議。


10月18日

母の味を思い出そうとすると、どうしてもお弁当の味になる。

特に思い出深いのが卵焼きとグラタン。

卵焼きはおよそ10年磨かれた味。

グラタンは文明の利器が生み出したもの。


10月21日

蛍光灯すら懐かしい。

白熱球なんて歴史上の産物。

今を照らすはL E D。

どうか私を照らしておくれ。


10月27日

一度、本から距離を置いた事がある。

ただ本を開かなかった、読まなかっただけの事。

なのに、気が狂いそうになった。

読めなくても、書けば読める。


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