第二話 (多分)優しいお婆さん
「ーーみたいな感じです。」
色々思い出した私は、魔女みたいな服のお婆さんに概要を伝えた。
「はぁーん、なるほどね。あんたも不憫だねぇ。」
お婆さんが呆れながら言った。でも私が不憫なのもそれはそうなので否定できない。
(あ、そうだ、『ステータス』)
そう言って私は目を瞑りステータスを確認した。
レオナ
種族 人族
性別 女
年齢 18歳
Lv.1
HP 300 MP 300 STR 100 VIT 100 DEX 300 AGI 250 INT 500 MGC 150 LUK @#
スキル 火魔法1 水魔法1 風魔法1 土魔法1 聖魔法10 鑑定10
加護 絶神の加護(中)(寿命以外で死なない、暗黒から身を守る)
神々の償い(LUK数値が無限に上昇し続ける)
(・・・若くなってる)
「お婆さん、今ス」
お婆さんが手で私の言葉を遮った。
「自分のステータスを確認できたんだね。誰であろうと軽々と口走っちゃいけないよ。命が大事なら冒険者になるまでは黙っときな。」
多分こういうことは口走ったら色々巻き込まれるんだろうなぁ、お婆さんありがとう。
「わかりました。教えていただきありがとうございます。今後気をつけます。」
するとお婆さんは一度目をぎょっと見開いた後、落ち着いた顔でこう言う。
「いや、あたしとしては知らなかったんだから仕方ないと思うんだがね。街に行ったら冒険者ギルドがある。そこで登録手続きの際にステータスを測られるから、そこできちんと説明を受けな。」
お婆さんは懇切丁寧に説明してくれた後に言葉を続ける。
「まああたしゃもう10年は外と関わってないから仕組みは変わってるかもしれないけどねぇ。」
悪そうな笑みをしながらお婆さんはカッカッカと笑い、新たな煙草に火を点けた。癖が強いけど話した感覚悪い人ではないなぁって思う。
「お婆さん、色々教えてくださってありがとうございました。私はすぐに出発しようと思います。近くの街の場所を教えて頂けますか?」
でも私にはやるべきことがある。だから急いで役目を果たさないと。早く元の世界に戻らなきゃいけないし。
「ちょっと待ってな。」
お婆さんはそう言うとロッキングチェアから立ち上がり、また煙草をどこかに消した。
「あの、お婆さん?」
お婆さんが立った!?
「拾った以上は隣街まで責任は持つよ。向こうに服と写し鏡があるから適当に見繕っておいで。準備ができたらすぐ行くよ。」
お婆さんはこっちを向きニヤリと笑った。めっちゃいい人。
「ありがとうございます!すぐ済ませます!」
私は早歩きして隣の部屋に向かった。