表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
no_title 題名のない物語  作者: 藤原 アオイ
第一章 project angel
6/68

能力と適性

ごめんなさい。ヒロインはまだ出てこないです。

 05


 東葛支部■■階『武器庫』


 ゆっくりと扉が開き、天井の照明機器が一斉に光をともした。


 学校の体育館くらい大きな施設。その手前の方には、びっしりと本棚のような棚が並んでいた。その点だけでいうと、図書室と言っても差し支えのないほどに。

 僕は、一番近くの棚に向かって歩いていく。もちろん、渡辺さんもついてきている。


 そこには、大量の銃が並んでいた。


「もしかして、刀やナイフがお好みでしたか?」


 この人、僕の能力のことわかってて言っているに違いない。

 高火力、紙耐久。

 それしか出来ないのが僕だ。


 簡単に言うと、ファンタジーで言うところの「後衛魔導士」のような戦い方。

 近接戦になった瞬間打つ手が無くなる。


 だから自分からは近づかない。正確には近づけない。


 そんなネガティブなスパイラルに陥りそうになったときに、渡辺さんがちょっとした提案をしてきた。


「ここにあるもので、的当てゲームとかどうですか。」


 彼によると、ここの奥半分では、模擬戦のようなことが出来るらしく、銃の試し撃ちにちょうどいいのだとか。


 僕は、一番近くにあったものとそれ用の弾を手に取り、彼の言っていた場所に向かった。


 足音が天井に反射して聞こえる。


 木でできているはずの床の軋むような音は全く聞こえない。


 その場所は、案外近かった。


 ただ、気分的に近づきたくなかった。


「遅いじゃないですか。」


 そう言う彼の近くの机には、手裏剣や、投げナイフ、ブーメラン、輪ゴム鉄砲等々が山積みにされていた。


「火縄銃ですか。いい趣味ですね。」


 褒められても全く嬉しくない。というかこれ、火縄銃だったのか。

 気がつかなかった。


「火縄銃は確か、先込め式だから…」


 丁寧に火縄銃についてレクチャーしてくれた。

 知りたかったわけでは無いのだが…。


 もちろん、玉は彼に入れてもらうことにした。


「あまり下に銃口を向けないでくださいね。」


 そう言いながら、数秒で玉と火薬の準備をしてくれた。


「最初はグー、ジャンケンポン」


 僕が負けて先攻になった。


 僕は、火縄銃を頬にあてて構える。

 なんだか足軽になった気分だ。


 用意されていた的を確認する。


 的は20メートル先。

 シャトルランと同じ長さだ。

 サイズは半径20センチメートルくらいだろうか。

 これくらい僕にとっては朝飯前だった。


 目を閉じてゆっくりと呼吸をする。


 数秒たったころだろうか。

 ゆっくりと目を開ける。


 そうして、「いつものように」ターゲットに意識を合わせる。


 視界に赤いアイコンのようなものが浮かび上がってくる。


 それを確認して引き金をひく。


 この間コンマ1秒。


 信じられないほどの反動。

 僕は思わず二三歩後ずさってしまった。


 確認すると、的の中央に綺麗な穴が空いていた。


「お見事。」


 振り返ると、渡辺さんが満足げに手を叩いていた。

火縄銃、熟練の人でも玉と火薬をこめるのに20秒程かかるらしいです。


お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ