さぁ、始めよう。ボクらの宴を
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「ここには確かセンサーはなかったはずだから……」
「ちょっと待って下さい。なにする気ですか!?」
この人なら、もう何を仕出かそうが驚きはしない。ただ心配はする。遠くに行って欲しくないから。それとも、別の理由?
まだまだ人生経験が長いとは言えない僕には全く縁もゆかりもないお話だ。女性も男性も結婚出来るのは十八から……
ってなに考えてるのさ、僕の脳みそ。実は細胞それ自体がイチゴ味に染まってるんじゃないのだろうか。イチゴというよりはかかっている煉乳の方が近そうなのだが。
ガラリ。唐突に窓が開く音が聞こえる。
「早まらないで、藤原さんっ!」
「自殺するなんて言ってないんですが……」
暗に早まっているのはお前の方だと言われた気がする。そう思われてもおかしくないことをしている人が今更何をいっているんだか。昨日二階の窓を破って飛び降りた人が他の人のことを言えるのか、いや、言えない。
そんなことを考えている間に、彼女は外に出てしまう。一寸先は闇というよりは、一寸先は地面の危険地帯。まだダイビングの元の動詞はdieなのではないかと疑ってしまう。
そこには道があった。正確には、できていたと表現するべきなのだろう。彼女が歩くのは、彼女が造り上げた道、彼女だけの道。隣を歩く人なんてだれもいない、孤独の道。そこをまるでスキップでもするかのように駆け抜けていく。朝の空気はとても冷たくて、僕の心も次第に冷えていく。
「寒い、なあ。」
これはある四月の日。そして、伝説が生まれた日。彼女は、彼は、まだ知らない。人間の闇、その深淵を。
―――――――
日本政府、国会にて。
「総理、これはどういうことなのでしょうか。ご説明を。」
「ええ。間違いなく東京は戦火にのまれるわけであります。であれば、東京を放棄するという選択肢もあるというだけ、であります。」
「総理、国民の避難は完了しておりませんが……」
「あの化け物どものことか、少なくとも|私≪わたくし≫は、あれを人間だとは認めておりません。我々を狂乱に導いた悪魔、それが能力者であります。我々は彼らを許さない。人類を冒涜するような行為は決して許されてはならないのであります。」
カメラマンであり、能力者でもある彼女は、その発言に動揺を隠せなかった。だってそれは、明確な宣戦布告、人間であることの否定に他ならなかったからだ。
彼らも普通の人間、罪があるわけではない。悪いのは、一体誰?
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