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no_title 題名のない物語  作者: 藤原 アオイ
第一章 project angel
5/68

交渉と武器

早くメインヒロイン出したい。

だが、その前にやるべきことをしなければ……。

 04


「なにいってるのかわからないのですが……」


 僕は今、混乱している。というか、この状況で落ち着いて返事が出来るほうがおかしい。


「簡単ですよ? 君が犯人を捕まえる。それだけですよ?」


 どこか意地悪さが窺い知れる笑顔。営業スマイルというのだっけか。しかし、その手には乗らない。


「他の人に依頼してください。」


 そう言い、僕は椅子から立ち上がろうとした。


 ふわふわとしたソファー。総本革だと思われるそれには適度な艶があり、適度な固さで、本当のことを言うと、ずっと座っていたい。


 だが、それでは渡辺さんの思うツボである。でも、これでは立ち上がることも許されない。意志の問題だけど……


 渡辺さん、意外と策士なのでは?

 どうでもいいけど。


「残念ながら、東葛支部にはAランク以上の能力者はほとんどいないもので。」


 Aランク以上の能力者。確かに東葛支部には片手の指の本数くらいしかいなかったはずだ。


「他の支部に頼んだらいいじゃないですか。」


 突き放すようにそう言った。


「船橋支部が動かないんですね。なぜか。」


 よく見ると、彼の顔に疲れが滲み出ているのがわかる。僕に会う前に船橋支部と交渉でもしたのだろうか。


 でも、船橋支部が動かないというのはなにかがおかしい。彼ら、いや船橋支部は、おもしろい事件というか能力者がいたら積極的に勧誘していくからだ。勧誘というよりは監禁かもしれないが。


 謎が深まっていく事件。ここまで聞いたら最後まで知りたくなってしまう。それが人間の性だから。


「はぁ、わかりました。出来る限りがんばります。」



 ドアは意外にも普通に押したら開いた。外から入るのは難しいが、出るのはとても簡単だった。セキュリティ的に大丈夫なのだろうか。


「ああ、忘れてました。ちょっとついてきてください。」


 よくわからないが、彼についていく。

 行きはよく見ていなかったが、壁は大理石で出来ていて、たまにアンモナイトの化石があって少し面白かった。


 行きと違う道。下っているのか上っているのかよくわからない道だった。あとで聞くと、三半規管に振動を与えているだけだという回答が得られた。


「いったいどこに?」


 渡辺さんは、いつものように顔に微笑を浮かべている。


「こっちですね。」


 扉には、「危険物保管庫 関係者以外立入禁止」 の文字が書かれていた。


「えっと、ここは?」


「しいて言うならば『武器庫』ですね。」


 そう言って彼はスーツの内ポケットからカードキーを取り出した。

 そして機械にピッとかざす。


 ボルトの音だろうか。扉の中で重い音が発生している。


 十数秒後、ガチャンという音と共に扉が開いた。

次回は武器庫で武器選び(予定)


お読み頂きありがとうございます。

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