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no_title 題名のない物語  作者: 藤原 アオイ
第一章 project angel
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桜の咲く季節に 5

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 その車は最近珍しいガソリン車だった。丁寧な運転ではあったが、空腹時の振動はやはりきつい。


「すみません……吐きそうです。」


「もう少しだから、耐えてくれる?」


「じ、じゃあ、この辺センサーどれくらいあります?」


 センサーというのは、能力発動感知センサーのことで、能力回路に信号が送られた時に発生する微弱な波のようなものを感知するシステムである。

 基本、能力は学校外では正当防衛しか認められないため、すべての学生を監視するシステムは割と重要らしい。


「えーっと、このエリアには、えっ嘘。あの公園にしかない。」


「なら、バレないですね。」


 深呼吸をして、呼吸を整える。

 体内に走る神経をイメージする。

 神経に軽い電撃が走る感覚。回路を立ち上げて、いつでも能力が使える状態を維持する。この状態なら、脳の処理を空腹という生理的欲求からずらすことができる。この状態を維持するだけであれば今の自分にも出来る。

 なぜセンサーの位置を聞いたか。それはとても単純な理由だ。能力を発動していないのに捕まるのは気にくわない、それだけである。


「ミツキちゃんがいきなり能力発動させようとしたからヒヤヒヤしたよー。」


「そんなことするはずないじゃないですか。」


「まぁ、そうだよね。」


 車はちょうど赤信号で止まった。

 そのタイミングで立花さんは、公園のセンサーを見ながらそう言った。

車酔い。

お読み頂きありがとうございます。

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