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no_title 題名のない物語  作者: 藤原 アオイ
第一章 project angel
22/68

桜の咲く季節に 1

やっとメインヒロインが書ける……

(お前がさんざん書いてたミサはメインヒロインじゃなかったのかというツッコミ)

 20


 あれから一年たった。

 あの後、渡辺さんにも赤城さんにも会っていない。

 多分もう会うことはないのだろう。住む世界が違いすぎるといって自分を納得させる。結局事件の真相はわからなかった。


 その間僕は何をしていたかというと、受験勉強をしていたのである。

 悪魔のようなつるかめ算、意味不明なニュートン算その他いろいろを乗り越え、合格を勝ち取った。


 誤解しないで欲しいが、基本的に能力者と無能力者、つまり一般人は別の学校に入ることになる。

 もちろん、試験科目も若干違う。

 例えば実技とか。というのは、長くなるから割愛させていただく。


 合格発表の瞬間、僕は泣き崩れたらしい。

 何で伝聞の形になっているか?

 そんなの、嬉しすぎて覚えてないからに決まっている。


 つまり、4月から僕は中学生なのである。




 制服の採寸。


 学校までがかなり遠いが、その遠さによって合格した実感が湧いてくる。

 僕はまたここに来れたことがとてもうれしい。

 だって、第一志望校には落ちてしまったから。

 情報によるとここは、本部が運営する学校で、他の学校とも近く、たまに学校対抗戦をやっているのだとか。

 めっちゃ面白そうである。


「横田さん。」


 僕の番だ。


「お前、横田っていうのか、よろしくな。」


 すれ違い様に声をかけられる。

 僕も、人見知りという訳でもないので、軽く挨拶をする。


 彼、どっかでみたような……

 気のせいか。


 そういうことがあったが、僕は普通に採寸の会場に入る。

 国語室と書かれた看板がかけっぱなしになっていて、ここが学校だと感じさせられる。


「男子はまだまだ身長伸びるから、少し大きいのにするといいよ。」


 そう言われた。

 僕の身長は現在150センチあるかないかくらい。

 あまりぶかぶかなのもカッコ悪いから、160センチくらいのにする。



 帰る途中の下り坂。

 春日通りの向こう側に誰かが見えた。

 流れるような黒髪はある程度切り揃えられていて、長袖のワンピースがとてもかわいくて、彼女の周りだけ別世界のようだった。その子は、地図を見ながら首をかしげている。


 横断歩道はちょうど青になったところ。

 僕は彼女を助けることにした。

(本作品はラブコメではありません。)

お読み頂きありがとうございます。

甘酸っぱいのは上手く表現出来ない。

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