咲き乱れし赤い花 6
なかなか終わらない過去編。
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数ページほど欠けていた。
ゆっくりとページをめくる。
4/1
ここに勤めて何年目になるだろうか。
能力者の検体以外は全く来なくなった。
その代わりか、本部の視察がよく入るようになった。
彼らは検体を兵器としか見ていなかった。
4/2
八雲が戦闘訓練をするらしい。
相手は本物の人間、違う。死刑の突きつけられた犯罪者だった。
出来るだけ苦しめることなく終わらせたいと彼は言った。
彼は言った通りにすべてのターゲットを一撃で仕留めていったらしい。
4/3
八雲が思い詰めた表情でカウンセリングルームにきた。
人の死ってなんなのだろうと聞いてきた。
私は、終わりであり、始まりでもある。と答えた。
彼は「始まり」の部分がわからないと言った。
私は、これから考えるといい。と言った。
4/4
カウンセリングルームには誰も来なかった。
だから、人の死について考えることにした。
そもそも、死ぬってなんなのだろう。
八雲にあんなことを言った私だが、本当は死について何も知らないことに気づく。
4/5
八雲にやっと弟が出来た。
検体番号15番。暦とよぶことにした。
彼の手はひんやりとしていた。
そう長くは持たないだろうなと思った。
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