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no_title 題名のない物語  作者: 藤原 アオイ
第一章 project angel
19/68

咲き乱れし赤い花 6

なかなか終わらない過去編。

17


数ページほど欠けていた。

ゆっくりとページをめくる。


4/1

ここに勤めて何年目になるだろうか。

能力者の検体(サンプル)以外は全く来なくなった。

その代わりか、本部の視察がよく入るようになった。

彼らは検体(サンプル)を兵器としか見ていなかった。


4/2

八雲が戦闘訓練をするらしい。

相手は本物の人間、違う。死刑の突きつけられた犯罪者だった。

出来るだけ苦しめることなく終わらせたいと彼は言った。

彼は言った通りにすべてのターゲットを一撃で仕留めていったらしい。


4/3

八雲が思い詰めた表情でカウンセリングルームにきた。

人の死ってなんなのだろうと聞いてきた。

私は、終わりであり、始まりでもある。と答えた。

彼は「始まり」の部分がわからないと言った。

私は、これから考えるといい。と言った。


4/4

カウンセリングルームには誰も来なかった。

だから、人の死について考えることにした。

そもそも、死ぬってなんなのだろう。

八雲にあんなことを言った私だが、本当は死について何も知らないことに気づく。


4/5

八雲にやっと弟が出来た。

検体番号15番。(こよみ)とよぶことにした。

彼の手はひんやりとしていた。

そう長くは持たないだろうなと思った。

お読み頂きありがとうございます。

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