執事萌えの悪役令嬢のクリスマス
イブに間に合わせようと焦って書いたので、誤字や変な文章あるかもしれません。一応チェックはしましたが…。
読みづらかったらすみません。
しかも、間に合わなかったーー。
「うふふ、カインまだかしら?ステキなプレゼント用意したのに。ふふ。」
今日はクリスマスイブ。
恋人たちが一番幸せな日。
もちろん私も幸せ。
だって、最萌のカインに私を捧げるためにこうして、カインのベッドで一日中待機しているのですわ。
うふふ、カインのベッド。カインの匂い。私の嗅覚覚醒せよ!私の触覚も最大限に感じ取るのよ!!
何度か、メイドさんがシーツの交換やらまくらの交換したいと邪魔しに来たけど全て追い出したわ。
交換なんてしたら、カインの匂いが消えるじゃないの。いやよ、そんなの。勿体ない。
何なら私のシーツと交換してほしいわ。
カインのシーツでカインの匂いに包まれて寝るなんて最高にハッピーな夢が見られるわね。
あら、いやだ。なんて良いアイデアなの?
早速メイド達を呼んで全交換させましょうね。
と、メイドを呼ぶベルを鳴らしたら…カインがきた。
「…お嬢様?一体私のベッドで何をなさっているのでしょうか?」
うーん、今日もクールで素敵ね。
でも私を見る眼はもっと優しくても良いのよ?
クールキャラがお嬢様だけに甘い笑顔を見せるとか、最高だと思うの。
でも、まあ、良いわ。
ちょっと予想より登場が早かったけど、プレゼント大作戦を開始しましょうか。
潜ってたシーツを払いのけ、ベビードールの格好の私をさらけ出した。
先日はセクシー過ぎたから、今度は可愛い系で攻めて見ますの。
おまけに頭、首、手首、足首と首と名のつくところにリボンを巻いて、プレゼント感を醸し出していますわ。
そう!クリスマスプレゼントは、わたし!!作戦よ。
「ハッピークリスマスー!カイン、貰って頂戴!プレゼントは、わ・たっぶふっ!!」
セリフを言い終わらないうちにまた毛布で簀巻きにされてしまいましたわ。
以前と同じく、ぐるぐる巻かれてまたじぶんの寝室に担がれて、ベッドに放り投げられたわ。
くっ、この一連の流れ…美しく見事だわ。慣れたわね?
「カイン、今夜はクリスマスなのよ?プレゼント渡すくらい良いじゃない?」
簀巻きにされた毛布からもぞもぞと顔を出し、訴えた。
そうだーイベントなんだから、乗りなさいよ。踊りなさいよ。踊らされて、まんまと私に食べられちゃえば良いのよ。
「…クリスマスは、明日です。今日は、イブ。単なる前日です。お間違えのないように、お嬢様。」
「…え。で、でも、世間はイブの方が盛り上がってるわ。恋人達のクリスマスはイブが本番と言っても差し障りはないわ!」
「えぇ、そうですね。でも、私はお嬢様の恋人ではなく、執事ですから、今日はもう寝てください。ほら、明日はクリスマスですが、学校もありますよ。」
「…うっ。」
恋人じゃない発言の上、学校あるある発言にくらっと目眩がした。
そうだ、明日は学校ある、しかもテストが。
最悪ーやだー転生してまでお勉強しなきゃなんてー。
やすみたいーー冬休みまで、ずっとカインのベッドにいたいー。
簀巻きのまま自分のベッドでヤダヤダとゴネてたら。
カインがふと、今思い出したという風に発言した。
「あ、お嬢様、明日なのですが、私お休みを一日頂いております。なので、明日は、アベルがお嬢様につきますので、よろしくお願いしますね。」
「………え?」
何それ、聞いてない。
私のカインが。
今まで、指定の休日以外に進んで取ろうとしなかったのに。
わざわざ、クリスマス当日に?
なぜ?
聞きたいけど、聞けない。
聞いちゃいけない。
だって、答えは、予測できる…。
急に大人しくなった私に。
簀巻きの上からまた布団をかけてくれて。
リボンがついたままの頭をポンポンと撫でてくれて。
「おやすみなさいませ、お嬢様。」
と、私の好きな角度での完璧な挨拶をして部屋を出て行った。
ねえ?カイン…誰と、クリスマスデート。
———いくの?
※※※
朝、予告通り、カインは来なくて、アベルが世話を焼いてくれた。
アベルもチャラい系イケメンで素敵なんだけどな。
でも、ときめかない。
前は執事ってだけで、誰でもカッコよくて、幸せだったんだけど、今はダメ。
今は、カインにしか、ときめかない。
私の執事はカインだけでいい。
私の好きな人は…カインだけ。
今頃、私の知らない彼女さんと、楽しいクリスマスデートしているのかしら?
とか、考えて悲しくなって、その怒りをテストに全てぶちまけました。
…案外良い点いくかも?
そんな感じで1日を過ごしていたら、あっという間に下校時間になりましたわ。
さっさと帰って、ふて寝しよう。
ふて寝の為に、カインのシーツとマクラ盗ってこよう、そうしよう。
そんな事を考えながら教室でアベルのお迎えを待っていたけど。
来ない。
あら?いつのまにかクラスで最後になってしまったわ?
私、アベルに時間伝え間違えたかしら?
焦って、教室を出てようとした時、誰かとぶつかった。
勢いよく突っ込んでしまった為、地味に痛い。
「あ、申し訳ありません、急いでたもので。」
私がこんなにダメージ受けたのだから、相手も痛かっただろう。
「いえ、大丈夫ですよ。お嬢様。それよりそんなに急いで何処に行くおつもりで?」
ん?この声、聞き覚えあるわ?
「…カイン?貴方今日はお休みなはず…。」
「ええ、そうです、お休みですよ。だから、誘いにきたのです。お嬢様を。」
——これから放課後デートとやらを、しませんか?
耳元で、こっそりと誘ってくれたのは。
執事の服を脱いだ、ただのイケメンで。
執事じゃない、カインは最萌じゃないけど。
それでも、私の顔は真っ赤になって。
コクリと、うなづく私をみて、また耳元で囁かれた。
「昨日のお嬢様からのプレゼントは、今日がクリスマス本番だから、まだ頂けますよね?」
…。
あ、あれは、夜のテンションで、あげてあげてからやってるもので…。
そんなに妖艶に強請られても…無理。
「お嬢様?頂けるのですよね?」
さらに流し目追加されても…。
アリョーシャさまー。学校一美人で色気を持つ私のアドバイザーさまー助けてー。
オロオロとアリョーシャさまを探してたら、ガシッと腰を抱かれて、また耳元に囁いた。
「まぁ、それはまた後ほど…ね。では、行きましょうか。私とお嬢様の2人でクリスマスデートしましょうね。」
…カインの真意はわからない。
からかっているのか。少しは私の事を思っているのか。
でも、それでもカインを好きな私は。
この日は夢見たいな時間を過ごせたの。
だから……。