2つの世界
この世界は大きく分けて2つの世界に分断されている。
1つは特殊な力も何もない過去人類。
もう1つは特殊な力を持った新人類。
この世界はこの二つの人類が長年に渡り、争っている。
「これから、授業を始めるぞー」
「起立!」
「礼!」
「着席!」
号令係が一通り済ませ、授業が始まった。
俺たちが、今なんの授業をしているか、と言うと
「我らの宿敵、魔女についてだ。」
「やつらは常識を反した力を持っている、我らはこれを魔法と呼んでいる。」
「だが、魔女も無敵ではない、自分のすぐ近くに卵サイズの結晶石と言うものを手にしているはずだ、これが破壊されると、やつらは魔法を使えなくなり、そして意識も朦朧となりはじめる。」
「だから魔女の持っている結晶石を壊すことが我らの勝利条件だ。」
「先生は、俺たち人類の敵、通称魔女に勝利するための授業をしていた」
勝利する、と言えば聞こえはいいが、ようするに殺し合い、戦争だ。
俺はぶっちゃけると魔女は嫌いではない、まあ、こんな事を声に出せば俺は反逆者として殺されるだろう。だから言わない。
「じゃあ、今日はこれで終わりとするぞ!
先生は君たちの活躍を祈っているぞ!」
「では、解散!」
今日の授業が終わった、ダルかった。
それでだ、俺がこの世界の敵、魔女の事をたいして敵視していないかと言うと、昔に魔女に会ったことがあるからだ。
「まあ、このことは家に帰ってから振り返れば、いいか」
続きは家で独り言を披露しようじゃないか。
「おーい!鷹弥何帰ろうとしてんだよー!」
げ、面倒なやつに話しかけられてしまった。
「ようよう!!元気かー!!?」
この文章だけでは男前なやつは、いのりだ。
名前が、女っぽい?そりゃそうだ、女だもの‥‥女だもの‥‥?
「お前毎度の事思うが、男に産まれてこいよ。
そして、物凄くやかましいぞ」
こいつは俺の幼馴染みにして数少ない友達、の一人だ。
しつこいようだが、文章だけでは男にしか見えない、だが、女だ‥‥。
「学校終わったし、帰ろーぜ!
帰り道寄り道な!」
こいつの言う寄り道とは‥‥
「ほんとお前ってゲーセン好きだよな、金欠にならないのかよ」
そう、いのりは帰り道にやたらとゲーセンに寄りたがる、そしてやるゲームは何故か毎回UFOキャッチャーのストラップだ。
と言うか、ストラップを取りたがる。
「まあ、良いじゃないか!ほらほら!遊ぼーよ!」
俺を金欠にさせようとするいのりに対して俺は冷静に判断を下し、
「俺は金が勿体ないからパスってか、見てるわ。」
ゲーセンに来るたびにこの一連の流れを繰り返していた。
そして、もうひとつ、いのりは景品を必ず、2つ取る、て言うか2つ取るまで帰ろうとしない。
「はい!やるよ!」
いのりは毎回わざわざ悪いと言っているのだが、お構いなしに必ず、2つとり、片方を俺に渡す。
「まったく、毎回毎回悪いから取らなくていいって言ってるだろ?」
俺がどんなに断っても必ず俺に渡してくる。
そして最後にこう言う。
「帰り道の、ゲーセンに付き合ってくれたご褒美だ!
俺からのプレゼントだって!貰え!」
まあ、今日はもう帰るようだ。
「はいはい、じゃあ、帰るぞ、いのり」
「おうさ!」
この作品は何となくでつくってみました、気軽に見てください!