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悪の矜持  作者: runa
3/12

弍*シナリオの改編に正直ついていけないのですが


副会長編の纏めですヽ(´o`;


そして新たな影が一つ。


まだまだ序盤戦。

比奈子さんはまだ走りません…(笑)…

副会長が言います。






「……君が何を言ってるのかよく分からないけれど、気分が悪いなら保健室まで案内しましょうか…?」





うん。これでは取りつく島もないね……。

完全にただの親切心だ。

紛れもない善人だ。

純度が半端ない。



いや、普通なのですけどね。

ただ、比較した時にね。元の設定があれですから。



これは、思ったより色々来るものがありますね。



いやだなー…。

銀縁君は、本来わりと好感の持てるキャラクターだった筈がまさかの180°転換してる。

これは正直、怖い。


寧ろここまで変貌されていると、裏があるのではと疑心暗鬼になる自分が酷い。


でもね、考えてみて欲しい。




真っ白な人間は、薄ら寒くはないだろうか。

欠点が無いなんて、面白味にも人間味にも欠けている。

むしろ欠点が無い人。完全無比。

それはなんて笑えない。

怖いし、それはもう人じゃない。





だから、欲望に忠実な人の方が自分は安心して関わっていけると思うのです。


純真は下手な腹黒より、ずっと性質が悪い。


ただし、あくまで個人的な感想ですから。

誤解の無いよう、お願いいたします。



全てを一括りで纏められるほどに単純な物事は、限られたものだと自覚しているからこそ。




うん。だから、言い過ぎましたね。




ただ、そんな自分を見る以前にもっと視線を向けるべき人がいるのですよ。






……穂香さん。

目が、目が……


鮮度の落ちた鮮魚みたいになってる……………

虚ろ虚ろ。ふらふらしてますもの。




うん。純度100%銀縁君が怪訝そうな表情から一転、心から気遣う表情になるのも分かるよ。




ただでさえ白い肌が、血の気を失って痛々しい。


あ、そうこうしてる間に銀縁君が穂香さんを抱えて保健室へ向かうようだ。




……何だろう?


見方によっては乙女的にキュンと来る筈のシチュエーションなのですけどね。


近所の親切な兄さんが妹分を抱えてる微笑ましさくらいの光景にしか見えてこない不思議………。





哀れ。しかしこれが現実だよ、君。

恐らくこの時点で、副会長のルートは無くなった。


まぁ、本来のシナリオから大きく逸脱しているとはいえ完全に攻略不可となっているかは断言できないけれどね………。



でも、あの主人公の表情を見る限り、きっと立て直せまい。





取りあえず、何をするまでもなく二つのルートが潰れてくれたのは喜ばしい。

大きな収穫です。

なにせ、副会長の『個別ルート』エンドに加えて『ハーレムルート』エンドの双方が消えた意味は大きい。




二つのルートを辿った時、透子様がどんな運命を迎えるか分かっていればこそ。




そう、あの悲惨なエンドを迎えさせる訳にはいかないんです。





個別ルートが辿る運命。

そこでは、透子様は扼殺されます。


勿論、副会長自らが手を汚すものではありません。

それは『バットルート』エンドです。


詳細は省きますが、鬼畜の所業でした。

悪といっても、これは害悪。

つまり下種の分類です。



普段の腹黒企み水面下の手回しの良さの三拍子には好感の持てた彼でしたが、このエンドを迎えた後には評価も転げ落ちていきました。

むしろマイナスです。





そしてハーレムルート。

これが現実になった時、一体何が起こるのか?


それを思い返す度、辛かった編入試験までの長い道のりを乗り切る力に変えてきた。



このルートが序盤にして消えてくれたことは、この学園に来て一番の収穫だったと言っても過言ではありません。






このルートは当時も色々と物議を醸しましたが………


透子様が自ら死を選ぶのは、このエンドのみ。


だから、このルートを私は心から憎んでいました。



心も、身体も。

徹底的に辱しめられ、壊された透子様の姿はとても見れたものではありませんでした。




だから、良かった。





今、自分の心を占めているのは途方もない安堵一つです。




ああ、空が青いなぁ………


幸先も良い。


雲一つ見えない。




今この時、自分は完全に油断していた。

だからこそ、気付けなかった。




やれやれと桜の幹に手を付いて立ち上がった少女の姿を校舎の二階から見下ろす第三者の存在に。



シナリオの違和感に気付きながら、深く考えるのを放棄していた自分のミスでした。


二つのルートが消えたことへの安堵から、目が曇っていたのです。









「おいおい、マジで来たのかァ。………良いねェ。………俄然面白くなってきた」








そんな呟きなど、知る由もないまま。



私の学園生活は、こうして幕を開けたのでした。


























ここまで読んで下さり、ありがとうございますρ(・・、)


次回はもう一人登場させる予定です。


宜しければ、今しばらくお付き合いください。

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